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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第四十話







―――柱島泊地、聯合艦隊旗艦敷島―――


「これは杉山参謀総長。連合艦隊旗艦敷島へようこそ」


「いやぁ豊田長官。いきなりの来艦、真にすみませんな」


 敷島の作戦室で、陸軍参謀総長の杉山元大将を豊田長官達が出迎えた。


 表向きは陸海軍の交流であるが、実際は違った。


「それでは陸海軍合同会議を始めます」


 司会役には霧島大尉が務める。


「まず、石油の備蓄や輸送ですが、宮様の熱心な輸送により備蓄は順調に進んでおり、南方との輸送が遮断されても約五年は持ちこたえられます」


 宮様は裏方を必死にやって輸送活動をしていた。


「海軍には御足労をかけます」


 陸軍もガソリンを使うので、それを輸送してくる海軍に杉山参謀総長は豊田長官に頭を下げる。


「いえ、これが海軍の仕事ですので」


 豊田長官は事務的な返事をする。


 豊田長官は陸軍を『獣』と呼んでいるので、豊田長官自身も陸海軍の協力するのは必要なのだが、どうしても事務的な返事になってしまうのだ。


「新型小銃ですが、フィリピンで米軍から捕獲したM1ガーランドを基本にした二式半自動小銃が開発中です」


 フィリピン戦で捕獲したM1ガーランドは陸海軍共同で研究して、それをベースにした二式半自動小銃が試作中だった。


 制式採用されたら陸海軍共同で使用するようになっている。


「一式中戦車は海軍さんが八センチ高角砲を提供してくれたおかげで戦車兵からは大好評です」


「そうですか、それは良かった」


 杉山参謀総長の言葉に豊田長官はホッとする。


「ですが、ソ連相手だと上手く戦えるかどうか………」


 杉山参謀総長は思わず言葉を漏らした。


 だが、杉山参謀総長にはまだ秘策はあった。


 ドイツとの交渉で、あの88ミリ戦車砲アハトアハトを提供とライセンス生産が出来るようになって、先日帰還した伊号潜にアハトアハト三門を分解して持ってきたのだ。


『アハトアハトがあれば、ソ連のT-34中戦車に対抗出来るッ!!』


 それが三宅坂が下した結論だった。


 それから二時間程、会議をすると解散となり杉山参謀総長は敷島を下艦した。


「………さて、それでは我々も会議をしようか」


 作戦室で豊田長官が言う。


「六月に予定しているミッドウェーだが………史実通りやるのかね?」


 豊田長官は三笠に聞いた。


「別に日数は史実じゃなくても構いません。艦なども痛みがきているので修理する必要があります」


「うむ。確かにそれはそうだな」


 三笠の言葉に小沢長官が頷く。


「ふむ。日数に関しては軍令部と協議しておこう。姫神、ミッドウェーは貴様ならどうする?」


「………(あれを言うべきやな)」


 三笠は以前、蒼鶴に頼まれた事を思い出す。


「………長官。自分としては、敵機動部隊を――――――」


『ッ!?』


 三笠の言葉に作戦室にいた三笠以外の全員が目を見開いた。


「………姫神。本気かね?」


 豊田長官は最初は唖然としていたが、そこは司令長官なのか直ぐに我に戻って三笠に聞いた。


「あくまでも希望的な考えです。それに―――すれば戦線も楽になると思います」


「………確かにな……」


 三笠の言葉に聯合艦隊首席参謀の島本久五朗大佐がゆっくりと頷く。


「ハッハッハッ!!いいじゃないか、―――――。大いにやるべきだ」


 山口長官が笑いながら三笠の案に賛成する。


「ふむ、山口が賛成するなら俺も賛成するか」


 小沢長官が苦笑しながら言う。


「山口長官………それに小沢長官………」


 三笠も二人が賛成してくれるなど思ってなかった。


「全く………だが、アリューシャンはどうするかね?」


 豊田長官は嬉しそうにしつつ、三笠に聞く。


「一応は必要だと思いますが、空母は持っていかなくていいと思います。防空空母として二隻程でいいかと思います」


「ふむ………そこはまた検討しよう。今日はこれで終わりだ、御苦労だった」


 そこで会議は終わった。









御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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