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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百三十九話

まさかの対面ですよ。







――1945年一月一日、ハワイ諸島オアフ島――


 日米の交渉団を乗せた日米艦隊はオアフ島に停泊していた。


 日本では元旦であり、他の国は新年を祝うがこの日のオアフ島は違った。


「……それではこれでよろしいですな?」


「……構いません」


 ウォレス大統領の言葉に東條首相は頷いた。


 和平交渉は国の代表である大統領と首相が自らしていたのである。


 そして1200に和平条約は締結された。


 主な案は、日本はハワイ、アリューシャンといったアメリカ領から撤退。


 ただし米領だったフィリピンは独立国として承認。


 ハワイは非武装地域として日米の艦艇入港を制限する。(ただし合同訓練等は問題無し)


 ハワイは両国の警備隊が駐留して治安を維持する。


 日米貿易を復活させる。


 日本は東南アジアから撤退する。


 等々が条件となった。


 日本はこれを呑んだ。


 既に東南アジアやソロモン諸島は撤退準備に入っていたので東條から撤退命令が下れば直ぐに撤退出来るようになっていた。


 この条約はホノルル条約と呼ばれるようになった。


 ウォレス大統領と東條首相が仲良く手を取り合い、報道陣から写真を撮られる中、ホノルルのとあるホテルに三笠がいた。


「君があの電文を送った人物かね?」


「は、はい」


 三笠の目の前には何故かこの場にはいないはずのドイツ第三帝国総統のアドルフ・ヒトラーがいた。


 ヒトラーは日米が停戦するのは別に気にしてはいなかった。


 しかし彼はある人物と会いたかった。


 それが三笠であった。


 ヒトラーは以前に、ソ連を攻めるよう日本に要請したがこれは三笠が色々とつけて断った。


 それに興味を持ったヒトラーはこの電文を送った人物に会って話がしたいと呟いていた。


 それを日本に打診すると日本側は多少困っていたが生け贄を差し出すかのように三笠だと告げてこの場に……となった。


 勿論これは非公式な会見であり、ヒトラーも秘密裏にUボートでオアフ島に来ていたのだ。


「ほぅ、流石のヒメガミ中佐でも余には緊張するかね?」


「まぁ……一応はです」


「ハッハッハ、正直で良い」


 ヒトラーは笑う。


「それで……君は一体何者かね? ただの日本人ではないだろう?」


「ッ!?」


 ヒトラーがジロリと三笠を睨むと、三笠は身構える。


「我々の諜報員が調べたがその若さで日本軍の上層部とパイプを持っている。ただの中佐がだ」


「………(これは隠しきられへんかな? てかナチスパネェ)」


 三笠は内心冷や汗をかいた。


「君は一体何者だ?」


 ヒトラーは改めて聞いた。


「……今から話す事は内密です」


 三笠は意を決して口を開いた。






「という事です」


「………」


 ヒトラーはずっと三笠の目を見ていた。


「(やっぱ無理かなぁ……)」


 三笠はそう思っていた。


「……信じよう」


「へ?」


「貴様の話しを信じよう」


 まさかの言葉に三笠ほ唖然とした。


「貴様の目は真剣であった。だから貴様の話しは真実であると確信した」


「はぁ」


「やはり……ユダヤ人を虐殺するのは反対かね?」


「はぁ、自分の世界でのヒトラーは大量虐殺者とか言われてましたから……」


「ふむ……ならば飴と鞭を与えるか」


「へ?」


「流石に余もそんな称号はいらん。欲しいのは王でいい」


 ヒトラーはそう言った。


「……ヒメガミよ。これから世界は貴様がいた世界とは随分と異なるであろう」


 ヒトラーが席を立つ。


「貴様はどうしたいかね?」


「……自分がしたい事はただ一つ。この世界の日本をあのような日本にはしたくない事だ」


 三笠はヒトラーにそう言った。


「クックック、面白い奴よ。ならば実現してみる事だな。余はそれをドイツから見ていよう」


 ヒトラーはニヤリと笑い、部屋を出ようとする。


「おぉそうだ。ヒメガミ、写真を撮らないか? 今日の事を忘れないためにな」


「構いません」


 そして二人は写真を撮った。






 写真は二枚撮られた。


 一枚はカラーで撮られ、もう一枚は三笠の携帯で撮られた。


 後に三笠はこの時の事は回顧録にてこう書いていた。


「あの時会ったヒトラーはまるで俺に挑発をして自分とのライバルさせるように見えた」


 と書いていた。











御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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