生臭坊主生臭坊主
龍太郎にもひけをとらない程の体躯の持ち主の専正寺和尚。
その…大きく開かれた口からは酒のにおいがが漂っていた。
こんなに
朝っぱらから、酒の匂いを振りまくなんて、思いっきり生臭坊主?
この和尚は、徳が高いと、言ってなかったか?
面倒見が良いとも言ってた。
だけど、この分じゃ先が想いやられる。
僕はこの寺に預けられるのか?
「お前が阪口村の剛か?
心配は要らん龍太郎から呉々もよろしく頼むと、念を押されとる
暫くは本堂で寝泊まりして貰うが直ぐに慣れる事じゃろう。」
何ともこの専正寺の和尚生臭だけでなく
不安一杯の僕の心など、一切気にしないKYな空気が読めない人なんだ…
龍太郎に置きざれにされた。か弱き木偶の坊の心などは察してくれない。
「剛!龍太郎から茶をもらった。
その分はしっかりと面倒をみてやろう。」
なんと!…
生臭坊主で飽き足らずKYな上に物欲までも持ち合わせているのか?
この時代にも、龍太郎や源太達三兄弟のように
純粋な人もいれば、俗世にまみれた上に人に道を説く立場の人がいる。
これは、どの時代どの異世界にも通じることなのか?
僕はこの小隈村の中で上手くやって行けるのか?
少し不安になってきた。
そんな不安を他所に、和尚は背を向けて寺の奥へと歩き出す。
流石に龍太郎に負けない程の大男…
歩くのが矢鱈に速い。
普段から木偶の坊だと自分の事を認識している僕にはまるで駆け足でもしなければ付いて行けない。
それでも必死で付いて行くと寺の裏手に出た。
そこには、年端もいかない子供達が、鍬を振るい畑を耕していた。




