九幕
こんな時間に更新ですが宜しくお願いします。
翌日、第三部隊には緊急招集がかけられていた。
「皆さん、本日は上からの命令で救助任務が入りました」
一誠から突然その様に言われた百鬼夜行面々は、困惑した。
それもその筈、昨日の内に其々が霊血突破の必要最低限維持する事が出来る様になったため、今日明日で更に精度を高めて、幻魔にギャフンと言わせるつもりでいたからだ。
「救助任務なら私達が出なくてもいいのではないでしょうか?」
未知瑠が疑問をそのまま一誠にぶつけた。
「本来ならそうなのですが、救助任務後にそこで討伐出来なかった妖怪をそのまま駆除する事もします。
そして、これは第八部隊と合同で行う事になります」
第八部隊……。
全部で十の部隊があるとは入る時に聞いていたが、これまで交流と呼べると言えるものは第一部隊だけであった。
「第八部隊とはどういう人達が集まっているんですか〜?」
夏希も一誠に質問をした。
「第八部隊は何と言いましょうか、人見知りが集まった集団でしょうか……。
私達が会おうとしても、向こう側が拒む位に人見知りなんです」
何でそんなのが魔強導隊で、しかも第八部隊なんて所にいるんだ?と全員が疑問に思った。
コホンッと一誠から聞こえてきた。
「話しが逸れそうなので戻しますが、我々は最初にベテランと言われてる壊滅した大討伐チームを昼間の内に出来るだけ救出します。
そして、それが終わる頃には逢魔時になっっているでしょう」
つまり、昼間に助けられるだけ助け、もし間に合わない様なら守りながら逃す事も視野に入れているって事であった。
「でも、ベテラン組の大討伐チームが壊滅的ダメージをするって余程の相手が出てきたんだんですか?」
「…………」
暁良の質問に一誠は黙りこくってしまう。
「えっと、もしかしてヤバイ相手ですか……」
悠太が一誠の気配を感じて、聞いちゃ不味いと思ってしまった。
「当初の予定では大量に中級から上級の妖怪が湧いた為、鬼門が開いたと言われていましてね。
しかし、現地の情報によりますと……、相手は餓者髑髏という事が判明しました」
餓者髑髏……。
大天狗級に強い相手だ、下手したら大天狗よりも厄介かもしれない。
そんな考えが全員によぎった。
「ですから、今回は第八部隊との合同で討伐になります。
急遽決まった事ですので、ぶっつけでの戦いになりますが、向こうも歴戦の部隊です。
なんとかなるでしょう……」
一誠は若干自信がなさそうに言うが、そうだと信じたいのだ。
「ベテラン討伐組の戦闘中の行方不明者や戦死者は解析班により既に判明してますので確認して下さい」
一誠はそう言って薄っぺらい用紙を全員に渡していった。
(全部で二十人参加してるのか、ベテラン十の新人十か……。
ほぼ行方不明者ばっかじゃないか、んっ?これって……)
暁良は行方不明者リストの中に見知った名前を見つけてしまった。
その名前とは"花菱 静香"と書かれていた。
花菱の名前を確認してから、改めて他のメンバーの名前を確認すると。
何度も暁良や未知瑠と一緒に大討伐をやった者達ばっかであった。
クシャッ!
思わず貰った用紙を握りつぶしてしまった暁良は、そのままポケットに用紙を突っ込むと、急いで現地に行く為の準備しはじめた。
そして、その動きをする者は暁良だけでなく姫乃、未知瑠、夏希等三人も同じであった。
一誠も四人の姿を見て、色々と察した結果、全員を急がせた。
そして、全員の準備が整い専用の車で現地に向かって行った。
現地に到着すると、一度戦闘があった為か、この場所は戦場の爪跡が酷く残っており、かなり平原が荒れていたのであった。
(花菱達……、必ず助けてやるからな!)
暁良はこの広い平原を見渡し、改めて決意を新たにした。
そして、ここ雨宮平原と呼ばれる場所では良く雨が降る事から名付けられており。
暁良達が到着すると供に雨が降り始めてきていた。
雨の所為で、空を見て逢魔時かを判別しにくいので、全員が支給された無線機を貰い、司令部から指示を飛ばしてくれる様だ。
そして人が見付かろうが、その逆で見つからなかったとしても、また改めて司令部から指示するが、逢魔時前には戻ってくる様に言われた。
「第八部隊は先にここより西側の探索に入っていますので、私達第三部隊は東側を調べ余裕があれば北側も調べに行きます。
それでは、全員捜索を開始して下さい!迅速な行動を心がけて下さいね」
一誠のその言葉に全員が「ハイッ!」と答えて移動を開始した。
第三部隊が救助活動を開始すると、雨脚が強まりはじめ、更に時間が経過する。
(あいつ、無事なら早く出てこいよ……。
もし逢魔時迄に行方不明者を見つけられなかったら、司令部がどんな判断を下すか想像がつく)
暁良の考えとしては、司令部は逢魔時迄に見つからなかったら、行方不明者を戦死判定を下すだろうと、暁良は思っていた。
「頼むから無事でいろよ……」
思わず出た呟きは強くなっていく雨の音によって掻き消されていた。
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