5.レッドブルは詐欺だ!!
「さーて入れたぞぉぉー。あっちに居るのかこっちに居るのかどっちに助け声はあるんのかなあ?」
ラズベリー軍団もいい感じに巻けたし、そろそろ声の主がわかりそうとゆうワクワクと、
最初から脱衣ジャンプして飛んでたらよかったやんとゆう自分のオツムの弱さ故の失望感を紛らわすため山斬は大声で探した!
そして山斬は人影を見つけた!
しかし次の瞬間山斬に衝撃が走った....
なんとその人とは、
少女らしき体格の者が上半身の部分だけ壁にめり込んで、
「誰かーオ尻ケッテー!!!!!!!!」
と言っていたのである。
(うん....いや助けを求めていた事には違いないよ...うん...
でもねもっとまともに困っていてくれよ〜)
山斬は今までヒーローみたいに頑張ったのがちょっと
恥ずかしくなった。
とわいえ、
助ける事に変わる事はない。
早速山斬は助ける為に声を掛けた!
「おーい大丈夫?見た感じ大丈夫そうだけど。」
「いやどこからどう見て大丈夫なのよ!!!全然大丈夫じゃないわよ私!!」
幼そうな体格にしてはちょっと大人っぽい低い女性の声だ。
ジーパンを履いていて、お尻の部分にピンク色の文字で“桃”と書かれている。
「..............」
「いや何よ!何かアクションしなさいよ!」
「いやお尻が喋ってるから...」
「お尻でしゃべってる訳無いでしょ!!ちゃんと体と顔が合って口があるのよ!!!それより私を助けなさいよ!!!」
「どうやって?」
「だから...」
ここで少女は考えた。
お尻を蹴って欲しいと自分で助けを読んだは良いが向こう側から聞こえる声は男性。自身が男性にお尻を蹴られるとなると絵面的にとてつもなくヤバイ事になるから頼むにも頼めない。が、助かりたい、この難しい塩梅をどうすれば良いのか?
と。
しかしこの男は違った!
「ドウルウウウアアアア!!!」
「きゃああああ!!!......あれ?」
身体は前に倒れ込めているが、お尻を蹴られた痛みは無い。何より、まだお腹辺りで挟まっている感覚は取れていない....
「大丈夫そうだな!声を出せる程元気っぽいし!壁ごと蹴ってみたんだがこれで良かったか?」
「よくない......事もないのかしら?」
(この男は上半身魚だし、アホそうだし、多分マジでアホだけど、私が絵面を気にしている間にその問題を私より速く解決できた...信用して良いのかしら?)
少女は戸惑っていた。
山斬は少女を見つめていた。
とても不思議な見た目をしていたからである。
白いおかっぱよりは少し長いくらいの髪で、可愛いらしいカンジの少女なのだが、身体が嫌に白くて棘が無数に生えている。棘からは絶対触っちゃダメな濃い紫の色の霧を出していた。
「ワティフェィを見てボーっとしてるけど、どうした?惚れた?」
「いや惚れる訳ないでしょ!こんな魚野郎に!
って、ワティフェィって何よ。」
「ワティフェィ?.........え?ワ・ティ・フェイだよ?」
山斬は喋っていると同時にワティフェィに合わせて胸を三回右手で叩いた。
そして少女は、ワティフェィとは彼の一人称の言い方だと理解した。
(私って言っているんだ...)
「あ!そうだ、少女よ!逃げるぞ!」
「はえ!?なんで!?」
少女は急に声を掛けられた驚きと逃げるに対する驚きが同時に出た。
「ほら行くぞ少女よ..あうん?」
山斬が外に出ようとした時、
少女は山斬の服を掴んだ。
「私の名前はアプシュルノよ」
「そうか!ワティフェィは山斬 オッコメーノだ!覚えとけ!」
「....うん」
二人にとってほんの少しだけほっこりする瞬間だった。
しかし全くほっこりしている暇などなかった!
目玉ラズベリーは工場を包囲していた!
そして、何匹かは工場に入って来ている!
その内の一匹と二人は鉢合わせてしまった!
「キュキュキュキュキュキュ!!!」
「ウアアア!!見つかっちまったーー!!」
二人は一緒に工場内を走って逃げ回る!
しかしその足音に気づかれてさらに目玉ラズベリーに追いかけられる!!
「何?あの気持ち悪い生物!なんなの!?」
「分からん!だから逃げちょる!」
逃げに逃げて屋上まで来た!
が、工場は既に目玉ラズベリーに包囲されていた!
後ろには目玉ラズベリー達がすぐそこまで来ている!
「どうにか逃げる方法は無いの!?」
「あるにはあるが時間が足りない......」
「OK時間を稼げば良いのね。」
そうすると目玉ラズベリーが襲いかかって来る!
「キュキュキュキュキュキュ!!!!!!!!」
「くらいなさい!」
アプシュルノはそう言うと、腕から生えている棘を沢山飛ばした!
「ビョフッュビョフッュビョフッュビョフッユビョフッユ!!!」(貫通音)
目玉ラズベリー達を棘が貫き、倒してゆく!
「ざっとこんなものかしら。」
アプシュルノはクールに決める。
そんな決めてる所に割り込むように山斬はこう叫んだ!
「山斬秘技その8!鱗大砲!!!」
そうすると山斬は鱗を3枚取り、それで大砲を作った!
「よし出来たぞアプシュルノ!....あれ?」
アプシュルノの口がとんがって、目線を逸らしている。
「....どうかしたのか?」
「.......何でもない」
「そうか!じゃあ行くぞー!」
山斬は大砲に入り込んだ!
そしてアプシュルノは飛ぶのを見届けようとしていたが...
「・・・」
「・・・」
山斬は飛ばなかった。
「何で飛ばないの?」
「そっちこそ何で乗らんのだ?」
「は!?先に貴方が飛ぶんじゃ無いの?」
「ん?ワティフェィは大砲と一体化し、大砲のパーツとなっただけだが?」
「は?じゃあ貴方はどうやって飛ぶのよ!?」
「大丈夫だ!!!レッドブル持ってる!!」
「いやそれで飛べる訳ないでしょ!!」
「いいから速く乗るのだアプシュルノ!」
「ん〜〜も〜〜!!」
アプシュルノはどうにも出来ない気持ちを抑えて、大砲に入り込んだ!そして大砲は放たれた!
「ビュキューーーーーーン!!!」(ハナタレ音)
大砲から放たれたアプシュルノは空を飛ぶ!
「イギヤアアアアアアアァァァ!!!」
一方その頃大砲と一体化した山斬は!
「今〜私の〜♪願い事が〜♪かな〜う〜な〜らば〜♪
ングングッつば〜さ〜が〜♪ングングッほし〜い〜♪」
そうすると山斬大砲から少しずつ羽が生えて、羽が大きくなってゆく!!
「この〜背中に〜♪ングングッ鳥〜の様に〜♪ングングッ
フー白〜い〜つ〜ばさ〜♪つけ〜て〜く〜ださ〜ああああおおううぅぅいいいいい♪」
そして山斬は羽ばたいた!
自由の為に!
みんなの為に!
美しく大砲の状態のまま羽ばたく!
この美しい自由の羽はもう誰にも奪う事は出来ない!
そして山斬は羽ばたく!
美しく!
それは誰が敵に来ようとも!
誰に貶されようとも!
そして!
僕たちは忘れない!
彼の勇姿を!
その美しい姿を!
これまでも!
そしてこれからも!
ACジャパンはこの活動を応援しています。
そして、二人は工場から600mくらい離れて、アプシュルノは顔面から思い切り着地し、山斬は元の姿に戻り、着地した。