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My Dream,  作者: ニャッピー
2/2

第1話:夢

直斗ォーーー。

誰かが俺の名前を呼んでいる。

「一ノ瀬直斗ォーーー。聞いてるかー。」

「ふぁ〜い。」

直斗は欠伸をしながら言った。クラスからくすくすと笑い声が聞こえる。

「エ〜、そのプリントは20日までに提出するように。」

キーンコーンカーンコーン。終わりのチャイムが鳴った。

「エ〜、テストまであと5日なので、寄り道しないように。エ〜、以上です。」

そう言い終えると、教師はさっさと教室を出ていった。

ここは私立神谷高校。そして、今3−DのSHRが終わったところである。

教師が出ていった途端、クラスがざわつき始めた。

「直斗ォ、一緒にどっか行かないか。」

いきなり教師の捨てゼリフを無視している。

「ふぁ〜。ああ、陽介か。ん、まあいいけど。」

彼の名前は、多軌たき 陽介ようすけという。一ノ瀬直斗とは中学からの同級生で、親友でもある。

直斗はまだ眠たそうに言った。何か夢を見ていた気がするが・・・思い出せない。

陽介はそんな直斗に呆れている。

「直斗〜まだ眠いのかよ。ほら一発。」

バチーン。クラス中に響いた。陽介は直斗の背中をおもいっきり叩いた。

「いって〜。おもいっきり叩くなよ。お前はほんっとに・・・。」

「まあ良いじゃんか。えぇっと〜何だったっけ。」

「おいおい、どっか行くんだろ。」

今度は直斗が呆れている。

「あぁそうだった。よし、じゃあ行くか!」

「はいはい。」

そう言うと、直斗は帰り仕度を始めた。帰り仕度を終え教室を出ると、陽介に急かされながら2階の階段を歩いていった。

タッタッタッタッ。

後ろから足音が聞こえる。

タッタッタッタッタッタッタッタッ。

その足音は次第に速くなっている。直斗は念わず振り返った。その時、

ドンッ!

そいつのバックが直斗の肩にぶつかってしまったのだ。

「おい、ちょっと待てよ。」

直斗はそいつを呼び止めようとした。けれど、そいつは無視して、そのまま階段を駆け降りて行った。

「おい、なんだよアレ。」

直斗はそいつの去っていく姿を見て、陽介に嘆くように問う。

「ああ、あいつは確か・・・水無楓みずなし かえでだよ。隣のクラスの。なんか学年一位の成績で、相当変わり者らしいぞ。全部聞いた話なんだけど。」

「へぇ・・・そんなやつ全く知らん。」

直斗は少し落ち着いたようだ。

「おいおい、結構有名人だぞ。教師に・・・。」

「あぁ〜〜。もうこの話ヤメヤメ。考えるとまた腹が立ってきた。」

「お前が言い出したんだろ。まあ、いいけど。」

陽介が何か言いたげだったが、もうその話は終わりだ。二人は違う話をしながら校門を出た。

あっ、そういえば・・・

「ん、何か言ったか。」

「あのさ陽介、さっきのHRの話って何?」

「あ〜、ハゲ松が言ってたやつ。お前、お昼寝中だったもんな。」

ちなみに、ハゲ松とは担任の長松のことである。

「確か・・・進路調査のことだってよ。来週の金曜までに出せってよ。」

陽介は投げやりに言った。どうやら、思い出したくないらしい。

「進路調査ね〜。また面倒臭いのがきたな。」

直斗も厭そうに言っている。

「あと、提出日までに出さなかったら、居残り喰らうらしい。」

直斗は更に落ち込んだ。どうやら『出さない』という選択肢はなさそうだ。

「陽介は書くことある。」

「全然。」

陽介は考えることもせず即答した。お前はこの三年間何をしていたんだ。そうつっこみたくなるところだが、それは自分も同じなので人には言えない。

「そうだよな。教えてくれてどうも〜。」

直斗はそう言うと、また別の話をしながら歩いて行った。

陽介と街でブラブラしてから家に帰ると、そのままベットに倒れ込んだ。

進路か〜。俺の夢って何だろう・・・

そう思いながら直斗は眠りに就いた。

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