第三話
漸く艦魂が出ます。
―――戦艦長門―――
「………フオォォォォォーーーッ!!!」
あ、ども姫神三笠です。
只今、戦艦長門の防空指揮所にいる。
「……戦艦金剛、榛名……重巡利根……羽黒……」
横須賀港には旧帝国海軍の艦艇が多数いた。
………これはマジで興奮するわ。
「気に入ったようだね」
「自分達の日本でも軍艦はありましたけど、護衛艦ですから戦艦とかいないんですよね」
苦笑している山本長官に言う。
「そうか、私は艦橋にいるから見終わったら降りてきてくれ」
「あ、はい。感謝します」
俺は長官に敬礼をする。
あぁ、さっきの話を忘れていたな。
海軍やけど、艦船の改装艦は大量にあった。
まずは戦艦やけど、最優先の改装艦は長門型で速度向上と対空火器の増強や。
金剛型は既に改装は終えているので、今は問題無いけど戦中にやるかもしれない。
扶桑型と伊勢型は対空火器の増強に留まり、速度向上の改装は開戦に入ってからになる。
空母では赤城、加賀にあった二十サンチ単装砲は全て撤去されてその部分に航空機のスペースを増やして赤城は十二サンチ高角砲から十二.七サンチ高角砲へ転換する事になる。
加賀は速度向上の改装が図られた。
蒼龍と飛龍は対空火器の増強となる。
改造空母としては、潜水母艦大鯨、給油艦剣崎、高崎が改装されて祥鳳型の三隻となる。
また、客船からの改装からとして隼鷹型が史実よりも一ヶ月早くに空母への改装が始まっている。
隼鷹型は史実の搭載機四八機から飛龍や蒼龍と同じ常用五七機としている。
更に、水上機母艦の千歳、千代田、瑞穂、日進(建造中)も空母へ改装中や。(瑞穂は速度向上も)
四隻とも搭載機は三六機(艦戦十八、艦爆九、艦攻九)である。
それに伴い、全国で飛行学校が開設されて教官にはベテランが大量に選ばれた。
「………それでも負けそうやな………」
一応、他にも雲龍型の建造や海防艦の建造。
対空火器としてスウェーデンのボフォース四十ミリ機関砲の輸入とライセンス生産をしている。
「ま、何とか頑張ってみるか」
俺はそう頷いて艦橋へ戻ろうと後ろを振り返った。
「………え?」
………そこには、海軍の士官服を着た三人の女性がいた。
「………え?」
誰やこの三人は?しかも一人は金髪やし。
「………どうやら我々が見えるようだな」
「えっと……どちらさんですか?」
「来てもらおうか」
金髪の女性が俺の腕を握った。
「は?」
ピカアァァァッ!!
「は?」
俺は急に光りに包まれた。
―――???―――
「………何処や此処は?」
「長門の第三会議室だ。滅多に使われる事はないから我々が使っている」
俺の質問に金髪の女性が答えてくれた。
「貴様は何者だ?ある情報では貴様が現れたのは陛下が住む皇居だとあるが?」
………金髪の女性が俺を思いっきり睨んでくる。
………マジ恐いです。(滝汗)
「怒るなよ姉貴。姉貴がそう怒ってたらコイツも喋れないだろ?」
「金剛も少しは落ち着け」
左右の女性が金髪の女性を宥める。
………金剛やて?
「取り敢えず自己紹介をするか。私は長門。戦艦長門の艦魂だ」
「俺は榛名。戦艦榛名の艦魂だ」
「………私は金剛。戦艦金剛の艦魂だ」
………何やて?
「………艦……魂………?」
「そうだ」
ショートヘアの女性―――長門が頷く。
「ま、簡単に言えば船の護り神や精霊みたいなものだ」
ポニーテールの榛名が言う。
「しかし、艦魂は霊的に近い存在だから見える者は非常に少ない。東郷元帥は見えていたがな」
ショートヘアの金髪女性―――金剛が言う。
あぁ、金剛はイギリスで建造されていたから金髪なんやな。
「それじゃぁ俺も自己紹介するけど、俺は姫神三笠。階級は少佐や」
俺は三人に自己紹介をする。
「で、本題に入るが貴様は何者だ?」
「………まぁ、これを見せるから質問は俺の説明が終わってからな」
あえて釘を刺しつつ俺は三人に説明した。
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