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濁った瞳のリリアンヌ  作者: 天界
第一部 第2章 2年目 前編 1歳
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22,妖精と初めての・・・と Part,5


 熱が出てから4日目。



 今日もランドルフ医師が診察に来てくれた。



「うむ、もう熱は完全に引いたようですが、念のためもう1日2日は様子を見ましょう」


「わかりました、先生。

 食事に関しては――」



 ご老人と起きる前から部屋にいたクレアが、食事やらお風呂やら薬やらの話を続けていく。


 お風呂は熱が出てからずっと、部屋の温度を少し上げて風邪を引かないように配慮しているんだろう状態で、温めのお湯で絞った手ぬぐいか何かで軽く拭いてもらうだけだ。

 早くお湯に浸かりたい。


 ベビーバスでの軽い入浴とはいえ、生前では毎日入ってまったりゆっくり疲れを取っていたのだ。

 お風呂はもちろん大好きだ。


 というか、ここ数日拭いてもらうだけってのは精神的に結構きついものがあった。

 今生でも入浴の習慣があるというのは、本当にありがたいと思っている。


 生前、かなりの量の異世界転生物のラノベを読んだが、入浴の習慣がないというのは結構あったし、海外ではそれが当たり前な所も多かった。

 異世界トリップ物だったりしたら、自分で入浴施設を作ってしまうというのもかなりの量あったが、自分は転生で赤ん坊だ。

 赤ん坊にそんなことが出来るわけがなく、お願いすることも不可能だ。

 なので入浴の習慣があったのは、本当に……本当に嬉しいことだった。


 欲を言えば、源泉掛け流しがよかったが、そこまで言っては罰が当たるというものだ。

 自重しよう自重……。



 庭掘ったら温泉に当たらないかなぁ……。







  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 テオとエリーの通っている学校は、どうやら2日行って1日休み、2日行って2日休みというサイクルのようだ。


 本日はお休みの日だったらしく、朝食を一緒の部屋で摂ったあと、テオは庭の樹木の手入れ、エリーは花壇の手入れに向かっていった。

 もちろん、二人ともどこにどのくらい行くのかを自分に言い聞かせるように行って、 " 心配しないで " とか " すぐに戻ってくるからね " とか何度も何度も言っていた。

 額と頬にキスした回数も2,3回じゃない。



 ちょっと心配しすぎじゃないですかねお二人さん。



 学校は7日間隔で動いているようなので、一週間のような概念が存在するのだろうか?


 そういえば、暦に関してはまったく手付かずだったので、熱が出た日からずっと寝泊りし一緒にいてくれる妖精様に聞こうと思った……のだが。



「治るまで勉強禁止ー!」


【OKボス】



 と相成りました。



 お昼になるまで、今日はお休みなのかずっとクレアとエナが部屋にいた。

 相変わらずベビーベッドに軟禁状態なのだが、今日はクレアが少しだけ朗読をしてくれた。

 でもテオやエリーは禁止らしい。



 お母ちゃん……自分だけってのはどうなのよ。



 内緒ね?と実に可愛らしく言う、3児の母。

 とても3人も子供を生んだとは思えないくらい子供っぽく、そして慈愛が共存した不思議な表情で微笑むものだから、これはありだなぁとつい思ってしまう。


 血の繋がった母で、しかも自分の性別は女のはずなのだが、まぁ……生前は男だ。

 仕方あるまい……そう、仕方ないのだよ!



 内緒の朗読会はエナが " 昼食を持ってくる " と立ち上がるまで続いた。



 ちなみに今日のご本様は。


  " 涙のデコポン "


 という、果物の国の柑橘系の主人公の農地改革モノだった。







  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






 昼食を食べた後は、テオとエリーは昨日同様にお勉強タイムとなった。

 今日はクレアがいるので、彼女を先生とした勉強会となっている。


 話を聞いている限りでは、テオは算数。

 エリーは王国の歴史らしい。


 算数は2桁の足し算と引き算だ。

 だが、どうやら我らがお兄様は算数が苦手のご様子。

 それに比べ我らがお姉様は、クレアに疑問に思ったところを少し聞くだけで特に問題なさそう。


 テオは現在9歳……生前の国で言うところの小学3年生のはずだ。

 2桁の足し算引き算で四苦八苦……相当苦手のご様子だ。


 聞いてる限りだと比較的簡単な、下手したら1年生でも出来そうなモノだ。

 まぁ……人には得手不得手がある。

 テオは優しいし、顔もかっこいいから勉強が出来なくても特に問題あるまい。

 まぁできた方がいいだろうけど。



【イケメン爆発しろ】



 頭の上に看板を出してまわしておくことも忘れない。

 お妖精さまも同じように、看板を出してまわしている。



【そんな頭で大丈夫か?】



 この妖精……ほんとに何者だ?



 そんなことを考えていたら、何度も間違えてもなんとか全問解き終わったようだ。



「さすがテオねぇ~この歳でこんな難しい計算ができるなんてすごいわ~」


「ほんとにねぇ~とても賢くてお母さん鼻が高いわよぉ~」


「兄様は学年でも一番ですものね」



 何やらものすごく褒められている、我らがお兄様。



 エナとクレアの言葉は親馬鹿発言かと思って聞き流したのだが、エリーの発言でちょっと引っかかってしまった。



 えぇ~……テオ達の通ってる学校って……もしかしてすごいレベル低いの……?



 そうは思ったのだが、生前住んでた国は義務教育で勉学に力を入れている国だったわけだし、普通の外国はこんなもんなのかなと納得しておくことにした。


 いずれ自分も通うことになるだろう学校だし、レベルが低いなら勉強も楽になるだろうと思い直したのだ。

 今更テストや勉強で苦労したいとは思わない。



 正直学校なんて、友達と遊ぶために行くようなところだったからな!







  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆







 夕食を食べ終わった頃に、アレクが久しぶりに帰ってきた。


 熱を出したというのは事前に知っていたようで、いつかの兄姉のようにどたばたと廊下を走ってきたようだ。

 テオとエリーも部屋に居たので、当然のようにエナとクレアに窘められている。



 こんなところまで同じとは、ほんと似たもの親子だ。



 行動の原因が自分を心配してということが、ちょっと嬉しかったりするが、それはソレこれはコレ。


 お説教が終わったアレクが自分を抱き上げようとしたが、クレアとエナにまだ様子見よ!と再度窘められてベビーベッドの横でしょんぼりしていた。


 熱も下がったんだし、抱き上げるくらい別にいいんじゃないかとも思ったのだが、過保護すぎる2人の勢いを見るとアレクが悪いんじゃないかと思えてしまうから不思議だ。


 まぁ仕方ないので、ベビーベッドの柵に顔を突っ込んで情けない表情でこちらを呼んでいる物体の頭を撫でておく。



 どこの世界でも父親ってのは立場が弱い生き物なのだろうか……。



 物体Xを撫でていると、ドヤ妖精さんも自分の頭を撫でてくれる。



【ありがとね、クティ】


「リリーの頭は私に任せなさい!

 例え、大地が裂けようが!

 例え、天が砕けようが、私が撫で続けてあげるわ!」



 今日も絶好調のようで何よりだ。




専属撫で撫で師クティが、裂ける大地や砕ける天を物ともせずに撫で続ける冒険譚



長い話もあと1話

もうちょっとお付き合いください



ご意見ご感想お待ちしております


3/9 句点、文頭スペース、三点リーダ修正

3/10 禁則処理修正


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