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反逆の大東亜  作者: 零戦
77/143

第七十七話

陸軍の新型車が完成です。






―――六月一日、東富士演習場―――


 此処、東富士演習場に真新しい二両の車両があった。


「照準、射撃準備完了ッ!!」


 車両の兵が車長に報告する。


「撃ェッ!!」


ズドオォォォンッ!!


 二両の主砲が一斉に火を噴いた。


ズガアァァァーーンッ!!


 二両から放たれた砲弾は目標の捕獲したM4中戦車の装甲を貫いて破壊した。


「………これで量産態勢に入れるな」


 陸軍の戦闘車開発部の少尉の階級章をつけた研究者が呟いた。


 二両は一式中戦車(史実の一式中戦車じゃないよ)の車体を流用して新たな兵器へと生まれ変わった。


「………三式自走榴弾砲と三式砲戦車か………」


 開発部の研究者は呟く。


 日本陸軍は対ソ戦として新型の自走榴弾砲と砲戦車を開発していた。


 それが三式自走榴弾砲と三式砲戦車である。


 三式自走榴弾砲は、九六式十五センチ榴弾砲を取りつけた自走砲である。


 三式砲戦車は海軍が使用している有名な四〇口径八九式十二.七センチ高角砲を対戦車砲に改造した物である。


 陸軍は砲戦車は独自で作ろうとしたが、既に出来ている物を改造して作った方が費用もその分下がるので海軍に協力を申し出た。


 海軍も反対は無かったのですんなりと対戦車砲に改造出来たのである。


「さて、次は急いでチハたんを作らないとな」


 陸軍はふさわしい重戦車を作るために、一式中戦車の名称だったチハを代えて新たに一式中戦車『チヌ』という名前にしていた。


 チヌは史実の三式中戦車の名前だったので、別に問題は無かった。


 陸軍は重戦車を作るためにドイツから技術者を招いていた。


 エンジンは到底、重戦車に耐えられないと判断したので技術者を招いていたのである。


 このエンジン改良による向上で現在使用している一式中戦車の速度が、三八キロから四六キロと八キロも向上したのである。


 このため陸軍は、速度向上した一式中戦車を一式中戦車改として、展開している戦車部隊にエンジンの交換を実施している。


「頑張るか。全てはチハたんのために………」


 研究者は格好よく去っていくが、周りの反応はというと。


『…………(痛すぎる光景だな………)』


 その時、周りの人間の心は一つだった。







―――サンディエゴ沖合い―――


「何だとッ!?ジャップへの反攻は延期だとッ!!」


 空母エセックスの艦橋でハルゼー中将が怒鳴っていた。


「はい、北アフリカが陥落したのでイギリス本土が再び戦火の海になると上層部が判断したので、太平洋にある二個機動部隊のうち、一個機動部隊は大西洋に回航されるようです」


 カーニー参謀長は冷静に報告をする。


「クソッタレめがッ!!イギリスなんかほっとけばいいんだよッ!!俺らの目標はオザワとヤマグチ、トツカの機動部隊だッ!!」


 ハルゼー中将はブツブツと文句を言う。


「ですが、イギリスの救援も仕方ありません」


「バトルオブブリテンでジョンブルの奴等は勝ったんだからいいだろがッ!!」


 ハルゼー中将の雷がカーニー参謀長に落ちる。


「それはそうですが………」


 カーニー参謀長が言葉を濁らす。


「こうしている間にもジャップの奴等は戦力を蓄えているんだ。何とかしないと………」


 ハルゼー中将は腕を組む。


ズシュウゥゥゥゥゥーーンッ!!


 その時、エセックスの右舷を並走していた空母バンカーヒルの右舷に二本の水柱が上がった。


「何ィッ!?」


 ハルゼー中将が驚いた。


「ジャップの潜水艦ですッ!!」


 この時、ハルゼーの機動部隊を襲ったのは伊二〇二であった。


 ハルゼーの機動部隊は訓練は終了してサンディエゴに帰還している途中だったため油断していたのだ。


「ジャップの潜水艦を叩けッ!!」


 ハルゼーの言葉と共に駆逐艦が爆雷を投下していくが、伊二〇二を撃沈する事は出来なかった。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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