二十二幕
修正中。
場面は変わり時は遡る。
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「いたぞ! 青鬼はあそこだ!」
花菱はそう言うと先手必勝と言わんばかりに青鬼に殴りかかる。
花菱の霊装は両腕全体を覆う鉄甲だ。
見た目に合う武器に暁良は以前「筋肉ダルマに似合う霊装だな!」と笑ったら、殴られた思い出がある。
そんな花菱の攻撃を青鬼は簡単に防ぎ、直ぐに反撃を繰り出した。
「させるか! 静流!」
そう言った暁良は花菱と青鬼の間に入り、技で攻撃を受け流すとそれに合わせてベテラン六人も攻撃を重ねる。
それは細かい打ち合わせもしていないのに、良い連携であった。
だが、
「甘いわぁぁぁ!!!」
その声と共に青鬼は両腕を開き、コマの様に回転しながらダブルラリアットをしている。
シンプルな技だが、青鬼程の実力者がそれを使えば、それは圧倒的な暴力となる。
その攻撃を全員が防御や回避等をして対処するが、全員青鬼から距離を取らされた。
「対魔師と言うのは何時の世も奇襲襲撃する愚か者か!! 恥を知れ! この下等な生き物共が!!」
その怒りの咆哮は七人の鼓膜どころか身体を揺さぶった。
「くっ! 橋姫程じゃないけど凄い圧……」
「その通りだな」
未知瑠の呟きを隣で聞こえた暁良は同じ様に呟いた。
「まぁいい。貴様らの様な取るに足らんゴミは直ぐに踏み潰してやる!!」
そう言うと、続々と低級妖怪が現れだした。
(どう言う事だ……? ここに来るまでもかなりの数を倒している……幾ら何でも多すぎる)
そう思った暁良は、一つの答えに辿り着いた。
「鬼門か!」
鬼門とは陰陽道で鬼や妖怪の通り道とされているものであり、現世に現れる為の手段の一つとされている。
「グハッハッハ! 気づいたか! まぁ、仮初の鬼門ではあるが今のお前達にはどうとも出来まいて!」
青鬼の他に面倒事が増えた事に暁良は更に焦る。
(鬼門の破壊に青鬼討伐……戦力が足らな過ぎる。どうすればいい? 青鬼を無視しての鬼門破壊は絶対に邪魔される! 逆に青鬼を優先したら低級とは言え、どんどん数を増やされ消耗させられる)
確かにベテラン十五人居れば、余裕を持って対処出来たなと自嘲した笑みを浮かべる。
「それでも貴様は討つ!」
花菱の言葉に呼応するかのように六人が一斉に動き出した。
「グハッハッハ!! その意気や良し!! 命を燃やして足掻け人間共よ!!」
そして、対魔師七人は青鬼と鬼門を破壊する戦いを激化させていった。
対魔師の一人が槍で青鬼を突く。それを青鬼は槍刃の付け根を右手で掴み投げ飛ばす。
そのタイミングで二人の剣士が青鬼の右側から斬り掛かる。──それを察知した青鬼は右足で蹴りを放ち対応しようとするが未知瑠の盾によって蹴りは防がれた。
更に手薄になった左側から花菱と短剣使いが青鬼の左手左足を狙う様に攻撃する。
だがこれも青鬼によって防がれた。
「今だ!」
花菱の声が聞こえた。
(わかってるよ!)
「風雷!」
暁良は完璧なタイミングで、最速の技を放ち決めにかかる。
しかし、
「「「キシャアア!!」」」
低級妖怪達に阻まれた。
「くそっ!邪魔された!」
「グハッハッハ!惜しかったな! だが今の連携は見た! 次に同じ様な攻撃は食らわんぞ!」
その後も即興で様々な連携を行ない攻撃するが、良い所で低級の邪魔が入り戦況がいつまでも好転しない。
そして似た様な連携攻撃をしてしまった暁良達は……。
グシャ! と何かが潰れる音が聞こえた。
「グハッハッハ! 対魔師が弱くなっていると分かっていたが……ここまで弱くなっていたか! 頼光とその仲間はもっと楽しめたぞ!」
短剣使いの頭部は潰され、残った死体に食事を見つけた低級供が群がっていく。
全員の表情には明らかに疲労の色が見えた。
更に、一人減った事でただでさえ不利な戦況は更に傾く。
そんな状況下で戦い今度は短い時間で……また一人死んだ。
今度は暁良と同じ剣士だった。
「グハッハッハ! どうした? どんどん死ぬぞ! 対魔師共! 儂に慈悲を乞うてみるか?」
対魔師が死ぬのがそんなに楽しいのか青鬼は嗤いが止まらないでいた。
「こんな対魔師共にやられた酒呑は浮かばないな!」
酒呑と言う言葉にドクンッと暁良の心臓がなる。
(そうだ……。酒呑童子の力を使えばこいつを倒せるんじゃ?)
俺ガ地獄ヲ作ッテイルノガ愉悦ダ。
(ダメだ、あの感情は絶対に出してはいけない! もし出したら此処で行なわれるのは虐殺だ!)
だが、どうすればと暁良は思う。
皆を逃してから解放すればチャンスはあるか? と思考したが既に退路が無い状況だった為、これを諦めた。
そんな思考をしてた時、暁良達を囲んでいた妖怪達が次々に倒されていく。
「待たせたな!」
「お待たせしました」
低級殲滅に向かってた二人が合流を果たした。これで立て直しが出来ると暁良は喜んだ。
「よくやったお前達! かなり不味い状況だが、これで立て直せる!」
暁良と同じ事を思った花菱は大きく声を張り上げていた。
「グハッハッハ! 数だけが振り出しに戻っただけで何も変わっておらんわ!」
青鬼の言う通り人数は戻ってはいるが、其々には戦闘の疲労が色濃く出ており、全てが最初からと言う状況じゃない。
その時、鬼門が爆砕した。
「なっ、なんだぁ!!!」
青鬼が驚愕の声を上げる。
青鬼も驚いているが、暁良達も何が起こったか分からず驚いてると鬼門の方から声が聞こえてくる。
「あら、あらあら〜。久しぶりに鬼門が見えたので頑張っちゃいました〜」
そんな気の抜ける声が聞こえてきた。
「貴様ぁぁぁ!! 何者だ!!」
その声に答える様に花菱が声を上げる。
「碓井! 良くやった! こっちの加勢も頼む!」
花菱の言葉を聞いた青鬼は怒りの声で言う。
「貴様!! 碓井の縁の者か!!」
「あらら〜、わたし貴方に名前言いましたっけ?」
花菱が名前を呼んだ事を聞いてないのか、そんな事を言う。
「まぁ、でも」
その言葉と共に碓井は青鬼の前まで一瞬で距離を詰め、碓井の霊装……人の大きさ程ある大鎌を振りかぶろうとしていた。
咄嗟に青鬼は回避した。
「ぐぬぬ!! またしても頼光の手の者が邪魔するかぁぁぁぁぁぁ!!」
青鬼の激昂を受けながらいつも通りの笑みを浮かべ戦っている碓井。
思わず、その光景見てるだけになってしまった面々が正気に戻り慌てて援護しにいった。
(やっぱ、あの人ヤバい強いよな〜? あれで十二聖に選ばれないんだから社長はどんだけヤバいんだよ……)
そんな考えをしていると次の援軍が現れ、力を貸していく。
「暁良さん! お待たせしました! これから低級を狩ります!」
新人達が現れ低級の相手をしはじめた。
「よくやった! これで後ろの低級の心配をしないですむ!頼むぞ!」
そう言って暁良も戦闘に意識を戻した。
戦闘は対魔師側に天秤が傾いた。
「碓井がぁぁぁぁぉ!! この命燃え尽きようと貴様だけは殺してやるぅううう!!」
嵐の様な青鬼の攻撃を、微笑みを浮かべながら流し、躱し、等をしているが流石に碓井でも攻撃には手が回らない様だった。
だが、青鬼は完全に碓井に釘付け刺せられている状況だ。
暁良含む他の対魔師が攻撃して、其方に注意が行くと次の瞬間には、致命の一撃となる碓井の攻撃が、青鬼を襲う。
そんな流れを何度か繰り返すと。
青鬼は碓井の攻撃だけは受けては行けないと思ったのか、妖気を全て肉体の防御に回し、他の対魔師の攻撃を一切無視する様になった。
碓井は攻撃出来なくなったが、他の対魔師達が青鬼を斬り、突き、穿って行く。
青鬼の妖気はどんどんと小さくなっていった。
青鬼は数の暴力と自身の力で、対魔師を圧倒していたのに全て状況が逆転した事に嘆く。
「聞け! 碓井! この魂、何度変わろうと必ず貴様の一族を滅ぼしてくれる!!!!」
弱った青鬼にトドメの一撃を碓井が放ち、青鬼は絶命した。
「何かいいましたかぁ〜?」
碓井は話しを聞いて無かった。
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