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【連載版】幼馴染に振られた俺が、国民的アイドルの義妹に手料理を振る舞った結果  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第七膳 中華風カレーライス

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レティ

 俺は自分の頬が熱くなるのを感じる。

 こ、この状態で……志帆が一緒の湯船に入るのか!?


 志帆は身体を洗い終わったようで、バスタオルを丁寧につけなおす。

 さすがに裸で入るつもりではなかったらしい。


 ただ、水分を含んだタオルはさっきよりもぴたっと志帆の身体に張り付いていて目に毒だ。

 

 湯船はぎりぎり二人入れるぐらいの広さがある。

 志帆がぴったりと俺の横にくっつく。


「ふふっ……本当に家族みたいですね」


「家族だよ。俺は兄で、志帆は妹だし」


「それに、婚約者でもあります」


「そ、そうだね……」


「結婚したら、家族は三人、ううん、四人や五人になるかも」


 志帆が俺の耳元でささやく。


 つまり、俺と志帆の子どもということですね。わかります。

 子どもが生まれるということは、そういうことをするということで。


 いろいろ想像すると、おかしくなりそうだった

 透明なお湯の中に、志帆の身体が見えている。

 

「あっ、そうだ、入浴剤入れなきゃ……」


「べつになくても平気ですけど……」


「あった方が気持ちいいからさ」


「気持ちいい……ですか」


 志帆の言葉がいかがわしく聞こえ、俺は邪念を振り払う。


 俺は近くに置いてあった蓋付きの箱を取る。帝急の関係者からもらった試供品だが、地味に高級品だ。

 そこには炭酸性の入浴剤が入っている。


 一回分の分量を投入すると、じゅわっと音が鳴る。

 みるみるうちにお湯が


 志帆が「わあっ」と嬉しそうな声を上げる。


「すごいですね、お湯が宝石みたいな見た目……」


「気に入ってもらえて良かったよ。ただ……」


「どうかしましたか?」


「いや、透明な色の入浴剤を入れたのは失敗だったなって」


「え……なんでですか? あっ、兄さん……」


 志帆がふふっと笑う。

 そう。

 

 たとえば真っ白な色付きの入浴剤を入れれば志帆の身体も俺の身体も見えなくなる。


 そうすれば恥ずかしさも半減だ。

 そのつもりで入浴剤を入れたのに、しくじった。


「兄さんってば……恥ずかしがっていて、可愛い」


「可愛いって言われるとちょっと困っちゃうかな


「あっ、ごめんなさい。気にしているんでしたよね」


「まあね。俺が女っぽいのは事実だからいいんだけど。……葉月にもそう言われて振られたし」」


「香流橋さんと違って、あたしは兄さんを振ったりしませんよ」


 志帆は真顔でそう言って、それから照れたように顔を赤くする。

 

「もちろん、兄さんがあたしに告白してくれたら、の話ですけど。今でも香流橋さんのこと、好きですか?」


「好きかどうかといえば、好きだよ」


「そうですか……」


 志帆が悲しそうな顔をする。

 

「でも……今は一番大事な人は違うかもしれない」


「え?」


「目の前に可愛い妹がいるからね」


 志帆は目を見開くと、赤い髪をくるくると指先でいじる。

 その顔は耳まで真っ赤になっていた。


「なら……大事な妹をもっと甘やかしてください」


 そう言うと、志帆は俺に背を向けて、俺の膝の上に密着して乗る。ちょうど志帆の背中が俺の目の前にある形になる。


 ど、どういうことだろう……?


「後ろからハグしてください」


 甘い声で志帆が言う。

 そ、それは……。この体勢で志帆を抱きしめると、どうなるだろう。


 俺の下半身と志帆の下半身が密着してしまう。

 それに胸も触る形にならないだろうか……。


 さすがに理性が保てる自信がない。


「こ、これはちょっと……」


「香流橋さんにだったら喜んでするんじゃないですか?」

 

 志帆がすねたように言う。


「いや、そういう問題じゃなくて、これだと間違いが起こりそうな……」


「間違いじゃないですよ。だって、あたしたち婚約者です。何をしたって……許されます」


 俺はその言葉に完全に冷静さを失って、志帆を背後からぎゅっと抱きしめる。


「きゃっ……!」


 志帆が悲鳴を上げる。でも、その声は甘くて……嬉しそうだった。

 次は――。


 俺はそっと志帆の身体を撫でようとする。

 ところが、そのとき風呂場の扉が開いた。


 ぎょっとする。

 この家には俺たち二人しかいない。


 誰だろう。

 葉月? それとも父さん?


 そこに立っていたのは意外な人物だった。


 レティ・ポートマン。

 志帆の母だ。





 





これでこの章は完結です!


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