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反逆の大東亜  作者: 零戦
49/143

第四十九話

というわけでこうなりました。







ズガアァァァァァーーンッ!!


 一発目は滑走制止装置の左舷側の飛行甲板に命中した。


 二発目は後部飛行甲板に命中した。


「消火急げェッ!!」


 応急隊が消火ホースを持って消火活動を開始する。


 後部格納庫では一式散水器が消火活動をしている。


「………ぅ………」


 三笠は背中に激しい痛みを感じながら起き上がる。


「才渓。怪我は………」


 三笠が才渓少尉を見ようとすると、三笠は愕然とした。


「………才渓ッ!?」


 才渓少尉の右目(才渓少尉からして)から血が流れ出ていた。


 爆弾か何かは知らないが何かの破片が才渓少尉の右目にぶつかったのだ。


「しっかりするんや才渓ッ!!」


 三笠が才渓少尉を抱き起こす。


「しょ………少佐ぁ……目が……右目が……見えません………」


 才渓少尉は泣きながら三笠に言う。


「今から医務室に行くで。しっかりと掴まっとけよなッ!!」


ズキィッ!!


 才渓少尉をおんぶしようとした三笠だったが、背中に激痛が走る。


「ガァッ!?………えぇい畜生ッ!!」


 三笠はおんぶを諦めて、才渓少尉をお姫様抱っこにする。


「しょ、少佐………」


「ちょっと我慢しとけよ才渓ッ!!」


 才渓が顔を赤くするが、三笠はそれを無視して医務室に向かった。







「退け退け退けッ!!負傷者が通るでッ!!」


 三笠が才渓少尉をお姫様抱っこしながら医務室にまで走る。


「………………//////」


 才渓少尉は恥ずかしくて顔を伏せていた。






―――医務室―――


「軍医ッ!!コイツを診てくれッ!!」


 三笠が慌ただしく医務室に入る。


「何だね………って特務参謀か。ちょっと待て」


 軍医長が治療していた負傷者を他の軍医に任すと三笠の元へ向かう。


「………こりゃあ駄目だ。眼球が半分程度にまで押し潰されている」


 軍医長はそう診断した。


「そう………ですか………」


 軍医長の診断を聞いた才渓少尉は顔を伏せる。


「取りあえず特務参謀も背中を見せろ。出血多量で死ぬぞ」


「そ、それは嫌やでッ!?」


 三笠は慌てて背中を軍医長に見せる。


「………これは爆弾の破片が背中を切ったな。他にも破片が背中に食い込んでそうだから手術だな」


「マジっすか?」


「マジだよマジ。てか特務参謀なら艦橋か自室にいろよ。病み上がりに近いんだからな」


 軍医長が溜め息を吐いた。


「いやぁ回避運動していたし、艦橋へ昇る最中に流れ弾に当たるのも嫌やから発着艦指揮所にいたからな」


「全く。そこにうつ伏せで寝ろ」


 軍医長の指示に三笠は素直に従う。


 そして三笠はそのまま手術へ直行した。


 幸いにも、背中に食い込んだ破片は無く、背中から血を流していたのは破片が背中を切って血を流しただけであった。


 その証拠に、三笠の士官服の後ろは二つにスッパリと切れていた。


 米軍の攻撃は終了するが、翔鶴は発着艦不能だが沈没する気配は無かった。


「傷は大丈夫か三笠ッ!!」


 三笠は自室に移されると、金剛達が待ち構えていた。


「あぁ、何とかな。だが、才渓の右目は潰れた。あれは俺の責任やな」


 三笠は済まなそうに言う。


「けどよ、三笠が才渓を庇って無かったら才渓は大怪我をしてたかもしれないぞ」


「うむ。三笠は背中で才渓を守ったんだ」


 榛名と包帯を巻いている翔鶴が言う。


「………ありがとうな三人共」


 三笠は三人にそう言った。


 三人が部屋を出ると、入れ換わりに蒼鶴が来た。


「三笠さん大丈夫ですのッ!?」


「あぁ大丈夫やで」


 すると、蒼鶴は申し訳なさそうな表情をする。


「申し訳ありません三笠さん。私が空母を捕獲するような事を言わなければ………」


「気にするなエンター。戦争に負傷は付き物やねんからな」


「ですが………」


「ちょっち来い」


 それでも何か言いたげな蒼鶴に三笠はちょいちょいと来るように手を振る。


「心配するな」


「………はい」


 三笠は蒼鶴の頭を撫でた。







 第二航空艦隊は米機動部隊を目指していた。








御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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