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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第六十話








―――1942年十二月上旬、ニューカレドニア沖合い―――


「ソナーに反応ありッ!!米潜水艦ですッ!!」


 海上護衛隊の護衛駆逐艦のソナー室でソナー員が叫んだ。


「対潜戦闘ッ!!」


「対潜戦闘ッ!!」


ジリリリンッ!!


 対潜戦闘のベルが艦内に鳴り響いて乗組員が慌ただしく艦内を駆け回る。


「爆雷投下準備完了ッ!!」


 艦尾にいる爆雷係が電話で艦橋に知らせる。


「敵潜水艦の位置は?」


「間もなく本艦の真下を通過しますッ!!」


 之字航行をしていたら敵潜水艦はいつの間にか真下にいたようだ。


「爆雷戦用意ッ!!深度八十ッ!!」


 艦長が爆雷係に知らせる。


「了解ッ!!爆雷深度八十だッ!!」


 係員は爆雷の深度を調節する。


「敵潜水艦が真下を通過中ッ!!」


「爆雷発射ァッ!!」


「爆雷発射ァッ!!」


シュポッ!!シュポッ!!


 艦尾から放たれた爆雷は海中に沈む。


ズズウゥゥンッ!!


ズズウゥゥンッ!!


 護衛駆逐艦の周りに気泡が浮かび上がる。


「やったかッ!?」


 艦長は海面を見るが、何も変化は無い。


「もう二回程ぶちこめッ!!」


シュポッ!!シュポッ!!


 今度は四発の爆雷が沈む。


ズズウゥゥンッ!!


ズズウゥゥンッ!!


 四つの気泡が浮かび上がる。


「どうだッ!?」


 艦長達が海面を見ていると、人間の四肢や浮き輪等が浮かんできた。


「敵潜水艦撃沈と認むッ!!」


『万歳ッ!!』


 艦長の言葉に艦橋にいた全員が万歳をした。







―――第一護衛隊旗艦名取―――


「木村司令官。敵潜水艦は護衛駆逐艦啄木鳥が撃沈したようです」


 軽巡名取の艦橋で参謀長が第一護衛隊司令官の木村昌福少将に報告をした。


「そうか、啄木鳥には御苦労だと伝えてくれ」


「は」


 木村司令官は自慢の髭を触りながら言った。


 第一護衛隊はニューカレドニアでニッケルを積載した輸送船十隻を護衛してトラック諸島に向かう最中である。


「一ヶ月で十二隻の潜水艦を叩いたというのに米軍は執拗に輸送船を狙ってきますな」


「仕方の無い事だ参謀長。奴等には空母が無いからな」


 参謀長の呟きを木村司令官はそう言い返す。


「今は輸送船を守る事に集中しようじゃないか参謀長」


「はい、シーレーンを我々が守りませんと日本は全滅しますからな」


 海上護衛隊の任務は海上自衛隊のように輸送船を守る任務だ。


 護衛隊の艦艇は自動給弾化が進められており、高角砲、対空機銃、爆雷は全て自動給弾装置がある。


 なお、海上護衛隊の護衛駆逐艦の武装は十二.七センチ単装高角砲四基、四十ミリ連装機銃四基、二十五ミリ単装機銃八基、爆雷三六個となっている。


「それじゃあトラックに向かうとするか」


 木村司令官の言葉と共に、第一護衛隊は輸送船団を護衛しながらトラック諸島へと向かうのであった。







 一方、トラック諸島では第一機動艦隊と第二機動艦隊が合流した。







―――空母赤城―――


「久しぶりやな赤城」


「えぇ。三笠も元気のようで」


 赤城の予備会議室には第一機動艦隊と第二機動艦隊の艦魂+三笠達が集まっていた。


「貴方が姫神少佐ね。私はレキシントンよ」


 艦魂のレキシントンが三笠に挨拶をしている。


「あぁ」


「貴方の事はエンターから聞いたわ。通りでジャップ………日本に運があると思ったわ」


 レキシントンは苦笑しながら三笠に言う。


「俺がおるのは反則やと思うか?」


「まぁハッキリ言えばね………でも貴方の事は信じてみるわ」


「おいおい、普通に俺を信じてええんか?」


「エンターの反日派でジャップ嫌いはアメリカ海軍では有名なの。それが今では親日派よ?十分に信じてみる気になるわ」


「それもそうか」


 三笠はレキシントンの言葉に苦笑した。


「今の私は神鶴だけど、レックスでいいわ」


「ん。ありがとうなレックス」






 改装修理が完了、編成完了したレックスとサラ(サラトガ)はそれぞれ神鶴と飛鶴と付けられて第二機動艦隊に配備された。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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