ラブレター
登校してきた私が下駄箱を開けると不思議な手紙が入っていた。
これはもしやと思い誰にも見られないところで開封すると
[放課後、屋上に続く階段で待っています。]
と書かれていた。
屋上へは鍵がかかっているので普段は確かに誰もいかないところだ。
何かの間違いではないかと思いながらも放課後、私は恐る恐る指定の場所へ向かう。
そこには恐らく後輩だと思われる男子生徒が待っていた。
話を聞いてみると、入学式の時に迷っていたら私が案内をしてくれて助けられそこからずっと気になっていたということらしい。
何となく覚えのあった私は彼の告白を聞いて
「お互いにまだ知らない間柄なので友達からでよければ」
と答えた。
そのときの彼は断られると思っていたのか、驚きながらも安堵の表情を浮かべていた。
その顔を見た私は今まで知らなかった後輩の一人である彼を意識し始めていたのかも知れなかった。