お嬢様はルルクス伯爵邸にて茶会を楽しめない
本日二度目の更新となります。
熱中症にお気をつけください。
「え? おじさん? どうしてここに? それとその鬼は」
ルルクス伯爵に挨拶し、宿屋の手配や信用できる商人の紹介など色々準備をしてもらっている間、暇だからとルルクス伯爵自慢の庭でお茶会をしていたのだが、そこにおじさんたちが現れた。
おじさんとグレイ、シャクドウは分かるけどもう一人、その鬼は一体?
「あら? 貴女には見回りをお願いしたはずだけど」
「お客さんのお客さん。いや、召喚獣か。とにかく、召喚主と合流したいと言われたからね」
「申し訳ありません、ルルクス伯爵。この町の地理になれておらず、合流場所も決めていなかったことに気付いて慌てておりまして。幸い召喚主がどこにいるかは知っておりましたので、急いでここに来た次第。お邪魔でしたでしょうか?」
あ、確かに宿屋の手配をするとは言ったけどどこで合流するかは決めていなかった。確かにそれは私たちの落ち度だけど、それでルルクス伯爵に迷惑をかけて良いはずがない。こんなこと、邪魔に決まって。
「そうでしたか。それは大変だったでしょう。今宿屋の手配を行っております。さすがに席までは用意できませんが、それまで自由になさってください」
……ルルクス伯爵が優しくて本当に良かった。こちらが申し訳なさそうにしているのを見て、気にしないでとばかりに笑みを浮かべる。
だからおじさん、これ以上は――。
「ありがとうございます。ルルクス伯爵が女性と知っていれば花束でも用意したのですが。ああ、迷惑をかけるついでにもう一つよろしいですか? ルルクス伯爵の召喚獣をお嬢様の護衛に付けてほしいのです」
おじさーーん!
「あらあら、それは困るわ。色々とやることが多いもの。勿論、リリーナちゃんやポーラちゃんの安全を蔑ろにしているわけではないのよ?」
「理解しております。ただ少しお話をさせて頂きますと、リリーナお嬢様とポーラお嬢様は北のボルダー辺境伯の領地にて多大なる功績を上げ、リリーナお嬢様につきましては二人の姉に続いての功績。王都ではルイス公爵家への祝福の声が鳴りやまぬ状態です」
「あら、リリーナちゃんとポーラちゃんはそんな凄いことをしたの。教えてくれても良いのに。ああ、でも今はちょっと忙しくてお祝いの品は用意できないわ。ごめんなさいね」
お気になさらず、と手を振るが頭は既に混乱寸前。貴族たるものいかなる時も平然と、という父の教えがなければ取り乱していたかもしれない。
ただ分かるのはおじさんには何か考えがあり、ルルクス伯爵もそれに対抗しようとしているということ。
私には分からないが、おじさんはただ迷惑を賭けに来たわけじゃないようだ。
「そんなお嬢様たちは国王陛下に更なる活躍をお約束し、東の最前線に転属となりました。見事な忠心。お嬢様たちは国の宝と言えましょう。しかし宝とは非常に狙われやすいもの。このようなことを申し上げるのは大変失礼とは思いますが、この町の治安は決して良いとは言い難い。それに国の中央から遠く、問題が起きては対処に中々の時間がかかる。ですから、問題を起こさないために、召喚獣を護衛としてお借りしたく」
陛下にそのような約束をした覚えはないし、私たちが宝なわけがない。ただおじさんは、私たちが襲われることを確信している様子。しかし私たちを襲うなど、ルイス公爵家の躍進を妬む中央の貴族や、武の公爵の一派。わざわざこんな国の端まで刺客を送るなど……。
逆か。中央から遠いから、問題が起きても疑われにくい。中央の貴族が狙うとすればここが最適の場所。
そんなことにルルクス伯爵が気づかないわけがない。
「そうね、国の宝は守らないといけないわね。分かりました、私の召喚獣を護衛としてつけましょう。ホンドーさんの力なら、指示も容易でしょう。ただ召喚獣にやらせようとしていたことを一つ、代わりにやってもらいたいのだけど良いかしら」
「勿論です。我儘を聞いて頂きありがとうございます」
「ふふふ、国の宝を守るのは当然だもの。あら、宿屋の手配が終わったようね。宿屋に案内をしてあげて」
おじさんは一礼をして、召喚獣たちと共に案内をしてくれる使用人に付いて行く。
……私たちも一緒に行かないと。
「あの、ルルクス伯爵。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。この恩は必ず」
「ふふふ、良いのよ。リリーナちゃん、ポーラちゃん。また来てね」
ルルクス伯爵に手を振られながら、私たちは急いでおじさんの後を追った。
おじさんに何を考えてこんな行動をしたのか聞かないと。
台詞が長いと読みにくいでしょうか?
これくらいなら許容範囲でしょうか?
これからおじさんが肉体的に戦うこともありますが、口でのやりとりの方が多いため少し気になりました。
ご意見を頂けると嬉しいです。




