表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
反逆の大東亜  作者: 零戦
58/143

第五十八話







―――1942年10月上旬、ホワイトハウス―――


「………つまりこういう事かね?太平洋戦線は完全に手詰まりだと?」


 ホワイトハウスの大統領室で報告を受けたフランクリン・D・ルーズベルト大統領は報告に来た海軍長官のキングをジロリと睨んだ。


「は………太平洋戦線には空母が一隻もいません。大西洋には空母レンジャーはいますが………」


「ならレンジャーを回航するばいいだろう」


「回航したら大西洋はUボートの住処になりますよ。それにレンジャー一隻を回航したとしてもジャップのロングランス(酸素魚雷)の餌食になります」


 日本海軍の潜水艦隊である第六艦隊は大型艦艇を狙うの捨てて兵員の食糧を絶つべく輸送船狩りを太平洋とインド洋で展開していた。


「………だが、オーストラリアを占領されるのはどうしても避けたいのだ」


 日本はニューヘブリデス諸島を占領して、更にはニューカレドニアをも占領した。


 ニューカレドニアを占領されたオーストラリア政府は一層の危機感を覚え、ルーズベルトに再三救援の訴えていた。


「ですが、ジャップの進撃もまた停止するでしょう。補給路は伸びきっています」


 キングの言葉にルーズベルトは無言で頷いた。


 確かに日本海軍の補給路は伸びきっていた。


 南方戦線の司令部になっているラバウル〜ソロモン諸島は完全に日本軍の制空権だった。


 しかし、ニューヘブリデス諸島〜ニューカレドニア方面は米海軍のガトー級潜水艦が度々輸送船を脅かしていた。


「だが、日本軍の進撃は確かに止まるが我が軍は来年まで進撃出来ない」


 アメリカはエセックス級空母の大量建造を急がせていた。


 既に三十隻あまりの空母が発注されている。


「空母も必要だが、戦艦も必要だ」


 ルーズベルトはスパイが入手した大和の写真を見つめる。


「主砲が四六センチ砲だとノースカロライナ型やサウス・ダコタ型戦艦では到底勝てないぞ」


 両戦艦は四十センチ砲なので艦隊決戦となれば大和型が一方的に叩きのめされる。


「既にアイオワ型が建造中ですが、本当に戦艦はそんなにいりますか?」


 キングはルーズベルトに聞いた。


「ジャップは新旧十九隻も持っているのだ。いくら時代遅れだからと言って舐めていたらやられるぞ」


「申し訳ありません」


 ルーズベルトの言葉にキングは謝った。


 しかし、ルーズベルトもキングも勘違いをしていた。


 確かに大和型は四六センチ砲を搭載していた。


 しかし、その大和型は現在改装中の真っ最中だった。


 大和型は五六センチ砲を搭載するべく改装していた。


 日本海軍は八八艦隊の一環で四八センチ砲を開発していたので、時間をくれたら五一センチ砲でも五六センチ砲を作れたのだ。


 なお、日本の戦艦は一部を除いて全て四十一センチ砲に改装するべく準備をしていた。


 一部とは長門型戦艦であり、長門型は五十口径の四六センチ砲を搭載する予定だった。


 だが、日本はそれを実行に移せなかった。


 捕獲、改装している艦艇が造船所で一杯のため出来ないのだ。


 流石の事に三笠も苦笑せざる得なかった。


 そして新たに造船所の建築として大阪、名古屋、旅順が選ばれた。


 旅順は陸軍の揚陸基地として機能しているのでこれを拡大する作業が行われる事になる。


 そして補給路が伸びた事により輸送が難しくなり、豊田長官は作戦を一旦停止する事にした。


 この決定には誰も反論する事なく、皆頷いていた。


 一方、占領されたセイロン島は続々と航空部隊が進出していた。


 陸海四個航空部隊がセイロン島に駐留し、艦隊は水上艦隊ではなく、潜水艦二十隻が駐留していた。


 潜水艦二十隻によるインド洋の通商破壊にインド洋のイギリス軍の補給路はズタズタにされつつあった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ