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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第六十四話








 第一機動艦隊から分離した空母赤城、加賀、炎龍の三空母とその護衛駆逐艦はインドネシアではなくシンガポールに入港した。


 シンガポールには宮様が司令長官をする第一護衛艦隊がいたのである。(木村少将のは第一護衛隊)


「久しぶりね赤城」


「朝日さんッ!?お久しぶりですッ!!」


 入港した赤城の部屋を訪れたのは海上護衛隊旗艦の朝日である。


「第一線で働く貴女まで使って申し訳ないわ」


「いえ、油が足りないのでは戦が出来ませんからね。微力ながらお手伝いをします」


 赤城はそう言って朝日に敬礼をした。


「ありがとう赤城。今日は三空母に重油と航空ガソリンをドラム缶と一斗缶に詰め込んで格納庫や廊下に満載させるから出航は明日よ」


 朝日も赤城に返礼しながら報告書を赤城に見せる。


「そんなに詰め込んでいいのですか?」


「大丈夫よ。上から東海、海上にはソナーを搭載した護衛駆逐艦を配備しているガトー級は近寄れないわ」


 日本〜南方を結ぶ航路を守るために対潜哨戒機の東海が台湾、フィリピンに十八機ずつ配備している。


 フィリピンは一応独立国なため、パラワン島を日本に譲渡(戦争が終われば返還予定)して、バギオの飛行場を貸してもらっていたのだ。


 対潜哨戒機の東海には磁気探知機が搭載され、配備されてからガトー級潜水艦を六隻血祭りにあげていた。


 ソナーはミッドウェーで捕獲した米機動部隊の駆逐艦から接収して生産したものだ。


「………輸送艦じゃなくて火だるま艦ですね」


 赤城が冷や汗を垂らしながら言う。


「仕方無いわ。私も武装は降ろされて高速輸送艦になっているからね」


 護衛戦艦朝日には三十.五センチ連装砲等を搭載していたが、高速輸送艦となっていた。


 そのためか、速度二六ノットが二八ノットまで向上していた。


「まぁ今日はゆっくりしてね」


 朝日はそう言って転移をした。


「………格納庫でも見に行きますか」


 暇になった赤城は詰め込み作業中の格納庫へ転移した。






―――格納庫―――


「ドラム缶はもっと奥へ置けッ!!」


「サボるなッ!!仕事はまだあるんだぞッ!!」


 格納庫は戦場化していた。


 整備員や対空火器員達がドラム缶や一斗缶を運んだりしている。


 更に、弾薬庫にまでドラム缶と一斗缶が運び込まれた。


 通常なら弾薬庫には爆弾と魚雷等が搭載されているが、輸送任務なのでトラック島で全て降ろされていたのだ。


「うん、作業は順調のようね」


 作業を見ていた赤城は嬉しそうに頷いて転移をした。


 詰め込みは0245まで掛かるのであった。





 翌日、第一護衛艦隊は輸送船団と共に出航した。


 護衛艦艇は戦艦一、空母三、巡洋艦三、護衛駆逐艦十四隻である。


 対する輸送船団は輸送船七、タンカー同じく七隻の十四隻である。


「さぁ帰りも頑張ろうではないか」


 旗艦朝日の艦橋で宮様は皆にそう言った。


 船団は速度十二ノットで航行をする。


 輸送船団は速度が遅いのが普通だが、開戦前に出来るだけの輸送船とタンカーの機関を改装した。


 速い輸送船は十八ノットぐらいで、遅い輸送船は十六ノットまで出せるようになっている。


 船団は南沙群島とベトナム沖を航行していく。


「………ゆっくりと航行するのもたまにはいいわね」


 赤城の防空指揮所で艦魂の赤城は輸送船を見ながらそう呟いた。


 輸送船団の周りはのどかなものである。


「本当に戦争しているなんて信じられないわね………」


 赤城はそう呟いた。


「赤城、様子はどう?」


「あら加賀」


 その時、加賀が転移してきた。


「赤城が暇してないか見に来たけど………暇みたいね」


 加賀は苦笑する。


『海中に反応ッ!!』


 その時、護衛駆逐艦のソナー員が叫んだ。








御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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