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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第五十七話






「………行ったな」


「そうですね」


 空母炎龍の艦橋で小沢長官が呟くのを草賀参謀長が頷いた。


「しかし小沢長官。今回の作戦は些か早すぎたように思えます」


 草賀参謀長がそう言う。


「確かに俺もそう思うが、陸さんは何としてもティーガーが欲しいみたいだからな」


 陸軍は一式中戦車の後継戦車は重戦車と考えていた。


 勿論それはソ連を意識しての事だ。


 そのために陸軍は何としてもティーガーが欲しいのだ。


「まぁ陸軍の言い分は分かる。ノモンハンで負けたからな」


 既に陸軍はティーガーの購入の交渉をしている。


 情報によれば中々いい返事がくれそうな気配である。


「兎に角だ。我々は任務に全力を尽くそうじゃないか」


 小沢長官は草賀参謀長にそう言った。







 関少佐率いるコロンボ攻撃隊は彩雲の誘導で無事にコロンボに到着した。


「零戦隊は敵戦闘機を掃射しろッ!!」


 九九式艦爆の操縦席で総隊長の関少佐が指示を出す。


「水平爆撃隊は飛行場を爆撃だ。艦爆隊は港を襲うッ!!」


 水平爆撃隊である九七式艦攻はコロンボの飛行場に進路を変える。


 艦爆隊はそのまま軍港に狙いを定める。


「全軍突撃せよッ!!」


 九九式艦爆はダイブブレーキを開いて、高度三千から一気に急降下爆撃を開始した。


ドンドンドンドンドンッ!!


 地上ではイギリス軍の高射砲が急降下爆撃をする九九式艦爆に向けて砲撃をしているが、一向に九九式艦爆に当たる気配を見られない。


 九九式艦爆は既に彗星が制式採用されて旧式機扱いだが、まだまだ頑張れる機体である。


 デメリットは最大爆弾が二百五十キロ爆弾であるが………。


「撃ェッ!!」


ヒュウゥゥゥーーンッ!!


 関少佐は高度六百で二百五十キロ爆弾を投下した。


 関少佐が狙ったのは停泊していた仮装巡洋艦であった。


ズガアァァァーーンッ!!


 二百五十キロ爆弾は仮装巡洋艦の前部にあった十五センチ砲に命中して十五センチ砲を破壊した。


ズガアァァァーーンッ!!


ズガアァァァーーンッ!!


 更に関少佐の中隊は仮装巡洋艦に二百五十キロ爆弾を叩きつけていく。


 仮装巡洋艦は多数の二百五十キロ爆弾の命中により炎上さして戦闘不能になった。


「次はあの倉庫を狙うぞ」


 高度三千まで上昇した関少佐は炎上している仮装巡洋艦の付近にあった倉庫に狙いを定めた。


「行くぞォッ!!」


 隊形が整った関中隊は再び急降下爆撃を開始したのであった。







 一方、飛行場爆撃に向かった九七式艦攻隊は零戦隊とイギリス軍のスピットファイヤー、ハリケーンの混成隊との空戦を見ながら爆撃をしようとしていた。


 爆撃高度は三千である。


ドンドンドンドンドンッ!!


 飛行場の周りの高射砲陣地は盛んに砲撃をして弾幕を形成する。


「爆撃用意ッ!!」


 九七式艦攻の操縦席で水平爆撃隊隊長の田中少佐が無線に怒鳴る。


「準備完了ッ!!」


「投下ァッ!!」


ヒュウゥゥゥーーンッ!!


 田中少佐は投下索を引いて六発の六十キロ爆弾が落下していく。


ズガアァァァーーンッ!!


ズガアァァァーーンッ!!


 六十キロ爆弾は滑走路に命中して盛大に火花を咲かしていく。


 他の中隊も次々と六十キロ爆弾を投下して飛行場を破壊していく。


 飛行場を守ろうとしたスピットファイヤーとハリケーンは零戦隊の銃撃に次々と撃ち落とされていった。


 零戦隊のパイロットは実戦経験初が半数を占めていたが、教官だった四空母のパイロットからの指導を受けていたのが幸いしていたのか未帰還は無しという快挙を遂げる事になった。


 この爆撃により、コロンボ基地は事実上使用不能になった。


 翌日にはトリンコマリーにも爆撃を敢行してトリンコマリー基地を使用不能に貶めた。


 セイロン島の司令部に日章旗が掲げられるのは今から二週間後の事だった。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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