第九十八話
コッソリと蒼海の世紀の小説は準備中。
まだ、かかるけど。
―――十二月三十一日2300、柱島泊地―――
トラック諸島で米機動部隊の動きを牽制していた小沢中将の第一機動艦隊が内地の柱島泊地へ帰還した。
交代は大西滝治朗中将を司令長官とする第三機動艦隊である。(戸塚中将は交代した)
そして第一機動艦隊の赤城達は第二機動艦隊の翔鶴の下へ集まっていた。
「久しぶりね翔鶴」
「あぁ。米機動部隊の警戒任務御苦労だ」
赤城と翔鶴は互いに敬礼をする。
「三笠君は?」
「昨日まで霧島少佐と一緒に三宅坂にいた。もうすぐ帰ってくるだろう」
三笠は霧島少佐と共に三宅坂の参謀本部で来年の攻勢作戦を東條達と考えていた。
「そう、未来の日本人も大変ね」
「その内、三笠の髪の毛が早めに白髪混じりにならない事を祈るさ」
金剛は苦笑する。
「あら、金剛。貴女聞いたわよ」
金剛の姿を見た赤城がニヤニヤとする。
「な、何をだ?」
赤城のニヤニヤする表情に金剛は嫌な予感がした。
「貴女、働きすぎる三笠君に榛名と長門と一緒に御飯とか作ってるんですって?」
『〜〜〜〜〜』
金剛、榛名、長門の三人は赤城の言葉に顔を真っ赤にした。
「いや〜あれだけ鬼の金剛とか呼ばれていたのに今は三笠君に夢中なんだからね」
「あ、赤城ィィィッ!!其処に直れェッ!!貴様を鍛え直してやるゥゥゥッ!!」
金剛は顔を真っ赤にしながら刀を抜刀する。
「ちょ、抑えて抑えて御姉ちゃんッ!!」
「まぁまぁ、紅茶でも飲まない金剛?」
金剛の妹である霧島と比叡が金剛を抑える。
「離せ扶桑ッ!!山城ッ!!赤城の顔を殴らないと俺の気が収まらないッ!!」
「まぁまぁ、私もそこら辺は詳しく聞きたいしね」
「そうそう」
扶桑と山城は暴れようとする榛名を抑える。
「ね、姉さんは暴れないんですか?」
「………暴れて何になるんだ?暴れたら赤城のネタが増えるだけだ」
陸奥の言葉に長門は溜め息を吐いた。
「そうそう。長門は三笠に膝枕をしたとか?」
「ッ!?」
赤城の言葉に長門が驚く。
「な、何故それをッ!!」
「私の情報網を舐めないでね♪」
「………………」
赤城の情報網に長門はゾッとした。
「ま、八重達も三笠を狙ってるみたいだから充分に気を付けてね」
『……………』
赤城の言葉に三人は何も言えなかった。
「聞こえてるわよ赤城」
「あら八重」
そこへ八重達が入ってきた。
「聞こえてたのね」
「扉の前からでも聞こえてたわよ。まぁ私達が三笠を狙ってるのは認めるけどね」
「あんな良い男性はあまりいないからね。大抵他の士官は偉そうにしてるし」
八重と樹里が言う。
「私達の中で誰かがくっついたら必然的に皆は三笠の家に居候する協定が結んであるしね」
樹里の言葉に八重と樹里は笑い、聖、静流、美紀は顔を赤くして視線を剃らした。
『……………(八重と樹里に黒い尻尾が見えるのは気のせいなの?)』
そこにいた艦魂全員はそう思った。
「ま、三笠自身は自分は過小評価してるみたいだけど何故かしらね?」
『オタクですからby作者』
「そんな協定を結んで大丈夫なの?」
赤城が八重に聞いた。
「あら?当たり前じゃない。私達の青春や出会いを戦争に捧げてしまったんだから責任は取って貰わないとね」
『(ず、ズル賢いッ!?)』
艦魂達は八重の思考に恐れた。
「お、もう集まってたんか」
其処へ三笠と霧島少佐が来た。
「あら三笠君。今年は御苦労様だったわね」
「あ、赤城さん、まぁ仕方ないですよ。ところで年越しそばはまだなん?もう2330やけど」
「あ、忘れてたわね」
三笠の言葉に赤城達は慌てて年越しそばを作る。
そして………。
「………はい000になったわ。明けましておめでとうございます」
『明けましておめでとうございます』
三笠の言葉に皆は頭を下げた。
年は明けて1944年となった。
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