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恋愛映画とカップルシート!?

 さて、カップルシートは使うとして。

 何の映画を見るか決めないといけない。


 俺と志帆の二人は映画のポスターを眺めていった。


「志帆の見たい映画にしよう」


「え? いいんですか?」


「もちろん。妹の希望は聞かないとね」


「ふふっ、ありがとうございます。でも、兄さんの意見も聞きますよ。……あっ、あれとかどうですか?」


 そう言って、志帆が指さしたのは、『恋雨』というコテコテの恋愛映画っぽいタイトルだった。


「ど、どうでしょう……? 少女漫画原作ですし、ちょっと女性向けすぎるかもしれませんが……」


「いいんじゃない? 俺も少女漫画好きだし、この作品は原作も読んでいないしちょうどいいよ」


「やった!」

 

 志帆がガッツポーズで喜ぶ。そういう仕草も可愛いなあと思う。


「それにしても、兄さんも少女漫画好きなんですね?」


「そうだよ。ちょっと恥ずかしいけど」


「恥ずかしがることなんてないと思います。あたしも大好きですし……それに兄さんと同じものが好きだなんて嬉しいなって」


 志帆はふふっと笑う。

 少女漫画好き、というのも葉月に否定された俺の「女っぽさ」の一つかもしれない。


 でも、志帆にとっては歓迎すべきことみたいで。それがちょっとうれしくなる。


 そのままチケットカウンターに行き、俺たちはカップルシートを頼んだ。

 女子大生らしき受付の美人女性が「可愛い彼女さんですね! それに彼氏さんもかっこいいし……羨ましい!」とテンション高めに言い、俺は恥ずかしくて死にそうになった。


 俺が「兄妹なんです」と言おうとすると、志帆がそれより早く「はい。自慢の彼氏なんです」とはにかんだ様子で言った。

 受付のお姉さんは「いいなあ、いいなあ」と連発してから、やっとチケットを渡してくれた。


 俺と志帆とは彼氏彼女ではない。兄妹ではあるし、婚約者ではあるけれど。

 でも、チケットを買い終わった後、志帆は俺をジト目で睨んだ。


「兄さん……兄妹だって言おうとしたでしょ?」


「だって、事実だし」


「そうですけど! 別に言わなくてもいいと思います」


「そ、そう……?」


「だって、今はデートしてるんだから、兄妹じゃなくて、男の子と女の子でしょう?」


 志帆が上目遣いに俺を見つめる。

 そうなのかもしれない。義理でも兄妹は「デート」をしないだろう。婚約者はするかもしれないけれど、いずれにしても異性として相手を意識するからデートになる。


「たしかに。ごめん」


「それに、あの美人のお姉さんに鼻の下を伸ばしていましたし……」


「そ、そんなことないよ!?」


「なら、なんで顔が赤いんですか?」


 志帆が不満そうに言う。意外と志帆は嫉妬深いのかもしれない。

 それと嫉妬をするということは、俺に特別な感情を持っているということで。


 俺はますます顔が赤くなる。


「志帆と彼氏彼女だって言われて、恥ずかしかったんだよ」


「わたしの彼氏なのは恥ずかしいことなんですか?」


「違う違う。そうじゃなくてさ、その……志帆みたいな可愛い女の子と彼氏って言われたら照れちゃうなと思って」


 志帆の機嫌が直るかな、と思ってちょっと恥ずかしいことを口に出してみる。

 でも、これは本心でもあった。

 

 案の定、「ふ、ふーん。そうですか」と言いながら、志帆はちょっと嬉しそうに、赤い髪の毛先を指でいじった。




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― 新着の感想 ―
[一言] 長馴染みやアイドル同僚とか出てこない 二人だけの時間の話が好き 主人公君も、早く幼馴染への未練を捨てれるといいね
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