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【連載版】幼馴染に振られた俺が、国民的アイドルの義妹に手料理を振る舞った結果  作者: 軽井広@北欧美少女コミカライズ連載開始!
第六膳 二郎系ラーメン

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アイドルの妹vs美人のお姉さん秘書


「いや、デレデレなんてしていないよ?」


「兄さんの嘘つき」


 いや、まあ、たしかに智花さんのような美人から抱きしめられたら、ちょっと照れてしまう。

 そこは男子高校生なので仕方ない。


「可愛い幼馴染だけじゃなくて、こんな美人の大人のお姉さんがいるなんて……」


 志帆がつぶやく。

 智花さんがくすくす笑う。


「ごめんね。ヤキモチ焼いてるんだ? 可愛い……」


「べつにヤキモチなんて焼いていません」


 志帆がすねたように言う。どう見ても()いていると思う。


「まあ、公一くんが私みたいな大人の女性に見惚れるのもわかるけどね。女子高生では勝てないもの」


 煽るように智花さんが言う。俺はぎょっとするが、智花さんは片目をつぶってみせる。

 志帆をからかって遊んでいるらしい。やめてほしい……。


 案の定、志帆はムキになった。


「そんなことないです!」


「でも、公一くんはあなたにメロメロってわけでもなさそうだし」


「あたしは大人気アイドルだったんですよ!? 兄さんをメロメロにするぐらい簡単です!」


 志帆は叫んでから、はっとした表情をする。

 そして、みるみる顔を真っ赤にして、涙目になった。うん、可愛い。


 志帆は俺を上目遣いに見る。


「あたしの方が可愛いですよね?」


 そう問われると、俺の答えは決まっていた。


「もちろん、志帆の方が可愛いよ。大事な妹だからね」


「……ちょっと求めている答えと違うんですけど、まあ可愛いと思うならいいです」


 志帆は照れたように言う。智花さんも美人だけど、俺は同年代か年下の可愛い女の子の方が好きだ。ロリコン……なんて言わないでほしい。俺もまだ15歳なんだから。


 智花さんが「ひどーい」と冗談めかして言う。


「公一くんの浮気者」


「俺は智花さんの彼氏になったことなんてないですよ?」


「なら、なってみる?」


 智花さんに問われ、俺はうっと言葉に詰まる。葉月に振られた後なので、冗談とわかっていてんもちょっと魅力的だ。


 けれど、そこに志帆が割って入る。


「だ、ダメなんですから! 高校生の相手は高校生がいいんです!」


「ふうん」


「さっきみたいに抱きつくのもハレンチなんですから」


「羨ましいんだ? ならあなたも公一くんに抱きついてみたら?」


「そ、そんな恥ずかしいこと、できません!」


「ただの兄妹のスキンシップでしょう?」


 そう言われて、志帆は顔を赤くしながら「スキンシップ……」とつぶやき、俺をちらりと見た。

 本当にするつもりなんだろうか……?


 智花さんは微笑ましそうに俺たちを見る。


「ふふっ、本当に可愛い。はじめまして。私は小牧家秘書の氷上智花です。羽城のお嬢様、よね?」


 お嬢様、と呼ばれて、ぴくっと志帆が震える。

 やはり志帆は羽城家の人間で、それを隠している。


 不安そうに志帆が智花さんを見上げた。

 智花さんは微笑む。


「怖がらないで、取って食べたりしないから」


「取って食べるって、どういうことですか……?」


「私、女の子も好きなのよね」


 志帆がびっくりした表情で智花さんを見つめる。

 くすりと智花さんは笑う。


「冗談はさておき、行きましょうか」


 運転席に智花さんが座り、俺と志帆は後部座席に乗り込む。

 車が走り出した。


 鼻歌を歌いながら運転する智花さんに、俺は尋ねる。


「父がポートマンさんと再婚した理由を、智花さんは知っていますか?」


「愛し合っていたからでしょう?」


 智花さんはからかうように言う。

 

「そういうことではなくて……」


「なら、どういうこと? 人と人が結婚するのに、愛し合う以外の理由がある?」


「いろいろあるでしょう。小牧家なら、なおさら」


「そうねえ。もちろん、あなたのお父様――社長はポートマンさんを愛しているわ。仮に、他の理由があったとしても、この場では話せないかな」


 智花さんは言う。たしかにここには俺だけではなく、志帆もいる。デリケートな話題だったかもしれない。


 ただ、志帆は平然とした顔をしていた。もともと母親と折り合いが悪いし、政治的な理由での結婚かもしれないとは知っていたのだろう。


 それに……。この智花さん自身が父さんの愛人だなんて噂もあるわけだけれど、そのあたりは父さんはどうするつもりだったのだろう?


 智花さんは小さくつぶやく。


「みんなが幸せになれるといいのだけれど」


「え?」


「まあ、これはわたしのお祈りみたいなものかしら」


 智花さんはふふっと笑ったけれど、その表情はどこか寂しそうだった。



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