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4,古竜の咆哮 ~理不尽貴婦人、古竜を教育する~

北の山脈「ドラゴンズ・スパイン」。

険しい岩肌が空を突き刺すようにそびえ、頂上付近は常に雲に覆われている。

この山の最深部に、古竜「ヴォルティック・ドラゴン」が棲むと言われていた。イザベラ・ド・ヴァレンティアは、古代竜の鱗甲冑を纏い、木の棒を優雅に携えて山道を登っていた。

傍らにはエミリアが、息を切らしながら必死についてくる。

 「お、お嬢様……本当に一人で大丈夫ですか?古竜って、街の伝説級の怪物ですよ……!」

イザベラは優雅に髪を払い、微笑む。

 「ふふっ、エミリア。心配は無用ですわ。このヴァレンティア家の令嬢に、倒せない敵など存在しませんのよ」

彼女のステータスはすでにLv.12まで上がっていた。

道中の雑魚モンスター(岩ゴーレムやワイバーン幼体)を「ぽよん」と反射で片付けたおかげだ。山頂近くの洞窟前で、イザベラは足を止めた。洞窟の奥から、低く響く咆哮。  グオオオオオオォォォン!!空気が震え、岩が崩れ落ちる。エミリアが震え上がる。

 「ひぃっ……! 来ましたわ……!」

イザベラは優雅に木の棒を構えた。

 「さあ、出てきなさい。この私、イザベラ・ド・ヴァレンティアに、挨拶をなさいな」

次の瞬間——洞窟が爆発するように開き、巨大な影が飛び出した。


【ヴォルティック・ドラゴン(古竜) Lv.85】


全長30メートルを超える雷属性の古竜。

鱗は青白く輝き、翼を広げると雷雲を呼び寄せる。咆哮と共に、雷のブレスがイザベラに向かって放たれる。  ズドォォォン!!雷撃が直撃。だが——  ぱちぱち……ぽよんっ!雷がイザベラの甲冑に当たった瞬間、逆に跳ね返り、古竜の翼に直撃した。

【ヴォルティック・ドラゴンに 雷反射ダメージ 3200】

【古竜のHPがわずかに減少】

 「……あら?」

イザベラが目を丸くする。

 「魔法属性も反射……?これは予想外ですわね。素晴らしい」

古竜が怒りの咆哮を上げ、爪を振り下ろす。  ドガァァン!!爪がイザベラを叩き潰そうとするが——  ぽよんっ! ぽよんぽよん!!爪が逆に弾かれ、古竜の顔面に跳ね返る。

【クリティカル反射!】

【ヴォルティック・ドラゴンに 自傷ダメージ 4800】

古竜がよろめく。エミリアが呆然とする。

 「お、お嬢様……! 古竜が……自分で自分を攻撃して……!」

イザベラは優雅に笑う。

 「ふふっ……理不尽とは、こういうことですわ。さあ、古竜さん。もっと本気でお相手なさいな」

古竜が激昂し、連続ブレスを放つ。雷、炎、氷——三属性のブレスが交互に飛ぶ。  ズドォン! ゴオオォン! シャァァァン!すべてがイザベラに当たり——  ぽよんぽよんぽよんぽよん!!三方向に跳ね返り、古竜の体に三重の自爆ダメージ。

【ヴォルティック・ドラゴンに 多属性反射ダメージ 合計12800】

【古竜のHPが急減】

古竜が苦しげに咆哮を上げ、翼を広げて飛行を開始。

上空から急降下攻撃を仕掛けてくる。イザベラは静かに木の棒を構え、優雅に投擲。  ブオンッ!木の棒が回転しながら飛ぶ。古竜の額に直撃。

【投擲クリティカル! STR×10倍補正適用】

【ヴォルティック・ドラゴンに 120ダメージ(端数切り捨て)】

……たった120。だが、古竜はすでにHPが半分以下。

反射ダメージで自滅寸前だった。古竜が最後の力を振り絞り、最大出力の雷ブレスを放つ。  ズドォォォォォォォォン!!!イザベラは優雅に両手を広げ、受け止める。  ぱちぱち……ぽよんっ!ブレスが完全に反射。古竜の胸に直撃し——

【最終反射ダメージ 25600】

古竜の巨体が崩れ落ちる。


【ヴォルティック・ドラゴンを撃破しました!】


【経験値 +85000(端数切り捨て)】

【レベルアップ! Lv.12 → Lv.28】

【称号『古竜殺しの貴婦人』『理不尽の竜退治』『バグの竜狩り』を取得しました】

【ドロップ:ヴォルティックの雷鱗(超レア素材)×10、古竜の心臓(伝説アイテム)×1、古代の宝箱(未開封)×1】


山頂が静まり返る。エミリアが涙目で駆け寄る。

 「お、お嬢様……! 本当に……本当に倒したんですのね……!」

イザベラは優雅に髪をかき上げ、倒れた古竜を見下ろした。

 「ふふっ……古竜さん、なかなか楽しませてくれましたわね。でも、まだまだですわ。ヴァレンティア家の再興には、こんなものでは足りませんの」

彼女はドロップアイテムを拾い上げる。


【古代の宝箱】を開封。中から出てきたのは——【神託の指輪】

効果:ログアウト機能の制限を一部解除可能(条件:サーバー管理者権限の証明)


イザベラの瞳がわずかに揺れる。

 「……これは?」指輪の説明文に、薄く浮かぶ文字。

【この指輪を持つ者は、世界の真実を知る資格を得る】

エミリアが心配そうに。

 「お嬢様……?」

イザベラは指輪を優雅に嵌め、微笑んだ。

 「ふふっ……面白いですわね。どうやら、この世界はただのゲームではないようですわ」

山頂に風が吹き抜ける。Lv.28の理不尽貴婦人は、ゆっくりと街へ戻る道を歩き始めた。ログアウト不能の謎。バグの正体。そして、ヴァレンティア家の真の再興。すべてが、今、動き始めた。

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