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クズ聖王家から逃げて、自由に生きるぞ!  作者: 梨香
第四章 オークダンジョンを殲滅しよう!
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酒! 酒! 酒!

 ううん、酒って人を狂わせるんじゃないの? 私もエールが大好きだし、ワインとか日本酒っぽいのも味見したい。


「よっしゃぁ! ハヌマーンだぁ!」

 初見で苦労したハヌマーンだけど、ワインの樽をドロップさせると知ったジャスは、うはうはで喜んでいる。

「ジャスはアレクを護れ! アレクは聖属性でハヌマーンを攻撃。白猫(レオ)は機械騎士を召喚してヴリシャーカピのボスを俺と一緒に討伐だ!」

 ルシウスも酒が好きだけど、それより高額買取りが目当てかも。


 十四階で、ハヌマーンが率いるヴリシャーカピのボスの団体を狩りまくる。

「ふぅ、もう良いんじゃない? サルは飽きたよ!」

 ワインの大樽が四個、エールの樽が十三個、日本酒っぽい樽が二個!

 砂糖やポポ、それにバナナもいっぱいドロップした。

 エールは自分たちで飲むのが決定! ちょこっと味見したら、防衛都市(カストラ)で買うエールより美味しかったんだ。

 微炭酸っていうのか分からないけど、プチプチ弾けて、いくらでも飲めそう。


「十五階には転移陣があるから、そこで一旦は出るか? それか、セーフエリアで寝て、十六階に挑戦するか?」

 何回か目のハヌマーンを討伐して、バリアを張って休憩しながら作戦会議。

「エールももっと欲しいから、十四階を周回しようぜ!」

 ジャスは二杯目のエールが欲しそうな顔だけど、ルシウスは厳しい。

 それに、酔っ払ってダンジョンは駄目だからね。


「十五階に進んだ方が良い。ハヌマーンの倒し方はわかっただろう。もっと、強くならなくてはいけない!」

 白猫(レオ)はミルクを飲んでいる姿は愛らしいのに、厳しいな。

「そうだな! 蒸留酒を手に入れたい!」

 ルシウスは、欲望に忠実だ。強くなるのと、金になるのと、酒!


「よっしゃぁ! では、十五階に行こうぜ!」

 ジャスは、またエールを取りに来たら良いだけだと先に進む事にした。私も、サル相手はウンザリだから、賛成だね。


 十五階は、脳内地図(マッパエムンディ)で調べたら、草原エリアっぽい。

「トレントはいそうにないけど……うん? 草原の周りには木も生えていそう!」

「前までは十五階が深層階だった筈だ。だから、蒸留酒もここでドロップするんじゃないか?」

 ルシウスの言葉で、やる気満々だ。オークションで出た蒸留酒、とても美味しかったからね!


 でも、実際に十五階に降りて来たら、草原というより湿地とまでは言わないけど、湿気ていた。

「脚を取られないように気をつけろ!」

 ズボッとはいかないけど、ズルッと滑りそう。

「ここは花とキノコが多そうだ!」

 ルシウスは、花やキノコは高額ドロップが多いので嬉しそうに笑う。


「気を抜くな! ゴールデンベアの集団だ!」

 白猫(レオ)の警告で、ルシウスがトラウマを思い出しちゃった。

「またゴールデンベア! 食物ダンジョンでは黄金の毛皮はドロップしないのに!」

 ヤケ糞攻撃中のルシウスとジャスにゴールデンベアは任せて、私はキノコを矢で射る。

 白猫(レオ)は、機械兵を召喚して、キノコ狩り。


「呼び寄せさせて、機械兵のレベルを上げたい」

 機械兵は胞子で眠ったり、毒を受けたりしないから、良いんじゃない?

「それと、アレクはホーリーアローの練習をしたらどうだ?」

 白猫(レオ)って嫌いだぁ! このところホーリーアローは使っていなかったのに気づいている?

 

 アイテムボックスの中から、弓矢を取り出して「ホーリーアロー!」と射る。

「ホーリーの効果が薄いぞ!」

 白猫(レオ)は、私の従魔だよね! 駄目だしして欲しくないよ。

「ほら、キノコだけじゃなく花も来たぞ!」

 花の方が神聖魔法に弱い気がする。キノコは、効きが悪い。


「私は花を討伐するよ!」

 花は雌蕊をホーリーアローで射抜くと一瞬で消える。

「花も、呼び寄せるかもしれないぞ!」

 ゴールデンベアを討伐し終えたルシウスの欲にまみれた助言だ。

 呼び寄せるのに注意しろじゃなくて、呼び寄せさせろ! そして、高額ドロップをゲットしたいって意図が見え見え!


「ホーリーアローの練習になるから良いぞ!」

 白猫(レオ)も気楽に言うね。花って、上の階では棘のある枝を振り回したり、花粉攻撃だったけど、深い階では、棘を飛ばしてくるんだ。

 それに、その棘は爆発しちゃう。

 バリアを掛けながら、ホーリーアローはなかなかしんどい。


「ホーリーアローに魔力を注ぎ過ぎだ。もっと魔力を節約しろ!」

 ああ、白猫(レオ)が煩い! 腹が立ったので「遮断(ディスコンティ)!」を花全部に掛けちゃった。


「魔法の使い方がなっていない!」と白猫(レオ)に叱られたけど、横で煩いんだもん。

 ゴールデンベアのドロップ品は、やはり黄金の毛皮はなかった。

 でも、ロイヤルゼリーの大瓶、すっごく嬉しい。

「これは、何だ? 酒か?」

「おお、これは蜂蜜酒だ!」

 悪酔いしちゃうけど、美味しいんだよね! 

 ルシウスは、微妙な顔だけど、私とジャスはうはうは!


「ゴールデンベア狩りをしようぜ!」

「ロイヤルゼリー、蜂蜜酒がもっと欲しい!」

 ジャスと気が合うなんて、私も冒険者に毒されてきたのかも。


「花は……おお、これは! 高級な香料だ! それに、ジャム! 最高級の紅茶!」

 私が鑑定すると、ルシウスの気分も浮上する。金になるドロップ品は嬉しいよね!

 キノコも、トリュフが山のようにドロップして、ルシウスの笑いが止まらない。お金、大好きだからね!


「なぁ、もう少し十五階を回ろうぜ!」

 蜂蜜酒が好きなジャスの甘い誘惑に、私もルシウスも思わず頷いてしまった。

 星の海(シュテルンメーア)の弱点は、酒かもしれないね。


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― 新着の感想 ―
ジャムが微妙な気がするけど何種類もあればいいですね
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