第六十二話
5月やのに大晦日の話です。
―――1942年大晦日、シンガポール―――
大晦日の日に、山口多聞中将の第二機動艦隊がシンガポールに入港した。
「隊長。年越しそばです」
「お、あんがとな聖」
三笠は聖からお椀に入ったそばを受け取る。
時刻は2330を指していた。
「後少しで今年は終わるのね」
「そうだね八重」
八重と樹里の双子はそばを啜りながらそう呟いている。
「来年こそは八重達に服を着せられないようにしないとな」
「………またそれは難儀ね」
桃野少尉の細やかな決意に才渓少尉はどう答えたらいいのか分からず、冷や汗を浮かべる。
「今年は色んな事があったなぁ………」
三笠はそばを啜りながら言う。
「そうね………静流の着替えや静流の着替えや静流の着替えや静流の着替えや静流の着替え等があったわね」
「そうだねぇ」
「いや何で全部私なんだッ!!」
八重と樹里の呟きに桃野少尉が反論する。
「まぁあそこはしゃーないか」
「来年は大丈夫でしょうか少佐?」
才渓少尉が三笠に聞いてきた。
「まぁそこは上層部の判断やろな。何とかアメリカを屈服出来たらええんやけどな」
三笠は才渓少尉にそう答える。
「ま、今日くらいは何も気にするな。飲め飲め」
「わ、そんなに入れないで下さいよ少佐」
三笠は才渓少尉のお猪口に日本酒を注ぎ込む。
「酒の匂いがしてやってきたぞ」
そこへ翔鶴や金剛達が登場した。
ちなみに金剛と榛名はまだ改装してない。
「お前は犬か金剛」
三笠は溜め息を吐いた。
「失敬な。酒=私だぞッ!!」
「いやわけ分からんからな」
「隊長ぉ〜何で自分の胸は小さいんだぁ〜〜〜」
「わ、聖が既に酔っぱらってるし。誰や飲ました奴は?」
「フハハハ俺だッ!!」
そこへ、久々に登場する霧島大尉である。
「久しぶりに見たな霧島大尉」
「こちとら三宅坂を何回も往復しているんだぞッ!!羨ましいぞ三笠ッ!!何だその両手にハーレム状態はッ!!」
霧島大尉がビシィッ!!と三笠に指指す。
「五月蝿いですわよ霧島大尉」
「お、エンターやんか。どないした?」
エンターが転移してきた。
「私も混ざらして下さい。暇なもので」
「そりゃぁ構わんけどな」
「人の話を聞けェッ!!」
「五月蝿い馬鹿兄さんッ!!」
喚く霧島大尉に樹里がトドメとも言える言葉を霧島大尉に刺した。
「………実の妹に言われるのはきついな」
霧島大尉は泣きながら酒を飲む。
「あら馬鹿兄貴いたの?」
「これで勝ったと思うなよォォォーーーッ!!」
霧島大尉は泣きながら何処かへ行った。
「いやそれは○真のネタやからな由○のッ!!」
三笠が慌ててツッコミを入れる。
「………何か今年の最後は疲れるなおい」
「大丈夫ですか少佐?」
「あぁ才渓、何とかな」
才渓少尉が三笠に近づいてきた。
「なら、今日は最後まで私がついていましょう」
「………お前も酔っているんか?」
「大丈夫です。酔っていましぇんッ!!」
しかし、才渓少尉の頬は赤く林檎のようになっている。
更に呂律もおかしい。
「少し寝とけ才渓」
「大丈夫ですよ少佐ッ!!わらしは………」
才渓少尉はそう言ってブツブツと言う。
ムニュ。
才渓少尉はブツブツ言いながら三笠の右腕を掴んで自身の胸に当てる。
「おい才渓。当たっているで(ムニュムニュが………ムニュムニュがァッ!!)」
三笠はそう言うが心の中はかなりヤバイ。
「大丈夫です。当てていますから」
才渓少尉はにへらと笑う。
「隊長、飲んでいる?」
「隊長こっちで飲みましょうよ」
ムニュ。
ムニュ。
そこへ八重と樹里も加わって三笠の左腕に胸を押しつける。
「お、おいおい(何やこの状態はッ!?来年の俺は死ぬんかッ!!)」
「貴様ら何をしているッ!!」
その時、金剛達が参戦してくる。
「三笠も胸を押しつけられてニヤニヤするなッ!!」
榛名が三笠に怒る。
「そ、それが男の性というやつやねんから………」
三笠はあたふたする。
「全く、胸がいいなら私達に言えばいいのに………」
金剛達五人は超弩級である胸を三笠に見せつける。
「ぶはッ!!Σ(゜Д゜)」
遂に三笠は鼻血を出した。
「そろそろ十二時よ」
瑞鶴が皆に告げる。
1942年の大晦日はバタバタしながら幕を閉じて1943年を迎えるのであった。
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