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反逆の大東亜  作者: 零戦
142/143

特別編

ヒトラーのユダヤ人に対する飴と鞭とHALさんからのネタを元に作りました。







「ユダヤ人に飴と鞭を与える」


 ハワイからドイツに帰還したヒトラーの第一声がそれだった。


『……………』


 部下達はあまりの事に困惑していた。


 そもそもヒトラーはユダヤ人を憎んではいなかったのか?


「落ち着きたまえ、諸君の気持ちは分かる。しかし、如何なる国力を持つ国でも恐怖政治をすればやがては滅びる。それは歴史が証明している」


 ヒトラーは笑いを堪えるように言う。


「ユダヤ人は占領しているアフリカの開発に必要だ」


 ヒトラーの言葉に部下達も漸く頭が回り始めた。


「ではアフリカの開発にユダヤ人を投入するのですか?」


「そうだヒムラー」


 ドイツの警察の権力を持つヒムラーの言葉にヒトラーは頷いた。


「いくらユダヤ人でも使い道はある。そして飴を与える」


「飴とは何ですか?」


「……ユダヤ人に国を持たせる事だ」


『ッ!?』


 ヒトラーの言葉に部下達は驚いた。


「御待ちください総統。奴等に国を持たせれば奴等がドイツに復讐を仕掛けてきます」


 ヒムラーが反対をする。


「心配するなヒムラー。表向きはユダヤ人の国だ……しかし裏では我々が支配をするのだ」


 ヒトラーはそう言った。


「主導者はドイツに協力的な者にさせる。しかし、官省の重役は我々で選ばせる」


「……成る程」


 ヒトラーの考えにヒムラーが頷いた。


「ですが総統。ユダヤ人に何処の国を与えるのですか?」


「……それは此処だ」


 ヒトラーはアフリカに近いある場所を指差した。


「……エルサレム……ですか?」


「そうだ。此処はユダヤ人らの聖地だからな。此処を首都にしたユダヤ人の国を建国させる」


「ですが此処にはアラブ人が……」


 エルサレム周辺にはアラブ人が住んでいたのだ。


「そんな事は知らん。アラブ人を追い出せばいいだけの話だ」


 ヒトラーはアラブ人にとっては卑劣な提案をしたのである。


「……分かりました。幸いにもエルサレム周辺は我が軍が占領しておりますので退去は捗るでしょう」


 ヒムラーはヒトラーの命令に従った。


 そしてエルサレム周辺のアラブ人はいきなりの退去命令に反対したが、反対する者は全て銃殺されるか強制収容所に送られるのであった。


 一方、ユダヤ人はいきなりの解放に驚き、更に自分の国が出来る事に二重に驚いていた。


 しかし、アフリカでの強制開発に落胆しつつも自国が出来る事に喜びをぶちまけていたのであった。


 後にこれが原因でユダヤ人とアラブ人の争いが起きるのであった。





――1946年四月、海軍省――


「元アメリカ艦艇の返還ですか?」


「そうだ」


 三笠の言葉に宮様が頷いた。


「まだアメリカには打診していないが、外務省がアメリカとの関係を保ちたいために言ってきたのだ」


「はぁ……」


「君は艦魂が見えるのだろ? アメリカ艦艇の気持ちを聞いておきたいのだ」


 三笠が艦魂が見える事は極少数の人しか知らなかった。


「取りあえずは聞いてみます。それからでも構いませんか?」


「うむ、それでいい」


 宮様はそう頷いた。






――柱島泊地――


 此処に第二機動艦隊はいた。


 三個機動艦隊は第一機動艦隊は横須賀に、第二機動艦隊は呉、第三機動艦隊は佐世保に配属されていた。


「よぅエンター」


「あら三笠さん」


 三笠は空母蒼鶴エンタープライズに来ていた。


「珍しいですわね三笠さん。三笠さんが来るなんて……」


「まぁちょっと話があったからな」


「話……ですか?」


「あぁ、エンターの部屋で構わないか?」


「分かりました。なら転移しましょう」


 二人は転移をした。





「元アメリカ艦艇の返還……ですって?」


「あぁ、外務省がアメリカとの関係を保ちたいらしいからな」


「……お断りしますわ」


 エンターは拒否した。


「エンター?」


「確かに私は元アメリカ艦艇の空母エンタープライズですわ。ですが今の私は大日本帝国空母蒼鶴で今の故郷はこの日本ですわ。それを今更戻れとは……外務省の官僚は何を考えているんですのッ!!」


 エンターは怒りを露にしている。


「エ、エンター? 少し落ち着け、な?」


「これが落ち着いていられますかッ!! 私は三笠さんと永遠の愛を誓い合ったというのに……」


 そう、実は三笠は艦魂達とも結婚式をしていた。


 ただし、これは勿論非公式な事で集まったのは三笠達の嫁と霧島大佐、艦魂達だけであった。


 なお、霧島大佐と蒼龍、飛龍の関係は少しずつ進んでいるとの事だ。


「三笠さん。私は反対ですからね」


「……分かった。取りあえず他の皆も呼んでくれないか? 事情が事情やからな」


「えぇ分かりました」


 エンターは頷いて他の皆を呼ぶために転移をした。


 そして集まった元アメリカ艦魂達は本国への帰還を拒否した。


 理由は「日本の方が良いから」だった。


「……まさか全員拒否るとはな……」


 三笠は東京へ向かう一式陸攻に乗っている時、そう呟いた。


「ま、それだけ日本が好きなんやろな……」


 実は三笠の予想は外れてたりする。


 尤もな理由は……。


「大和さんの新刊が見られないなんて嫌ですよッ!!」


「そうよそうよッ!! どうせ向こうに帰っても嫌われるだけなんだし大和さんのを読んでいた方が遥かにマシだわ」


 ……大和の本は意外にも艦魂達に浸透していたりするのであった。


 そして三笠も宮様に艦艇達の話をして元アメリカ艦艇の返還は中止となった。


 外務省としては恥をかかされた感じではあるが、わざわざ艦艇を返還してまでアメリカとの関係は保つべきではないと閣議で決定された。


 そしてその日の閣議で、日本の海の安全を守る海上保安庁が設立が決定し、艦艇は退役した艦艇を整備して使用される事になったのであった。










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