二幕
宜しくお願いします。
この日は、水族館に行く事になった暁良、待ち合わせ場所には、既に姫乃が待っていた。
正確には姫乃が絡まれているのを見てしまった。
「君、可愛いね?モデルとかやってるの?暇なら何処か遊びに行こうよ」
チャラ男が姫乃に絡んでいるのを見て、アイツ死ぬぞ!と思った暁良である。
「すいません、人を待ってますので行けません」
しかし、姫乃は普通の対応でチャラ男に応対していた。
「えぇ〜、良いじゃん良いじゃん!ちょっとお茶したってバチ当たんないよ?」
チャラ男は、しつこく姫乃を誘う。
(流石にそろそろ止めないと、あの男が半殺しになる)
暁良は以前に、ナンパされたら半殺しにするね、と姫乃に言われた事を思い出した。
「あぁ〜、悪い待たせたか?」
今、此処に来ました感を出して姫乃に声を掛けた。
「大丈夫よ、それじゃ行きましょ?」
そう言って姫乃は、暁良と行こうとするが、
「ちょっと待ってよ、そんな男より俺のがカッコいいでしょ?そんなの放っておいて、俺と遊ぼうよ」
チャラ男は諦めが悪かった。
(しょうがない、俺の彼女って事にすれば諦めるか?)
暁良はそう考えてから発言する。
「悪いけど、他当たってくれないか?俺の女にちょっかいかけると、無事じゃすまなくなるぞ?」
暁良の発言に姫乃は「俺の女!?」と顔面を真っ赤に染め湯気立たせていた。
「あぁ?無事じゃ済まないって、アンタがどうにかするんか?」
(これは逆効果パターンだな、やっちまったか)
暁良の考えている通り、チャラ男には逆効果であった。
「あんまり、ふざけた事言うとボコすぞ!」
チャラ男は暁良の胸ぐらを掴んできた。
「離してくれないか?一応言っておくと、これ最終通告な」
暁良は内心では、言っても駄目だろうなって思いつつ、最終通告をした。
「上等だ!女の前だからって調子に乗るなよ!」
あぁ、駄目だったか……、との思いで、暁良は男の足を払い、倒れた男の、顔面横の地面を踏み抜いた。
「特別にもう一回チャンスやるけど、このまま帰る気ある?」
暁良の言葉にチャラ男はコクコクと頷いていた、そして暁良は、その態度に満足してチャラ男を解放した。
「それじゃ、姫乃いくか」
暁良はそう言って移動しようとするが、姫乃は真っ赤になって、全然話しを聞いてなかった。
顔を真っ赤にさせていた姫乃を連れて、暁良は水族館に向かっていた。
「それにしても、よく手を出さなかったな?」
移動してる間に落ち着いたのか、普段通りに戻っていた姫乃は、
「だって、あんなのを相手して、討伐保留を解除されるのとか嫌じゃない?」
姫乃の言葉に「もっともだな」と暁良は返した。
二人はその後も、取り留めもない会話をしつつ目的地の水族館に到着した。
「水族館楽しみ〜」
「水槽の魚食うなよ?」
「食べないよ……」
水族館に入り、色々な海の生き物を暫く見て回っていると、良く見た顔がいた。
「あれって、夏希じゃないかしら?」
姫乃が指差した方向には、夏希が一人で居るのを見かけた。
「本当だ、今日は訓練ある日だろ?」
「その筈だけど、私みたいに普通に休んだんじゃない?」
ここに居るのだから、そうなんだろうと思う暁良。
「まぁ、見かけて声掛けないのもアレだし、声掛けるか、様子がおかしいとかも言ってたしな?」
「そうね、そうしましょ」
そう言って二人は夏希に近付きながら声を掛けた。
「夏希、こんな所で何してるんだ?」
「…………」
声が聞こえてないのか、ボゥーっとしながら魚を見ている。
「おーい、聞こえてるか?」
今度は更に近づいて声を掛けてみた。
「あ、あれ?暁良さんと姫ちゃん?ど、どうしてこんな所にいるの?」
二人に気付いた夏希は、二人がここに居る理由を慌てて聞いてきた。
「それはこっちの台詞よ、今日は訓練の日じゃなかったかしら?」
「あぁ〜、それは……、休みました……」
姫乃の問いに、少し戸惑いながらも答えた。
「大丈夫か?姫乃からも様子がおかしいとは聞いていたが、何かあるなら相談位は乗るぞ」
「あはは、わかっちゃいますか……、そうですね、一人で考えててもしょうがないですよね……、それじゃ相談乗って下さい」
夏希は相談をお願いすると、暁良と姫乃は「もちろん」と言って、話を聞く事にした。
水族館の中にあるカフェに、三人は入った。
「それで、何に悩んでるんだ?」
暁良はストレートに聞いた。
「…………」
「どうした?遠慮無く言っていいんだぜ?」
その言葉に同意するように、姫乃が頷いた。
「……いんです」
「ん、何だって?」
声が小さくて二人とも聞き取れなかった。
「その、戦うのが怖くなってしまいました……」
「タイミング的に大天狗の後からか?」
「はい……」
(まぁ、あの戦いは誰が死んでもおかしくない状況だったからな、轟鬼が生きてたのも運が良かっただけの話しだし)
「あの戦いに参加して、怖くない奴なんかいないさ。
俺だって怖かったし、逃げたかったぜ?」
暁良は正直に、あの時の心情を吐露した。
「でも、逃げなかったじゃないですか?。
それ所か、大天狗にも攻撃を与えて弱らせてますよね……」
「あの時は必死だったしな!。
それに、もしもあそこで逃げてたら、命は助かるだろうが、大切な者は確実に失ってたと俺は思ってる」
「大切な者……?」
「そうだ、お前や姫乃、未知瑠って言うよりかは百鬼夜行のメンバー全員だな!。
あそこで戦力を減らしたら全滅の可能性もあっただろ?」
「はい……」
「確かに死ぬのは怖い、でもな、それ以上に仲間が死ぬ方がもっと怖いんだよ。
お前だって、仲間に死んで欲しくないだろ?」
「そうですね……」
「まぁ、お前の悩みは誰でも通る道だよ、だからじっくり悩んで、後悔しない選択を選べ」
その言葉に夏希は黙り、深く考え込んでいた。
「でも今日は水族館にいるんだ、細かい事を気にしないで遊ぶぞ、姫乃もそれでいいよな?」
暁良の言葉に姫乃は嫌な顔せずに「もちろんよ」と言った。
その後は、皆んなで遊び回り、最後には夏希も笑っていたが、向日葵が咲いた様な何時もの笑顔にはまだ遠かった。
息抜きで書いてた方も、コンテストに応募してたの忘れてたので、彼方も少し更新していきます。
こちらも、書いてはいるのですが少し遅筆になります。




