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龍太郎3

ホンの一瞬見せた龍太郎の不敵な笑い。

それが、何を意味するのか?

それを、後押しする自信など木偶の坊で弱虫な僕には理解できなかった。


だけど、何かを護る為ならば何も厭わない。

そんな人は現代にも居る。

その、何かは人それぞれだろう。独り孤独に甘んじ僅かな土地を貸し与えられた…

たったそれだけの理由で嫌いな争い事に足を踏み入れるなんて僕には到底出来ない。

そんな、戸惑いを見せる僕に対して


「剛くん…今夜はこれくらいにして明日は村のみんなに紹介したい。

さぁ…その囲炉裏の側に横になると良い。」



えっ?板間に直接寝るの?

せめて敷布団位はないのか?

僕がその旨を、龍太郎にたずねると


「剛くんは、余程の豪農の家の出なんだね。

布団なんて高級品は、触ったことも無ければ、見たこともない。

布団なんて使わなくても、今は梅雨…

ちゃんと服を着てれば、凍える事はない。

もしも心配なら、イノシシの毛皮をなめしたちゃんちゃんこを貸してあげる。」


そうか…この時代の庶民は、布団を高級品だという認識なんだ。

僕の時代に布団すらない様な家は、ど貧乏だと蔑まれても仕方が無い。

だけど…この世界では、そのど貧乏が大多数を占める。

僕らの世界の格差社会なんて、甘っちょろい社会なんだ。


そんなことを考えているうちに、囲炉裏の火がパチンと爆ぜた。

今日は色んなことが立て続けに押し寄せて来た。

僕は板間に直接横になると、囲炉裏の火がパチンと爆ぜる音を子守唄を聴く様に知らず知らずのうちに微睡んでいた。

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