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異能者の僕たちは日常を目指す  作者: 宵城 永遠
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第2章ー日常の終わりー

あのメールが届いてから1ヶ月が経とうとした頃、僕はメールの存在などすっかり忘れていた。

朝ー

「ねぇ、お兄ちゃん聞いた?今日、うちの学園に転入生が来る話」

朝食中、茜が突然そんな話をふってきた。


「聞いたよ。でも転入生でそこまで騒ぐこと?」

「それがね、お兄ちゃん、なんと!全学年全クラスに1人ずつ転入生が来るんだって!」



「え⁉︎それ本当なの⁉︎うちの学園学年ごとに8クラスあるから、24人来るってこと⁉︎」


「本当だよ!ビックリだよね!これは絶対何かあるよ!」


「やめろよ。茜がそういうこと言って殆ど外れたことないんだから」


そう。茜の勘は良く当たるのだ。しかも悪い方のみに長けているから、こっちは気が気ではない。


「え〜、そんなこと言われても私のせいじゃないし」

まぁ、その通りである。


「まぁ、この話はこれくらいして、そろそろ出るよ。そろそろ出ないと遅刻する」


ーーHR前教室ーー

「おい彩人!うちのクラスに来るのは女の子だってさ」


「・・・直哉(なおや)、いつも思うんだけど、その情報収集の速さと正確さ、勉強に役立てたら?」


今話しかけてきた男子生徒は友達の朝霧直哉(あさぎりなおや)。情報収集が趣味で新聞部に所属していて、その収集した情報の正確さから1年生の時点で部長になったほどだ。しかし勉強はカラッきしで、いつも赤点を数科目出して補習を受けている。


「勉強は情報収集が出来ないからな。そこはどうしようもない。そんなことより!どんな子だと思う!美少女だと良いな!」


「そこは、知らないんだね」

キーンコーンカーンコーン


「ほら、チャイムなったから席につけ朝霧」


「分かったよ。村峰。じゃあ後でな彩人!」

ガラガラ〜


「お、みんな席についてるな早速HR始めるぞ。みんなの知ってる通り転入生の紹介だ。入って良いぞ。」

先生の声を合図に扉が開いた。そこから直哉の情報通り女の子が入ってきた。


クラス全員「おぉ〜!」


みんなは、声を揃えてその女の子を見た。

黒髪ロングで凛とした表情をしていて、胸がそれなりにある。まるで大和撫子とは、この子の為にある言葉だと思ってしまうほどだ。


「はじめまして。茨城県の高校から転入生して来ました。染井椿(そめいつばき)です。よろしくお願いします」

彼女は自己紹介をすると一礼をした。

「え〜、染井は、ご両親の仕事の都合上でこちらに引っ越して来たそうだ。みんな仲良くするんだぞ」


クラス全員「はーい」


そこからは、当然のごとく染井さんは質問責めを受けていた。そして日が経つにつれ彼女は各授業で驚きの頭の良さと身体能力が発覚し部活の勧誘の嵐が始まった。

そして、ちょうど、あのメールが届いてから1ヶ月経った日に異変が起きた。


「あれ?村峰さん来てないね。去年から一度も遅刻したことないのに」

僕はそう直哉に話しかけた。


「村峰?誰だそれ?」


「えっ?」

僕はもう一度直哉に言った。

「村峰さんだよ。直哉もよく話してたじゃないか」


「村峰、村峰ね〜・・・、記憶に無いな。本当に俺がその村峰?と話してたのか?」


さすがに僕は冗談が過ぎると思い、少しイラっとした。


「直哉冗談もさすがにそこまでいくとタチが悪いよ。」


「だから知らないって。」

キーンコーンカーンコーン

ガラガラ〜


「ほらお前ら席につけHR始めるぞ。」

先生が来たので僕は納得がいかないまま席についた。


「え〜、今日も欠席はなしだな。」

(え?)


「そんじゃみんな授業真面目に受けるんだぞ〜」

ガラガラ〜

僕は急いで先生を追いかけ村峰さんのことを聞いた。


「村峰なんて生徒うちのクラスには居ないぞ。ほら」

そう言ってクラス名簿を僕に見せた。


「なんで・・・名前がない⁉︎」

おかしい。生徒1人の存在が完全に消えてるってこと?

「ほら、先生も授業の準備があるからな。じゃあな透谷」


そんな声は僕には届かず僕は混乱し立ち尽くした。

???「・・・」

その光景を見られているとも気付かずに。



ーー放課後ーー

「いったいどうなってるんだ?」

僕は朝からずっとみんなが村峰さんを忘れてしまっていることばかりを考えていた。だが一切結論が出ないまま放課後になってしまった。

お兄ちゃん〜、一緒に帰ろ〜」

正門を出たあたりで後ろから茜の声がした


「茜・・・」

(そうだ茜なら何か思いつくかもしれない!)

そう思い僕に近付いてくる茜に声をかけようとした瞬間

パキーン

「えっ?」

突然目の前から茜が消えた。いや、というよりもいきなり周りが物が全て薄い水色で透明になっていた。


「なんだよ。これ・・」

僕は近くにあった壁を触ってみた。


「これ・・水晶か?」

何故か周りは全て水晶になっていて人がみんな消えていた。

僕は朝の出来事に続きさらに混乱した。


「見つけたぜ!」

突然右から声がした。声のする方に顔を向けると知らない男が立っていた。


「よかった!すみません、とつぜんのことで何がなんだか分からなくて。何か知りませんか?」

僕はその人にそう聞いた。すると男は


「はっ!何とぼけてるんだよ!お前もプレイヤーだろ!」


「プレイヤー?」

一体何の話をしてるんだこの人?


「さー!始めようぜ!イエロー武装展開!」

男がそういうと突然男の身体の周りに黄色い雷が瞬き出した。

「いくぞ!オラー!」

その瞬間僕の横を雷が掠めた。


ーーそして現在ーー

「はぁ、はぁ、はぁ!」

僕は逃げ続けた。しかしガムシャラに逃げていたせいか、行き止まりに追い詰められてしまった。


「さぁ、追い詰めたぞ!なんで戦わないかは知らないが恨むなよ!これもゲームだ!」

そういうと男はより一層大きく激しい雷を創り出した。

なんだよ⁉︎ゲームって!どういうことだよ⁉︎

僕は訳のわからないまま殺されてしまうのか⁉︎

「じゃあな!」


「くっ!!」

男がそれを僕に打とうとしたその時、

ゴォー!!ドーーン!!

そんな音と共に僕と男の間に大きな炎の壁が立った。

「なんだ!乱入か!」

男はそう言った


「今度は何⁉︎」

僕は次から次に起こる不思議な出来事に追いつかないまま立ち尽くすしかなかった。

そんな僕の前に上から女の子が降って来た。


「逃げるわよ!」

女の子はそう言った。

「えっ?なんで・・・なんで染井さんが」

僕の前に現れたのはここにいるはずのない染井さんだった。


「そんなことは今はどうでも良いの!そんなことより早く手を!」

彼女の必死な声に僕は咄嗟に答えた

「えっ⁉︎手⁉︎こう?」

僕は差し出された手を取った。


「よし!閉じろ扉!我を扉の前に!」

その声と共に

パキーン!と音がした瞬間

「えっ!」

僕は正門前にいた。


続く


読んでいただきありがとうございます!まだ拙い文ですが、これからも投稿していくので、読んだ人は率直な感想と評価をお願いします。参考にしたいので

続きは土曜日に書こうとおもっていますので。次回も読んでください。

次回は椿により、彩人が読まなかったゲームの詳細が明らかに!

第3章ー明かされる真実ー

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