第二十五話
日本橋……楽しかった。
まさかシャーリーと律ちゃんが五百円で取れるとはな。
ぷかぷかも買ったし、レンジャーズ娘は見当たらなかったけど。
まさか蒼海の世紀が二冊で六百円で買えるとは。
全員『まぁ乙』
四月、小沢第一航空艦隊は新たに空母祥鳳と瑞鳳を加えてインド洋に進出していた。
更には、南雲中将の南遣艦隊も作戦に参加、ベンガル湾にて大規模な通商破壊作戦を展開していた。
「………今頃、姫神君は新型機のテストでもしているかな?」
旗艦赤城の艦橋で、小沢中将はポツリと呟いた。
「そうですね。まぁ新型機も大事ですから」
小沢中将の言葉に草鹿参謀長が答える。
三笠はこの時、第一航空艦隊には乗っておらず、海軍横須賀航空基地で新型機(零戦の改良型)のテストをする予定だった。
「兎に角、我々は頑張るとするか」
小沢中将はそう言った。
なお、空母翔鶴と瑞鶴はほぼ改装が終了していた。
搭載機は赤城や加賀と同じ常用百八機、補用十二機となり、前部飛行甲板には油圧カタパルトを設置している。
防御は、飛行甲板は残念ながら見送られる事になる。
機関は缶室と主機械室との交互配置にしている。
更に捕獲したエンタープライズの多層式水中防御方式を基準にして、数も増やして奥行きも深くしていた。
後に二隻は大いに太平洋で活躍するのだが、それはまた後日。
「ところで戸塚の艦隊は敵に発見されていないだろうな?」
「今のところは無事でしょう。発見されたら無電しますので」
この時、空母飛鷹、隼鷹、千歳、千代田、戦艦長門、陸奥、巡洋艦二隻、駆逐艦六隻で編成された艦隊司令官には戸塚道太郎少将が就任、艦隊はアッズ環礁に向かって航行しており、更に艦隊後方には高速輸送船八隻と駆逐艦六隻、工作艦明石、三原もいた。
目的は勿論、イギリス東洋艦隊を撃滅若しくは捕獲するためである。
「まぁいい。戸塚がイギリス東洋艦隊を逃がしたら我々と共同で撃滅したらいいんだからな」
小沢中将はそう言った。
翌日、セイロン島に接近した第一航空艦隊はセイロン島のコロンボに第一次攻撃隊を放った。
攻撃隊は零戦五四機、九九式艦爆五四機、九七式艦攻五四機で、指揮官は淵田中佐である。
レーダーで第一次攻撃隊を探知したセイロン島守備隊は、直ぐ様戦闘機ハリケーン四二機を上空にあげた。
―――コロンボ上空―――
「さぁてコロンボに来たで」
九七式艦攻の機長席で淵田中佐が言う。
「隊長、右舷二時から敵戦闘機ッ!!」
松崎大尉が叫ぶ。
「早速かいな……板谷。お客さんが来たわ。相手したってな」
淵田中佐は零戦隊隊長の板谷少佐に言う。
『了解。存分に相手してきますよ』
板谷はそう言って、零戦隊を率いてハリケーンが向かってくる方向に機首を向けた。
「よし、水木。全機にト連送を打てッ!!」
直ぐ様全機に『ト・ト・ト』とト連送が打たれる。
ト連送を受信した艦爆隊が高度三千から一斉に急降下爆撃を開始した。
勿論、セイロン島守備隊は黙ってはおらず、高角砲や対空機銃が砲火を開く。
ドンドンドンドンドンッ!!
ドドドドドドドドドドッ!!
しかし、艦爆隊はそれらを臆せずに急降下。
二百五十キロ爆弾を軍港施設に叩き込んでいく。
ズガアァァァーーンッ!!
ズガアァァァーーンッ!!
「中々の戦果やな。ウチらも負けてられへんで」
淵田中佐はそう言って、照準器を覗く。
目標はドックにあるクレーンである。
「用ぉ意………撃ェッ!!」
ヒュウゥゥゥンッ!!
ヒュウゥゥゥンッ!!
九七式艦攻の腹に搭載していた二百五十キロ爆弾二発がクレーン目掛けて落ちていく。
ズガアァァァーーンッ!!
ズガアァァァーーンッ!!
淵田中佐の中隊が投下した二百五十キロ爆弾はクレーンに命中。
クレーンは根本から折れて倒壊した。
更にドック内にいた仮装巡洋艦にも命中して火災を発生させていた。
「………第二次攻撃隊は必要ないなこれは」
爆撃を終えた淵田中佐の九七式艦攻はコロンボ上空を飛行して地上を偵察していた。
「史実より零戦と九九式艦爆の数が多いのが良かったんやろな。水木、赤城に打電や。『第二次攻撃必要ナシ』や」
「了解です」
水木は直ぐに打電した。
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