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居てはならぬ者

「剛…気づかなかったのか?

俺らの世界にもこの平行世界にも居てはならない奴がいる事に」


「この世界にも、平行世界にも居てはならない奴?」

「わからんのか。龍太郎だよ。」


「えっ!龍太郎がその、異質な者なの?」

「相変わらず細かい事に無頓着なんだな。」

ええ相変わらずの木偶の坊ですよ。それも、とびっきり筋金入りの。


「まあ…剛が細かい事に無頓着なのは今に始まった事じゃないが。?

龍太郎の全身の鱗を見ただろう?」

ソリャ見たけど、優しいし内気だし、いかにも気は優しくて力持ちって印象だけど

どこの、世界に行っても何も出来ない木偶の坊の僕にしてみれば異形の姿なんて取るに足らないでしょ?


「お前は取るに足らないと思うかもしれんが、ありゃどう見ても人じゃない。」

「人じゃないって!!」

「ああ…龍太郎は誰が見ても、人じゃない!」

「でもさぁ…幸ちゃん…少しだけ個性的とか言ったりしない?」


「何を言っているんだ剛…

俺たちの居た時代の様に、例え異形の姿でも安っぽい人権主義者は個性だと言うかもしれんが

この世界は乱世なんだぞ!

異形は即ち化け物なんだよ!

こんな時代に化け物は、災いを呼び込むものだと信じられている。

そんな…化け物に居場所はない。」

「だけど…龍太郎は龍神沼の側に家を建てて貰って

畑も貸して貰ってるよ。…」


「剛…良く聴け、何故龍太郎は龍神沼の側に家を建てて貰っているのか?畑を貸して貰っているのか。


それは、龍神沼の龍神の子供だからだ。」


「龍太郎が龍神の子供?」

「信じるか?信じないか?は剛の勝手だが

奴はまだ十二歳だ…」


僕は愕然のあまり…声が出ない。

マッタクこんな時にでも僕は木偶の坊なのだ。


「剛…龍神は水の神だ…神は恵も与えてくれるが…

一つ間違えると取り返しのつかない程の祟りをなす。

気がつかなかったか?

集落の皆んなが龍太郎によそよそしいのが」


そう言えば…寺の裏で畑を耕していた子供達が龍太郎にはよそよそかったのは、気にかかった。


「龍太郎をマトモに扱うのは俺か、和尚か、姫様位のものだ。」


そう言えば…龍太郎の手を自ら触ったのは龍太郎の母親と、僕と、姫様の三人だけだと言ってた。


「ところで…龍太郎のお母さんって何処に居るの?」


「俺がこの村に来る三年前の話だったらしい。

その年は、マッタク雨が降らず、田に水が引けず

早苗も駄目になりかけたらしい。

その時、龍神沼の龍神に人身御供として、戦災孤児だった女を花嫁衣装を着せて龍神沼に連れて行ったそうだ。

それは美しい女だったらしい。

女は、身寄りもない私を育ててくれた村の為ならと

自らの足で龍神沼に赴いたらしい。

程なくして、雨が降り出し、難は逃れたらしいが

一年後…


女が赤子を抱いて戻って来たんだと…

その赤子は、全身に緑の鱗がビッシリと張り付く様な皮膚をしていたんだ。

そう…それが龍太郎だ」

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