監獄からの解放
監獄からの解放
とある施設の地下に続くエレベーターにて
「強さの果てとはなんだと思う?」
メガネを付けた長身の人物が、筋骨隆々な男に問いかけた。問われた男は唸りながら考え始めた。
「強さの果て、ですか」
「あぁそうだ。俺は組織内の功績ナンバーワンの部隊『零ノ部隊』を指揮してる新川君に聞きたいんだよ。」
「……黒ヶ崎さん、俺は『零ノ部隊』が功績ナンバーワンだとは思ってません、あの化け物軍団である『監獄舞台』こそ功績ナンバーワンだと思ってます。アイツらは全員『監獄』出身ですし、全員が全員人としては最高峰の強さを持ってますからね。人間性はちょっと、かなり、すごくアレですが言うことを聞けば強いですしね」
「へぇーそう考えんだ。じゃあ、アイツら全員が束になっても傷1つつけれない化け物がいるとしたら?」
「アイツらを超えるといことですか。……ははっ、冗談はよしてください。そんなのいたらこの世界は滅んでますよ」
「そうか……じゃあこれから見る奴に関して絶対に驚くんじゃねぇぞ?」
「ちょっとそれっ――」
「黙れ。……うるさくしすぎるとここら辺にいる獣に殺されてしまうからね。ちょっとアイツを煽ったバカが餌になったこともあるからそいつの二の舞になりたくはないやろ?」
「そういうことは、早く言ってください」
新川の毛根はダメージを負った
黒ヶ崎と呼ばれた人物は新川と呼んだ男と共に施設の最下層そのさらに奥にある部屋に訪れた。
その部屋には両手首と両足首に鎖が繋がれた状態で椅子に座っている少年がいた。
「やぁ元気かい?」
「黒ヶ崎、アンタが俺の機嫌取りなんざ珍しいな。どうかしたのか?」
「君が『壊した』やつ、アレでも使えるやつだから生き返らせて欲しいんだけど、頼めないかな?」
「あんなのが、使える?……黒ヶ崎〜アンタも冗談言うようになったのか?アイツ心の中でてめぇを罵倒してたぞ?それでも使えるって言えんのか?」
「それが使えるんだよ、困ったことにね。」
そう話していると新川が黒ヶ崎を小突いた。
「黒ヶ崎さん、本題に」
「おぉ、脱線しすぎたかな?」
「はい……」
「そうかー、じゃあ本題に入ろう天武、君を黒ヶ崎 天武として解放することとなった」
「ほう?俺に街を壊していいと?てか、黒ヶ崎だ?」
「街を壊したがるのは分かるけどそれはダメかな。黒ヶ崎は条件みたいなものさ、その名を受け入れ私との約束を守ると誓うのであれば君は罪が消え解放される普通の生活に戻れるんだよ?ついでに僕の息子になる。」
「学校どうすんだよ?」
「とりあえず僕が手配しておこう。」
「ほーん……OK乗った」
「では……くろ、あぁ今はまだか……裏原 天武、君を3月12日14時38分現在をもち、完全解放とする!」
その日、とある怪物が檻から解き放たれた。その怪物は4年間もの間特殊な檻、『監獄』に閉じ込められていた。怪物は自分が『監獄』に入ることになった裏切りに怒る訳でも、『監獄』での思い出に浸る訳でもなく外の空気を2、3回吸って黒ヶ崎 三久に問いかけた、
「アンタのことってこれからなんて呼べばいい?」
と
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