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クズ聖王家から逃げて、自由に生きるぞ!  作者: 梨香
第四章 オークダンジョンを殲滅しよう!
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ダンジョンの外は雨季

 食物ダンジョンに入る前から、雨季になっていたけど、蒸し暑さにうんざり!


 ドロップ品で取っておく物、オークションに掛ける物以外は、ギルドに売る。


「依頼が出ているのをチェックして持ってきてくれ!」


 相変わらず、ギルドの受付の列は長い。ルシウスと機械兵に荷物を持たせて並ばせて、私とジャスで依頼があるかチェックする。


「早くエールを飲みたいから、さっさとしようぜ!」

 行く前にルシウスもチェックしていたと思うのになぁと、二人で愚痴りながら依頼票の前で調べる。


「はちみつ、ロイヤルゼリー、薬草はアレクが使うのか?」

 

「はちみつ、ロイヤルゼリーは、何個かは売るって話しただろう。薬草は売らないよ」


 酒系の依頼も多いけど、これはダンジョンの中で売る分は決めてある。


「はちみつ酒は売らなくて良いんじゃないのか?」

 

 私が依頼票を取る手をジャスが止める。

「ルシウスが売る分を決めたじゃん!」

 

 かなり依頼票が集まったので、それをルシウスに渡す。


「やれやれ、やっとエールだ!」


 ルシウスは、清算の列に並んでいるけど、私とジャスは生ぬるいエールをぐびぐび!


 ただ、復帰した金級のパンサーの噂が飛び交っているので、私はジャスがヘレナの件で怒り出さないかと冷や冷やして、いつものようにはエールを楽しめない。


「お代わり!」

 ジャスは一気飲みして、お代わりをしているけどね。


「おお、相変わらずルシウスに精算させて、エールかよ!」


 ジャスが肩を叩かれて振り向くと、そこには『草原の風』のリーダーのシャムスが笑っていた。それに、他のメンバーも疲れた様子だけど、無事みたい。


「おお、帰っていたのか!」

 ジャスも歓迎して、同じテーブルに座るように促す。


「エール、全員に!」

 ルシアが私の横に座って、大変だったと愚痴りながらエールを飲む。


「まぁ、オークダンジョンを見つけたから、俺たちの仕事はお終いさ」

 斥候が得意な『草原の風』だからね。ただ、シャムスや他のメンバーからも『月の雫』の悪口が!


「アイツら、村に居座ってこちらに探させるだけなんだ! その上、見つかったら自分の手柄にするんだからな!」


 バッカスって、嫌な奴みたい。まぁ、本人に会った事はないんだけどさ。


「おお、皆、無事だったみたいだな!」

 ルシウスも精算を終えて、合流する。


「ああ、何とか依頼達成した」

 ギルドからの依頼は、オークダンジョンの探索だったからね。


「これから、オークダンジョンを殲滅させなきゃいけないんだな!」

 ポンとルシウスの肩を叩いている。


「『草原の風』は参加しないのか?」

 斥候が多いけど、ダンジョン外の魔物もいるから、必要なんじゃない? ルシウスが尋ねている。


「バッカスの顔は当分見たくない。少し休憩したら、交易都市(エンボリウム)自由都市群(パエストゥム)への商隊の護衛任務を受けるさ。『月の雫』は護衛はしないだろうから」


 聞いているルシウスとジャスも難しい顔だ。


「オークダンジョンの殲滅は『金の剣』に依頼されるんじゃないのか?」


 ジャスは、前からバッカスが嫌いだったし、『草原の風』から話を聞いて、この依頼を受けるべきか考え直しているみたい。


 ただ、私は膝の上でミルクを飲んでいる白猫(レオ)に言われるまでもなく、女神様(クレマンティア)の神命がくだっているんだよね。


「『金の剣』が引き受けてくれるさ!」

 ルシウスの楽観的な票に一票入れておく。

『草原の風』もギルドマスターに『月の雫』の遣り方は報告していると思うからね。


 脳筋のギルドマスターが相棒だったパンサーが復帰した件で、混乱してなきゃ、『月の雫』に任せたりしないだろう。

 うん、それを期待したい!


『草原の風』もお疲れモードなので、今日は早めに解散した。


 雨が降っているので、湿気が凄い。北の大陸育ちには辛い季節だ。


 追っ手が来ないなら、交易都市(エンボリウム)で暮らしたい気分になる。


 雨に濡れないようバリアを掛けて、金熊亭まで歩いていると、チラリと懐かしいチビ達の姿が見えた。

 声を掛けようかと思ったが、雨を避けるように走り去った。


「雨が降らない寝床が見つかったのだろうか?」

 心配になったけど、私より逞しいのかもしれない。


 頭の上の白猫(レオ)が尻尾で顔を叩く。

「人を助ける前に、もっと強くなれ!」

 その通りだけど、ちょっとムカついたので、お風呂に入れよう!

 

 



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― 新着の感想 ―
10人くらい人員増やして、総出で金集めてクラン建てるか、訳あり物件(解決する前提)でも入手するか… それくらいしないと、クランたちそうにないかな?
チビ達が去っていった… 生きるのに必死で、覚えてないかもね…
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