魔素??桜と温泉で
惑星に着いてから、早くも一か月経過です。
居住者、覚醒まで残すところにヶ月・・さてさて、どうなりますか
こうご期待!!
メインブリッジの会議室に召集が、かかる。
12人全員が、集まるのは、最初に地上探索が、行われる前日以来だった。
「魔素?」モーガン総督が聞き返した。
「そうとしか、思えないんだけどね。兎に角魔力の素?みたいな??・・・なのでこれからは、魔素と呼ばせてもらう。」
医療担当のソフィの話だ。
「魔素は、空気中にごく微量に漂う特殊な粒子の事なんだけど。困ったことに空気中だけではなく、動植物の中にもある。大気中の魔素を植物が取り込み、その植物を草食獣が、草食獣を肉食獣がといった形で循環されているのよね。」
「魔素を吸収すれば、いずれ人類も超常的な現象を行使することが可能かもしれない。が、今のところは、危険な物質かもしれない。大量の魔素は身体に悪影響を及ぼすかもしれないし、地球にはなかった 極めて特異な物質であることには変わりはないのよ・・・今のところ、その存在を知る者は限られているので何とかなるけど、今後は解らないわ。あまりにも不確定要素が、多すぎる。。。」
「人類に対しての影響だが、花粉症のように魔素アレルギーに陥る人もいるだろうから、そういった場合の予防や対策を行わないといけないわね。これは、花音とオリビアの専門分野ね。宜しく」
いうは、簡単だが、魔素の抗体を見つけなければ、と・・やることが多すぎる。そして時間がなさすぎる。居住者の覚醒は、もうすぐなのだから・・。
しかし、ここまで遥々旅をして来て、仲間を減らすことは、したくはない。多分、みんな同じ気持ちだろう。兎に角、やるしかない・・・と花音は、心に誓った。
「次に私から良いだろうか?」ルーカスが皆に尋ねる。
「湖の水質検査を行ったのだが、非常にきれいな水だ。山からの湧き水のようなものだね、なので飲料水としても使用しても問題ないことが分かった。居住地付近に貯水池を作って、水道設備を作ろうと思う。必要なものは、全て資材収納庫の物で足りる予定だ。」
「それは、良かった。まずは一安心て所だが・・問題は下水だよな・・。この後、人口が増える予定だからそれなりに施設しないといけないんだが・・。」
惑星到着から1カ月が過ぎようとしている。そろそろ、冷凍睡眠中の搭乗者を 覚醒させて生活基盤作成と衰えた筋肉を鍛える為の活動を始めては、どうだろうという意見が、出た。
搭乗者全員が、ここに住むわけではない。いくつかの候補地に散らばって人口を増やしながら開拓していこうというわけである。さながら大航海時代のように新大陸発見!とまではいかないが、地球では味わえなかった生活に喜びを見いだせるはずだと信じていた。
(地形など、殆どをAIによる探査で把握してるので大それた危険はない)
すでに動植物の生態の研究のために人々に先駆けて目覚めさせていた。幸いなことにこの星の自転周期は、ほぼ地球と同じという幸運にも恵まれて動物達にも影響はないようだ。まだ、ひと月しか経過していないので思うことはあるけれど。悩んでみたところで仕方がない。なるようにしかならないのが現実だ。
惑星『initiumイニティウム』は、月を従えていた、名前は『lunaルーナ』と地球時代と同じ呼び名にした。このように 意識的に地球時の言葉・ものの考えなどを当てはめて暮らすことにした。その方が、大きなトラブルも産まないだろうとの判断で。
コミュニティは、『フジ』と、『トウキョウベイ』の二つを計画中。
フジヤマの裾野の緑地に 畜産拠点と作物育成のラボを作る。山や海を日本の名前にしたことで、この島の地名は、古い日本地図から命名することにした。
(隣の大きな大陸には、昔のアメリカ合衆国の地名を使用する予定である。)
メインブリッジ会議室で
「いよいよ、冷凍睡眠から覚醒して、地上に下ろす予定なんだが・・インフラがうまくいってない。」
「三千人って、結構なかずですものね。」と、みんなで悩む。
「ウォン、住居はどんな感じ?」
ソフィアの問いかけに
「まず、フジヤマには、精々200人だな。トウキョウベイは、500か。カマクラファームとフジサンロクファームで、やりくりするか。。他の地の開拓を急ぎ検討かな。」
「今、現在。移動手段がない。ここに全ておろしてからでは、身動きが、取れなくなるのは、目に見えている。軌道EVを利用して下ろすのなら無理なく移動させられるんだが、ただし、開拓者に船の位置と軌道EVの事は、秘密にしておきたい。いずれ、何かのトラブルにより占拠されたり無謀な行動に出るものもいるかもしれないからね。【プロメテウス】によると、資材倉庫を運搬に回せばよいのではないか?とのことだ。あれは、人には操作出来ないから、占拠されることが有っても動かすことはできない。」
と、モーガン総督の鶴の一声でEVの使用は、秘匿することとなった。
「地球に戻りたいとか言う人出てきたら面倒そうだわ・・。」
その一言で一堂にため息をつくのだった。
「それと、みんなに朗報よ。」
オリビアの言葉に 耳を傾ける。
「気になっていた魔素だけど、地球から持ってきた桜の木が、解決してくれそうよ。」
「サクラ?」
「イエース!!あの樹は、魔素を吸収し分解してくれるらしいのよ。だから、これから拠点になるところには、桜の樹を植えるわ。で、ヒロにお願い、遺伝子操作で早期育成できないかしら?」
「元の樹は、どんな感じ?挿し木とかってできた?桜ってあまり知らないから」
「品種改良も出来るし、中々挿し木では、根付が難しいみたいだけど、、やるなら初夏がいいみたいなの」
「いま在るものを 植えてそこから増やしていく感じで。魔素の対抗力が、低いうちは必要だと思うのよ。」
「あー、そっちの問題もあったね。やること盛りだくさん。」
「それぞれの都合を聞いて計画を立てることにする。本日は、いったん解散!お疲れ様」
「フジヤマへの軌道EVでの降下は、60分後になるので希望者は遅れないように。」
「花音、オリー、ヒロ・・温泉行こう!!」
ソフィのお誘いに皆でうなずき
「「「OK,ボス!!ふふふ・あの温泉最高よね~、」」」
インフラ施設って大変ですよね。
作者、工事現場で、図面なんて来てたもので・・微妙に考えちゃいました。