第二十三話
エンプラフラグ
―――1942年一月柱島泊地、旗艦大和―――
「………大和や、大和やぞ長門ッ!!」
「………分かっているから少し黙れ」
三笠のはしゃぎぶりに長門は溜め息を吐いた。
「アホ抜かせや長門。大和やで?四六センチ砲を搭載した大和やで?これを生で見れて、はしゃがない奴が何処におんねんッ!!」
シャコッ!!シャコッ!!
三笠は持っていたライカで大和を撮りまくる。
「フヒヒヒ」
「………戻ってこいッ!!」
バキィッ!!
長門は三笠の頭を叩いた。
「ハッ!!俺は一体何を………」
「取りあえず第三会議室に行くぞ」
「あぁ分かった」
そして二人は大和の第三会議室に転移した。
―――第三会議室―――
「初めまして、戦艦大和の艦魂の大和です。先輩達にも負けないよう活躍します」
ポニーテールの髪形をした大和が長門に敬礼をする。
「戦艦長門の艦魂の長門だ。共に日本の未来のために頑張ろう」
長門も大和に返礼をする。
「第一航空艦隊特務参謀の姫神三笠少佐や。よろしくな」
「こちらこそよろしくお願いします姫神少佐」
勿論、姫神と大和も互いに敬礼しあう。
「それで、イギリス東洋艦隊の艦魂達はどうしているんだ?」
長門が大和に聞いた。
「最初は東洋の猿に捕獲されるなんて……と呟いてましたが、敷島長官が酒飲みに参加したらあっという間に打ち解けました」
ハハハと大和が笑う。
「そういや敷島はイギリスで建造されていたからな」
三笠は呟く。
「………ところでエンタープライズはどうだ?」
長門の言葉に大和は視線をずらした。
「………やはり無理なんやな」
「はぁ、エンタープライズさんは人種差別が激しくて会いに行っても門前払いされたりします。他のチェスターさんとかは気楽に話してはくれていますけど………」
「そういや、捕獲された時も伊勢や日向に暴言吐いてたからな。猿の女のくせにとか」
「そのせいで、駆逐艦二隻の艦魂が調子を悪くして機関トラブルになったりしたからな」
長門は溜め息を吐いた。
「………三笠。お前、エンタープライズと少し話してきてくれないか?」
「………長門は俺に死ねと言うんか?」
「大丈夫だ。骨は拾ってやるからな」
「死亡フラグ確定なんかいッ!!」
「………フフ」
長門と三笠が漫才ぽいのをしていると、不意に大和が笑った。
「どうした大和?」
「いえ、何だか長門さんと姫神少佐はよく似合うなと思って……」
「「なッ!?」」
大和の言葉に二人は顔を赤くした。
「………大和、流石に冗談はきついで」
「いえいえ、お似合いですよ」
「「……………」」
大和の言葉に二人は何とも言えない気持ちだった。
後に大和は、艦魂初の同人誌作家になるのはまだ先の事だった。
―――呉工廠―――
ハワイ沖海戦で捕獲された空母エンタープライズはドッグで修理を受けていた。
「………この部屋のようだな」
「そうみたいやな。んじゃ開けるで?」
「あぁ」
コンコン。
『………………』
中からは応答が無い。
コンコン。
『………………』
またしても応答が無い。
コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン。
「五月蝿いですわッ!!近所迷惑ですわよッ!!」
バァンとエンタープライズが出てきた。
「貴様が早く出ないからだろう」
「………パツキンでクルクルドリル……やと?」
三笠は何かに驚いていた。
「それでジャップが何の用ですの?」
「あぁ、そろそろ敷島長官に挨拶をしてもらわないとな」
「フン(`ヘ´)誰が行くもんですか」
「いや来いよ」
エンタープライズの反論に三笠がツッコミを入れる。
「猿のくせに黙りなさいッ!!」
「誰が猿じゃごらァッ!!!」
「ッ!?」
三笠がぶちギレた時、エンタープライズはビックリして目をぱちくりする。
「おめぇら猿や猿や言うけど、自分らはなんやねん?俺らと同じ猿から進化したんやろがッ!!調子に乗ってるとドタマかち割るでッ!!」
「は、はい………」
エンタープライズは急にしおらしくなる。
「(………俺は何かした?)」
「(………多分したぞ)」
「え、え〜とエンタープライズ?取りあえず、敷島のところに行こうか?」
「は、はい。行きますわ」
エンタープライズは急に態度が変わったようになり、三人は敷島へ転移した。
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