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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第八十二話

遂にチハたんが完成………しかし、物事は上手く運ばない。






 日本陸海軍はドイツからの要請に出来るだけ早く答えるつもりであった。


 海軍は艦艇の建造のための資材を少し減らして陸軍に分けたりしている。


 陸軍は一式中戦車改を生産しつつその編成にも追われていた。


 また、航空襲撃部隊も九九式襲撃機から銀星(陸軍の彗星の名称)と、三式双発襲撃機『銀龍』の更新を急がせていた。


 三式双発襲撃機『銀龍』とは史実のキ102乙の事である。


 銀龍は史実と同様の性能を持ち、ナセル・ストールの不具合は尾脚を100ミリ延長する対策が取られている。


 さらに追加として十二発の噴進弾が搭載出来る。


 銀星は満州に二個飛行隊の百八機(一個飛行隊は五四機)が進出し、銀龍は二個飛行隊の七二機(一個飛行隊三六機)が進出していた。


 しかし、それでも足りないのは事実なので更なる生産と編成が急がれていた。


 兵力も、治安維持ようの部隊を残して満州や樺太に集結しつつある。


 更に、日本は中国にも同時侵攻作戦を促している。


 中国としては自国に利益が無いので一度は断ったが、毛沢東の共産党軍がモンゴルにいるのを注視して方向を転換して同時侵攻作戦を承認した。


 中国軍は作戦が開始されたらモンゴルに攻めこむ予定である。


 蒋介石は攻めこむ条件として日本軍左官を派遣して軍事演習をして軍を鍛えてほしいとの事であった。


 日本陸軍はこれを了承して多数の佐官が国民党軍に派遣された。


 また、満州国軍の編成も行われていた。


 陸軍は約六十万で、海軍は砲艦数隻、空軍は戦闘機二七〇機、爆撃機九十機である。


 そして三か国の陸軍が編成されている最中の八月下旬、三笠と霧島少佐は東富士演習場を再び訪れていた。






―――東富士演習場―――


「………三式中戦車『チハ』やな」


 三笠は一個小隊四両の三式中戦車『チハ』を見た。


 重量は四三トンと重く、普通の戦車で良くないか?と意見が出たが戦車開発部が「チハたんは中戦車でなきゃ意味が無いッ!!」と猛反対したため中戦車となった。


 武装はドイツから輸入してライセンス生産をした五六口径八八ミリ戦車砲アハトアハトを搭載して、十二.七ミリ機関銃と七.七ミリ機関銃を搭載していて、発煙弾発射機を左右の砲搭に三機ずつ搭載している。。


 速度は四五キロと中々の速さで装甲は最大で九十ミリと一式中戦車改より厚かった。


 製造は、鋳造製で被弾経始を考慮した傾斜装甲である。


 全体的に見れば史実の四式中戦車を改造した感じであろう。


「主砲発射用意ッ!!」


 三式中戦車が砲撃訓練に入る。


 目標は千メートル先にある捕獲したM4戦車四両である。


「準備完了ッ!!」


「撃ェッ!!」


ズドオォォォンッ!!


ズドオォォォンッ!!


 四両の三式中戦車が一斉に砲撃をした。


ズガアァァァーーンッ!!


ズガアァァァーーンッ!!


 四両のチハに貫かれたM4戦車四両は炎上した。


「………これで日本版のティーガーが誕生したな」


 破壊されたM4戦車を見ながら三笠が呟いた。


『万歳ァァァーーーッ!!万歳ァァァーーーッ!!万歳ァァァーーーッ!!』


 他の戦車兵や関係者は万歳三唱をしていた。





 三式中戦車は直ぐに生産が開始されて、満州に最初の一個中隊が配備されたのは九月の上旬だった。


 陸軍は三式中戦車の生産を増やすために一式中戦車改の生産を縮小したのである。





 しかし、歴史はそう簡単に日本に味方をしなかった。





―――九月二十五日東京、三宅坂―――


「大変です東條閣下ッ!!」


 東條の部屋に部下が慌ただしく入ってきた。


「何事だッ!!騒々しいぞッ!!」


 東條は部下に叱咤する。


「は、申し訳ありませんッ!!で、ですがこれを見て下さいッ!!」


 部下は東條に通信紙を見せた。


 東條はそれを受け取って一目した。


「な、何だとォッ!?」


 東條は思わず叫んだ。


『中国共産党軍、中国及び満州ヘ侵攻ス』


 電文はそう書かれていたのであった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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