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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第八十八話






―――1943年十月一日、ホワイトハウス―――


「クックック………いいぞ……いいぞッ!!糞猿のジャップがソ連と参戦した。これはチャンスだぞキング長官ッ!!」


 ホワイトハウスの大統領室でルーズベルトが悪人面をしている。


「プレジデント………残念ながらチャンスではありません」


「………何?」


 キング海軍長官の言葉にルーズベルトはジロリとキングを睨んだ。


「どういう事かねキング?」


「ソ連が満州に侵攻する事によって中国が赤化する可能性が高いのです」


「そんな事は分かっているッ!!そんな事はジャップという猿をゆっくりと退治してから何にでもなるッ!!」


 ダァンッ!!とルーズベルトは机を殴る。


「キング。新型空母群の状況はどうかね?」


「………はっきりと言えば練度不足が多いのが難点です」


「何?あれだけの時間を与えておきながら練度不足と言うのかねッ!!」


「西海岸はジャップのサブマリンが暗躍しています。既にエセックス級が三隻も被害にあっています。うち一隻は大破して修理する期間が長期になっています。そのため、満足に飛行訓練が出来ないのと、輸送船も被害にあっているので………」


「そんな事は駆逐艦に任せておくのだッ!!」


 ルーズベルトの雷がキング長官に直撃した。


「それに大西洋でもイギリスへ向かう輸送船団がUボートの被害にあうので機動部隊が半分の航路を護衛する始末です」


 ドイツ海軍はUボートを大量に大西洋に配備させていた。


 インド洋はほぼ日本軍の手に落ちたのでインド洋にいたUボートは大西洋に配備して大西洋を重点的にしたのだ。


「………それは分かっている。チャーチルも人の手を貸さずにやってもらいたいものだ」


 ルーズベルトは溜め息を吐いた。


「キング長官。君としては空母は何隻が欲しいかね?」


「そうですな………大西洋にはエセックス級は八隻程で、太平洋には十五隻、中型空母も護衛空母も太平洋を重点的に配備した方が宜しいかと。大西洋はUボートが暗躍しているのでそんなに配備はしなくていいかと思います」


「むぅ………やはり問題は太平洋か………」


「イギリスがジュットランド海戦でドイツの戦艦部隊を叩いたおかけで大西洋を重点的に配置しなくていいので………」


 キング長官はそう言う。


「………まだ動くなと神の判断だろうな」


「はぁ(本当にそうなのだろうか………)」


 キング長官はそう思った。






―――ベルリン総統官邸―――


「フハハハッ!!毛沢東とかいう馬鹿のおかけで日本がソ連に宣戦布告をしてくれた………諸君ッ!!これはチャンスだと思わないかね?」


 ヒトラーは部下達に語りかける。


「充分な戦力がある東部戦線は連戦連勝の快進撃だ」


 東部戦線のソ連軍は極東軍の増援として少しずつ部隊を極東に転戦させていた。


 一番有名なのは第73護衛戦闘航空連隊である。


 その航空連隊には、スターリングラードの白百合で有名なリディア・リトヴァクがいたのだ。


 本来の史実なら彼女は既に戦死している。


 しかし、三笠がヒトラーに守勢を要請してヒトラーがこれに応じたため、何の運命かは知らないが彼女は戦死する日を過ぎても生きていた。


 そして彼女の部隊は極東に転戦したのである。


「いいかね諸君ッ!!今回はモスクワ等放置するのだ。今回は………南を攻めるのだッ!!」


 ヒトラーは地図を指す。


「兵力を南に集中させて黒海沿岸を制圧し、そこから北上してボルガ川を攻めてソ連軍主力を包囲するのだッ!!」


「としますと、中央軍集団は………」


「ハリコフで死守するのだッ!!」


 ハリコフにはヴァルター・モーデル大将が防衛しており、ソ連軍の数次に渡るハリコフ奪回を阻止していた。


 ヒトラーにとって幸運だったのはイタリアに部隊を転戦させる必要がなかった事である。


「よいかッ!!何としてでも進撃してスターリンをウラル山脈に追いやるのだッ!!そうすれば後は勝ったも同然だッ!!」


 ヒトラーはそう言った。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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