2.男は度胸って言うけど人として真面目に生きる事も大事だと思う
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〜上空20000mにて〜
「いーい湯ーだーなあ♪ラララン♪いーい湯ーだーなあ♪パパパン」
山斬は風呂にも入っていないのにまるで風呂に入っているかのような曲を歌っていた。
「そろそろ会社上空ぐらいに来たかなあ?よし!」
しがみついた状態から顔をゆっくり腕時計に近づける。
「ヴィクティムキラー-200!緊急離脱システム急行落下離脱式準備!」
そうするとヴィクティムキラー-200の中から山斬が入るくらいの大きなガチャガチャのカプセルが出てきて、
「んーよっこらせっとコルセット」
山斬はカプセルの中に入ってゆく。
山斬がカプセルの中に入ると...
「緊急離脱システム急行らっkss..............」
「おい噛むなよー噛んだら台無しじゃんよー」
「・・・」
「ズドン!」
そうするとカプセルが急に落とされた。
システムの機嫌を損ねてしまったのだろうか。
しかし、山斬はシステムの分際でと思ってしまった。
そうこれは差別だ。
生きているか生きていないかの差別だ。
と一瞬思ったが、明らかにこのシステムを作った自分の非であったと山斬は悟った。
そんな事悟っている内にカプセルの落下速度は100km/hに到達していた!
「そろそろパラシュート開かんとなあ」
ちょっとやばいので山斬はカプセル内にあるパラシュートのボタンを押した!
「ポチッ」
「.....」
「故障してるやん」
故障していた。ただそんな大した事ではない。着地する際にちょっとGがかかって気持ち悪くなるだけだ。
「いや嫌や(いやだけに)このままやったら僕と牧草マヨネーズ味ゲロってもうやん」
そう、僕と牧草マヨネーズ味をゲロってしまう絶体絶命の危機なのである!
そんなこんなしている内に150km/hに到達していた!
その時!
「......ッゥゥゥググググググウウウウ」
「ん?なんの音やろ?」
どんどん音は大きくなっていく。
下から流れているので下を見てみると無数の竹が生えてきているのであった!
「なんで竹が生えているんや!?俺の会社はどうなったんや!?」
そんな事を考えている暇も無くカプセルと竹の先端が衝突した!
「プニュルルルルリイーーーン」(衝突音)
「うわあ」
大きな衝突音と共にカプセルは砕けっちって、
山斬は外に放り出されてしまったのだ!
そうすると山斬は肌から鱗を一枚取って、
こう叫んだ!
「山斬秘技その4!鱗サーフィン!!!!!!!!」
そして山斬は、ほぼ垂直な竹を鱗サーフィンで滑り落ちてゆく!
「ザザザザザザザザザザ!!」
そんな中山斬はジェットコースターみたいに感じて楽しんでいた。
しかし楽しめる状況ではないと直ぐ我に帰った。
「んーそれにしてもこの竹葉っぱに葡萄のようなプニュプニュの塊が付いていて気持ち悪いなあ。」
100mくらい滑ると、葡萄のようなプニュプニュの塊がついた葉が増えてきて、周りにはそんな竹が大空の空間を支配していた。
まるで修学旅行生が旅館を貸し切る様なくらい支配してた....
小6の時の担任マジ許さん
それは山斬にとっても不思議な光景だった。
いや不思議というより不可解であり、
不可解というより不気味な気持ちであった。
鱗サーフィンで滑っていくと、竹達が成長によって突き破り、破壊されたビル達が見えてきた。
「んーやっぱり会社壊れていたか。」
山斬は自分は思ったより白状な奴だと思ったが、これはゲロるかゲロらないかの窮地にいたからであった事が次の瞬間で悟り、そう考えるちょっと焦ってきた。
ただ焦っている場合ではない。
まず着地しなければならない。
そうすると山斬はまた鱗を一枚取って、
こう叫んだ!
「山斬秘技その5!鱗ボム!!!!」
そう言うと山斬は取った鱗を地面に投げつけ、
地面に鱗が当たると.....
「ヤマテュュルルリュルーン!」(爆発音)
爆発音と共に、爆風が地面から噴き上げてきて、高速でサーフィンしている山斬を上方向に加速させ、速度が相殺される!
風圧によってそのまま衝突するのに比べて体に負荷をかける事無く無事着地出来たのであった!
「ふーあぶなかったーアブラハム!」
「...」
しまった。こんなとこでボケても笑ってもらえない。だって一人なんだもん。と寂しく山斬は悟った。
着地したのは会社前の大通り。
そんな寂しい一人の山斬は周りを見渡すと...
いつも見える会社からの景色が不気味な竹に覆われていた。
いつも行ってるこんな時期に限って唾飛ばしまくるラーメンの店長のいるラーメン屋、
男専用のパンティー専門店、
そして会社...
みんな竹が地面から突き破られて貫通し、ボロボロになっている。
そして葡萄のようなプニュプニュの塊が紫のミストを出して気色悪い雰囲気をだしていた。
「あーどうしよう」
そうすると地面からバスケットボールくらいのラズベリーのようなものが山斬の半径5mから生えてきた。
しばらくすると...
「クチュキュキュチュチュチュ!!!」
なんとラズベリー達の粒々一つ一つから目が出てきた!!!!!!!!
「あー気持ち悪い気持ち悪い」
山斬が口に出してしまう程不気味であった。
「.....ケテ」
「ん?」
どこかからか小さな声が聞こえる。
方角はあのいつもうるさい工場。
山斬は思った。
(〇〇ケテは助けてじゃん。どう考えても助けてじゃん)
(でも今は不気味な生物かどうか分からないものに囲まれていて、自分の身すら危ういじゃん。)
正直、ここは自分の身を優先すべきである。
所詮誰かは誰かであり、自分は自分。
自分の事は自分でしろと言う話だ。
ただ考えてしまう。
もし動けなくて助けを求めていたら...
逃げ道を無くして助けを求めていたら...
と
(オッコメーノ、勝算とか可能性とか考える場合か?そんなんじゃ誰も救われない。馬鹿だろうが綺麗事だろうがなんでもいい。ただ男として、人魚として動くべきなんじゃないのか?)
山斬は自分の心を激らせた。
志を、誇りを。
そしてその激らせた心はもう一つの選択しか選べなくなっていた。
「ぬおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
山斬は走り出した。
がむしゃらに訳を考える事も無く声のする方向へ走り出した。
それに気づいた無数ラズベリー達は、3本の足が生えて
山斬を追いかけていく!
「うおおおお〜助け出してやるうう〜〜!!!」
全力で山斬は向かう!
声の主を助け出すために!