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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第八十七話







 ウラジオストク攻略の任務を聯合艦隊司令部から受けた山口多聞中将の第二機動艦隊はナホトカ沖合い約三百五十キロの地点にいた。


 第二機動艦隊の各空母の飛行甲板にはウラジオストクとナホトカの飛行場を爆撃するために攻撃隊が整列していた。


 ウラジオストクとナホトカは既に陸軍の飛行隊が何度か爆撃しているが、念のためとして止めの爆撃をしようと山口長官は判断したのである。


ババババババババババッ!!


 攻撃隊が勢いよくプロペラを回し出す。


『発艦始め』


 発着艦指揮所から『発艦始め』の青い旗が振られた。


 翔鶴の飛行甲板から零戦隊の一番機である真崎少佐機が発艦していく。


ブオォォォォォォォーーンッ!!


 真崎少佐機はゆっくりと上昇していく。


 他の空母でも発艦が始まっており、攻撃隊が発艦する。


「………久しぶりの戦闘だな」


 翔鶴の艦橋で山口長官はポツリと呟いた。


「はい、そのせいでかパイロット達の士気は高いです」


 三笠が言う。


「ハッハッハ、それもそうだな」


 山口長官が笑う。


 その間にも攻撃隊は飛行甲板から発艦していく。


 攻撃隊は零戦七二機、彗星九十機、天山九十機であるが、その内天山二七機はウラジオストクにいるソ連極東艦隊を攻撃するために魚雷を腹に抱えている。


 攻撃隊隊長は友永少佐である。


 攻撃隊は編隊を組みながらウラジオストクとナホトカに向かった。


「さて、行ったか。対空警戒と対潜警戒を厳とせよ。上陸船団にもそう伝えるのだ」


 水平線上に消えた攻撃隊を見た山口長官は寺岡参謀長にそう言った。


 上陸船団は、第二機動艦隊の後方約八十キロの地点を航行している。


 ウラジオストク攻略に陸軍は三個師団を派遣していた。







 ウラジオストク攻撃隊二五二機はナホトカに到着した。


「柴原隊はナホトカの飛行場を攻撃せよッ!!」


 友永少佐はナホトカの飛行場攻撃に紅鶴の柴原隊に任した。


『了解ッ!!』


 柴原大尉は零戦、彗星、天山各十八機を率いてナホトカの飛行場を爆撃を敢行する。


「このままウラジオストクに進むぞッ!!」


 攻撃隊はウラジオストクを目指した。






「急げ急げッ!!」


「ヤポンスキーの攻撃隊が来るぞッ!!」


 ウラジオストクの飛行場ではパイロットや整備員達が慌ただしく動き回り、Yak-7戦闘機が離陸していく。


 しかし、陸軍飛行隊の爆撃などでその数を減らしていき離陸していったのは僅かに二八機というものだった。


「敵戦闘機発見ッ!!」


 ウラジオストクに向かった攻撃隊は真正面から向かってくるYak-7戦闘機を見つけた。


「零戦隊は敵戦闘機を駆逐だッ!!攻撃隊は隊長機に従って突撃せよッ!!」


 友永少佐は突撃命令を出した。


 突撃命令を聞いた彗星隊は軍事施設に向かって一気に急降下を始めた。


ズガアァァァーーンッ!!


ズガアァァァーーンッ!!


 彗星隊はテンポ良く爆撃していく。


「よし、俺達もやるぞッ!!」


 天山隊は水平爆撃を敢行した。


ヒュルルル………ズガアァァァーーンッ!!ズガアァァァーーンッ!!


 ウラジオストクとナホトカは猛火に包まれた。






―――第二機動艦隊旗艦翔鶴―――


「長官ッ!!攻撃隊より入電ですッ!!ウラジオストクとナホトカの爆撃成功ですッ!!」


 通信参謀が艦橋に駆け込んできた。


「敵ソ連極東艦隊も撃破したのか?」


「はい、雷撃で傾斜している艦艇が多数いるとの事です」


「………ならばこのまま突き進むか。上陸船団に巡航速度のまま進むように伝えろ」


 山口長官はそう決断した。




 そして第二機動艦隊と上陸船団は二日後にウラジオストクに接近して戦艦金剛以下の戦艦が艦砲射撃を敢行。


 艦砲射撃の中、船団から陸軍の兵士が大発などに搭乗してウラジオストクに上陸した。


 ソ連軍の抵抗が激しく、陸軍は橋頭堡を築くのに一日も掛かったがソ連軍は次第に抵抗を無くしていき、ウラジオストクを完全に占領したのは約五日後の事だった。








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