プロローグ
前作から間が開きましたが、2作目です。更新速度は遅いかもしれませんが、よろしくお願いします
これは始まりを示すモノ…
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SIDE:――――
「二人とも遊べないなんてなぁ。せっかくの天気なのに…」
そうぼやきつつ、公園へと歩いて行く。
「公園で、誰に誰か居ないかな?………あれ?」
いつも、三人で遊んでいる公園。いつも使ってる砂場や滑り台、ブランコなど。
だけど、ブランコに今まで一度も見たことのない人がいる。
「なにし……」
―
「何してるの?」と声をかけたかった。でも、その言葉は声にならなかった。
頑張れば声が出たかもしれない。でも、出せない。いや、出せなかった。
何故ならその女の子は
声をかけたら消えそうなほどあまりにも儚くて…
触れた瞬間に壊れそうなほどに脆くて…
自分の出来る事がそれだけであるかのように…
それが唯一の手段であるかのように…
ただただ、涙を流していた。
何分くらい見つめていただろうか。
いきなり彼女はこっちを見た。
「えっと、あの、その…」
僕の言葉はどんどん小さくなっていく。
彼女はさっきまで泣いてたのを隠すためか、慌てて後を向いて顔の辺りを拭う。そして、僕の方を向いて、こう言ったんだ。
「遊ぼう」
って…
正しいのは、見なかった事にして一緒に遊ぶべきだったのかもしれない。でも、さっきの彼女を思い出すと、とてもそんな事は出来なくて…
「どうしたの?大丈夫?」
と尋ねてしまったんだ。
そうしたら彼女は、いきなり泣き出した。
僕には弟とかいなかったから、どうやったら良いか分からなかった。
だから、泣きやみそうになるのを待って、こうするしかなかったんだ。
「…ふぇ…ひっ…」
「大丈夫?落ち着いて来た?」
「…ひっ…ぅん…大丈夫…」
「そっか、じゃあ、はい。これあげるよ。」
僕が手渡したのは、僕一番のお気に入りの飴玉。
「でも…」
「大丈夫。絶対美味しいから。」
「…うん…」
そういって彼女はその飴玉をなめ始める。
「…おぃしい。」
「でしょ?それ、僕一番のお気に入りなんだ〜」
そういって僕は、誇らしげに笑う。
そしたら彼女も笑ってくれた。
その笑い方は、ほんとに可愛くて、僕も、もっと笑顔になったんだ。
「そうだ!さっき遊ぼうっていってたよね?じゃあ、遊ぼうよ。一緒に。」
「うん…」
―さっき彼女が言っていたはずの言葉なのに、彼女の顔は暗くなる。
「どうしたの?時間とか?」
「ううん。もっと大事なこと。お母さんを探す。」
そういった彼女の目には、さっき泣いていた時なんかの弱々しさはなく…あるのは、凛とした意志だった。
そして、僕はわかった。遊ぼうといったのは、自分の殻に籠って待とうとしてただけで、探すというのが、それが本当の思いだと。
そして、そんな彼女に僕はついて行こうと思った。
だから、
「僕も一緒に探すよ。この町は僕の生まれた町だから。」
「ほんとう?ありがとう。」
そうして僕らは歩き出した…
彼女の母親を探すために…
それが、僕達の始めての冒険だった…
読んでくださってありがとうございます。出来るだけ更新速度あげたいので、応援やコメントしてくださると嬉しいです。ではまた次回で会いましょう