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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第二十話






「………もうちょいや」


 急降下をする零戦隊の中で、三笠はSBDドーントレスに狙いをつけた。


 史実を知る人間にとって、ドーントレスは色んな意味でトラウマである。


 特にミッドウェー海戦など。


「ッ!!」


ダダダダダダダダッ!!


 九八式射爆照準器にドーントレスが写ると、三笠は十二.七ミリ機銃弾をドーントレスに叩き込んだ。


「やったかッ!?」


 急降下を続けながら三笠は後ろを振り向く。


 機銃弾を叩き込んだドーントレスは、左翼付け根から火を噴きながらフラフラと落ちていた。


 その時、三笠は自分の身体が震えているのに気づいた。


「………始めて人を殺したな……」


 三笠はそう呟いた。


「………けど、これが戦争やねんな……」


 三笠は急降下を止めて上昇をする。


 デバステーターは対空砲火で充分片付けられる。


「行くで桃野ッ!!」


『了解だ少佐』


 三笠と桃野少尉の零戦二機はドーントレスに狙いをつけた。


「やってやる。悪く思わんといてなッ!!」


ダダダダダダダダッ!!


ズガアァァァーーンッ!!


 燃料タンクを貫かれたドーントレスが爆発四散した。


 そこへ燃料タンクを付けた第二次攻撃隊の零戦隊も次々と到着した。


「爆撃機を優先して撃墜やッ!!」


 三笠はそう叫んで、新たな獲物であるドーントレスに狙いを定める。


 ちゃんと後方を確認してから、ドーントレスに十二.七ミリ機銃弾を叩き込んだ。






 ハルゼーが放った攻撃隊は壊滅した。


 デバステーター隊は零戦隊に無視されるて第一航空艦隊に迫った。


 しかし、金剛型戦艦以下の艦艇からの対空砲火を浴びて、被弾したデバステーターは次々と海面に叩きつけられて十八機はあっという間に全滅した。


 ドーントレス隊は初撃で十機が落とされ、ドーントレス隊を集中的に追いかけたため生き残ったドーントレスは僅か五機のみである。


 零戦隊が追いかけてくるから必然的に爆弾を落として回避するしかなかった。


 ワイルドキャット隊は自機の防戦で一杯なためドーントレス隊などが援護出来なかった。


 帰還する時の残存は四機だった。


 出撃した六六機が僅か九機しか帰られなかったならハルゼーは大激怒するが、ハルゼー艦隊はまだ村田少佐率いる攻撃隊に攻撃されていた。






―――空母エンタープライズ―――


「………嘘ですわ嘘ですわ嘘ですわッ!!」


 防空指揮所でエンタープライズは叫んでいた。


 エンタープライズの目に映るのは炎上し、或いは沈んでいく駆逐艦、重巡があった。


「ジャップの攻撃にやられていくなんて………何かの間違いですわッ!!」


 エンタープライズはそう否定した。


 しかし、彼女が上空を見た瞬間、固まった。


 高橋少佐率いる艦爆隊が一斉に急降下爆撃を開始したのである。


ドンドンドンドンドンッ!!


ドドドドドドドドドドッ!!


 エンタープライズの対空砲火が急降下してくる九九式艦爆隊を襲うが、九九式艦爆隊はそれをものともせずに二百五十キロ爆弾をエンタープライズに投下した。


「イヤァァァァァァァァァァァァーーーッ!!」


 エンタープライズは落下してくる二百五十キロ爆弾を見て絶叫した。


 間違いなく着弾コースだった。


ズガアァァァァァーーンッ!!


ズガアァァァァァーーンッ!!


 エンタープライズに四発が命中した。


 エンタープライズのダメコン隊は必死に消火活動を開始するが、村田少佐の雷撃隊がエンタープライズに接近してきた。


「撃て撃て撃てッ!!」


 対空砲火で炎上した九七式艦攻が魚雷を投下して離脱する。


 しかし、生き残っている九七式艦攻は発射地点まで飛行をして魚雷を投下した。


 エンタープライズ艦長のマレー大佐は必死に回避運動をする。


 魚雷は何とか回避出来るかと思ったその時。


ダダダダダダダダッ!!


 一機の零戦が急降下をして、エンタープライズ艦橋を機銃掃射をした。


 この機銃掃射で、ハルゼーとマレー大佐が重傷の怪我をした。


 そのため、回避運動が一瞬遅れてしまう。


ズシュウゥゥゥゥゥーーンッ!!


ズシュウゥゥゥゥゥーーンッ!!


 エンタープライズは三発の魚雷が命中した。


 左舷艦尾に二発、右舷中央部に一発である。


 しかし、左舷艦尾に命中した魚雷は機関室に大量の海水を浸水させた。


 これが原因でエンタープライズは速度を八ノットにまで低下させた。


 攻撃隊が漸く去ると、負傷したハルゼー達を安全な艦に移そうと駆逐艦がエンタープライズに横付けされる。


 そしてハルゼー達が無事に駆逐艦へ乗り移ると、見張り員が叫んだ。


「後方から敵艦隊接近ッ!!」







御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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