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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百三十八話

今日は広島原爆投下の日です。


今年はトルーマンの孫が来たりと何かとある年ですね。







――1944年十月二十日、横須賀基地――


 あれから二ヶ月半近くが経った。


 この日、ドイツから大量のウランやジェットエンジン、原爆開発の技術者達を乗せたUボート八隻が横須賀基地に入港した。


「……歴史は変わりつつあるな」


「歴史は俺がこの世界に来た時点で変わっていますよ霧島少佐」


 霧島少佐が呟いたのを三笠は苦笑して言い直す。


「それもそうか。だが俺はこんな結果にはなったが嬉しいと思うぞ」


「え?」


「姫神が来てくれたおかげで日本は焦土化せずに済むし、八重達が死なずに済むからな」


「……それもそうですね」


 三笠は苦笑する。


 そしてUボートから次々とウランが入った箱が基地内に運び込まれていく。


 その周りでは横須賀陸戦隊が警備をしている。


 またジェットエンジンも運び込まれて、技術者達も警備の元上陸していく。


「わざわざ日本までありがとうございました」


「いやいや、ドイツと日本のためです。任務が成功した事を誇りに思います」


 豊田長官とUボート艦隊の司令官が握手をしていた。


「整備が完了するまでですがお世話になります」


「いやいや」


 Uボート艦隊は五日間横須賀基地に滞在して、食糧と重油を提供してもらいキール軍港に帰還するため横須賀基地を出港したのであった。





――横須賀航空基地――


「どうかね橘花は?」


 豊田長官は空技廠から派遣された技術少佐に聞いた。


「いやぁドイツのジェットエンジンは素晴らしいです。ネ20を搭載した橘花は遅かったですからね」


 ドイツから提供されたジェットエンジンはJumo4Bである。


 橘花は史実ではMe262ジェット戦闘機より非力だったためこの世界の橘花はMe262戦闘機をライセンス生産をしていたのだ。


 ただ、ネ20ジェットエンジンが非力なために改めてジェットエンジンを提供させてもらったのが経緯である。


「速度も六百五十キロから一気に八百二十まで上がりました」


「日本各地に配備されれば迎撃もやりやすくなるな」


「開戦日までに二個中隊は配備出来ます。震電改はネ20を搭載して九州、関西の防空隊に配備されています」


 震電改はネ20を搭載して最大速度八百三十キロをマークしていた。


 震電改の配備により、鍾馗や飛燕、雷電等の局地戦闘機は部隊も縮小されるかタイやインドネシア等に輸出されている。


 それでも万が一があるために全機退役はしていない。


「……日本の空の守りは完璧だな。後は艦戦か……」


 空母に載せるジェット戦闘機はまだ開発中であった。


 一応の候補は橘花の艦載機化である。


 それと計画段階ではF-4EJ改を生産する手もあった。


 これは勿論三笠が提案したものである。


「取りあえずはアメリカに一歩前進しているから良しとしよう」


 豊田長官はそう頷いたのであった。





 日本はドイツからの大量のウラン提供を受けて核開発を急がせていた。


 そして十二月一日、水面下で和平に動いていたアメリカが遂に公式に日本に対して和平交渉を声明発表したのであった。


「……遂にアメリカが動いた」


 東條は集まった会合の中で呟いた。


「ウォレスの狙いが分からんな……」


 宮様が呟く。


「……恐らくですが、ドイツの核開発の危機感を抱いたのかと思います」


 三笠が口を開いた。


「それはどういう事かね?」


「ドイツはV2号を保有しています。それに核を搭載すると思っているのではないですか?」


「……大陸間弾道ミサイルというやつか?」


「多分です。まぁV2号は射程が短いので危機感はイギリスです。恐らくアメリカはV2号に改良型があってUボートから発射されると思っているのではないですか? そのために後ろの敵と和平しておきたい……という事ではないですか?」


「……一理あるな」


 豊田長官が頷く。


「だがこれは日米和平になるチャンスかもしれない。交渉する価値はあるはずだ」


 山本次官は身を乗り出して言う。


 全員が東條を見た。


「……よし、やってみよう」


 東條は頷いた。


 そして日本はアメリカとの和平交渉に入ったのであった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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