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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第五十九話







―――1942年十月下旬、トラック諸島―――


 トラック諸島に空母二隻とその護衛艦艇が入港した。


 二隻の空母はアングルド・デッキを使用しており、形的には空母アンティータムのようだった。


 二隻の空母の名は、翔鶴と瑞鶴だった。


 二隻は待機していた『第二機動艦隊』と合流した。







―――空母翔鶴、翔鶴の部屋―――


「久しぶりだな三笠」


「あぁ、呉のドックに収容されて以来やな」


 翔鶴の部屋に三笠、霧島三姉妹、桃野少尉、そして何故か才渓少尉もいた。


「ん?何故才渓少尉がいるんだ三笠?才渓少尉は我々は見えないはずだが………」


「いやぁ実はさぁ………」


 三笠はポリポリと頭をかく。


「才渓も艦魂が見えるようになってんなこれが」


「……………何だと?」


 三笠の言葉に翔鶴は目を見開いた。


「まぁそう言う事だ。宜しくお願いする」


 右目にアイパッチをした才渓少尉は翔鶴と握手をした。


「あ、あぁ………どういう事だ三笠?」


 翔鶴は才渓少尉と握手をしながら三笠に聞いた。


「まぁ………今言える事はミッドウェーで翔鶴が被弾したのが原因やな」


 三笠は苦笑しながら翔鶴に訳を話した。


「事の始まりは翔鶴達が入港する一昨日や。夜中に才渓が涙目になりながらエンターで寝泊まりしていた俺の部屋に駆け込んで来たんや」


 翔鶴が改装中は空母蒼鶴が第二機動艦隊の旗艦をしていた。


「話しを聞いたら金髪の女性の幽霊を見たって言うからもしかすると………と思ってエンターを紹介したら才渓がこの女性だと言ってな。才渓も艦魂が見えるようになったというわけだ」


「しかし、何故翔鶴が被弾したからだと言えるんだ?」


 翔鶴は三笠に聞いた。


「確証は無いけど、ミッドウェーの時に才渓は右目を潰してしまっただろ?その時に何らかの拍子で左目で艦魂が見えるようになったと思うんだ」


「………成る程」


 翔鶴は腕を組みながらそう答えた。


「まぁ見えてしまったのは仕方ない。仕方ないから飲もうか」


 翔鶴はドンと日本酒を出す。


「………今の流れでどうやって飲み会に発展したんやろか………」


 三笠は冷や汗を垂らしながら呟いた。


「いいじゃないの。後で飲みましょ」


 八重は三笠に言う。


「………後でな」


 三笠は溜め息を吐きながら了承をしたのであった。







―――夜―――


「第二航空艦隊は基地航空艦隊になって、第二機動艦隊が新設………か。格上だな」


 翔鶴はそう呟いてコップに注がれた日本酒を飲み干した。


「第二航空艦隊はセイロン島で新設されたからな。機動部隊の上の艦隊として第二機動艦隊が誕生したんだ。勿論第一航空艦隊も格上げとなって第一機動艦隊となっているわ」


 三笠は翔鶴に説明をする。


「第一機動艦隊も漸く飛龍と蒼龍が就役したから航空戦力は回復するやろうな」


 空母の飛龍と蒼龍は工員の努力もあって改装が早くに終了した。


 実は早く終わった理由がある。


 日本陸海軍は、工員を増やすために全国の刑務所に収監されている模範囚を特務工員(工員の手伝い。主に資材の運び)として採用して工事に当たらせていた。


 大東亜戦は総力戦と大本営はそう判断したのだ。


 史実でも網走刑務所の収監がマリアナ諸島の飛行場建設をしてたらしい。(修学旅行時の記憶なのであまり定かではないんです)


 模範囚達も「お国の役に立てるなら」と各地の造船所で働いている。


 そのため、二隻の戦力化は早かったのだ。


 二隻と合流した第一機動艦隊は戦力が増加して今は内地に帰っていた。


 ちなみに、赤城と加賀はもう一ヶ月程かかる見込みである。


 なお、第一航空艦隊はニューカレドニアにいた。


 司令長官は塚原中将で第十一航空艦隊が第一航空艦隊に名前を変更しているだけであった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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