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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第八話

誰も前話の音速丸ネタに気付いてもらえなかった。


全員『乙』







―――1940年、九月一日―――


 日本政府は突然、八月から仏北印に進駐していた部隊を引き上げると発表して、部隊は台湾へ帰還した。


 突然の発表に一番驚いたのはヴィシー政権ではなくアメリカだった。





―――ホワイトハウス―――


「………急に奴等は態度を変え始めたな……」


 ホワイトハウスの大頭領室でルーズベルトが呟く。


「一時的かもしれません大頭領。まだ、朝鮮や満州も残っています」


 ハル国務長官が言う。


「うむ。満州は国連に訴えた蒋が認めてしまったからな。朝鮮から撤退しなかったら精密工作機械、航空燃料の輸出を禁止しよう」


 ルーズベルトはそう決定した。






 しかし、それから一週間後。


 日本政府は朝鮮からの部隊をも撤退する事を世界に向けて発表した。


 勿論、植民地にされていた朝鮮は大喜びであるが、間もなく半島を二分する内戦が起きるとは知らなかった。





「またしてもジャップは戦争から遠ざかろうとしているな」


「はい。ですが、まだ満州があります」


 ルーズベルトの言葉にハルが言う。


「確かにそうだ。満州からの撤退を促してみるかね?」


「いえ、此処はしばらく様子を見てみたらどうでしょうか?」


「ふむ………」


 ルーズベルトは腕を組んで目を閉じる。


 五分が経った時、ルーズベルトは目を開いた。


「………よし、数ヶ月程様子を見てみよう。満州から撤退をしなかったら日本に対する工作機械や航空燃料の輸出を禁止しよう」


 ルーズベルトはそう決断した。






 それから、新年が明けた1941年一月になっても日本は満州から撤退する事はなかった。


「大頭領。奴等は満州から撤退しようとはしません」


「うむ。数回の警告をしていたが聞く耳を持たん。即刻、航空燃料等の輸出を禁止しよう」


 ルーズベルトはそう決定した。





 一月中旬、アメリカは日本に対して工作機械、鉄鉱、屑鉄、航空燃料等の輸出を禁止した。





―――横須賀海軍航空基地―――


「………遂にアメリカは輸出禁止にしたな……」


 士官室で、三笠は新聞を見ながらそう呟いた。


 なお、三笠は飛行服を着ていた。


「史実より4ヶ月程遅くなっていますけどね」


 同じく、新聞を読みながら霧島大尉が言う。


「………歳樹兄さんと姫神少佐は何を言っているのだ?」


 そこへ、飛行服を着た女性が入ってきた。


「桃野少尉か。いやなに、霧島大尉と世間話やな」


「そうですな少佐」


「………ま、私には関係ないですけど」


 飛行服を着た女性―――桃野静流少尉(20)はそう言ってお茶を飲む。


「しかし、少佐と静流が知り合いだと知りませんでしたよ」


 霧島大尉の言葉に三笠は苦笑する。


「といっても、桃野少尉も俺もまた会うとは思わんかったわ」


「私もですよ少佐」


 桃野少尉は以前、横須賀から東京へ向かう汽車の中で出会った女性だったのだ。


 桃野少尉は本人や家族の同意も得て日本帝国軍初の女性軍人となった。


 まぁ、桃野少尉の父親も帝国陸軍軍人であったために家庭は厳しかったので、桃野少尉は厳しい訓練も耐えうる事が出来たのだ。


「小さい頃は何で私がこんな訓練をしなくてはならないんだと思っていましたが、女性の社会進出をと思えば訓練など平気ですよ」


 桃野少尉は言う。


「ところで少佐。本当にパイロットになるつもりですか?」


 飛行服を着ている三笠に霧島大尉が尋ねる。


「あぁ。というても迎撃のみに徹するわ。一応発着艦訓練もしているけどな。流石に攻撃隊に同行するのは止めとくし。迷子になったら洒落ならんからな」


「それもそうですね」


 三笠の言葉に二人は苦笑する。


「さて、また訓練するか」


「そうですね」


 三笠と桃野少尉は立ち上がって滑走路へ向かった。





 開戦までの時間はゆっくりと進んでいた。








御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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