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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百三十三話

今回は二本更新。






「ぐおぉぉぉッ!!」


 命中の衝撃でミッチャー司令官が床に転倒した。


「左舷から敵雷撃機接近ッ!!」


「……く」


 見張り員の叫びにミッチャーはヨロヨロと立ち上がる。


 左舷から魚雷を腹に抱えた天山七機が迫っていたのだ。


「撃て撃てッ!! ジャップを近づけさせるなッ!!」


 ミッチャー司令官が叫ぶ。


 ハンコックの対空砲火がそれに答えるように二機の天山を海面に叩きつけた。


 だが残りの五機はそれに構うことなくハンコックの左舷に突入していく。


 そしてハンコックとの距離が約七百の時に五機の天山は一斉に魚雷を投下して離脱をした。


「面舵一杯ッ!!」


 ハンコックは魚雷を回避しようと右に舵を切る。


 二本は外れたが三本は外れる事はなかった。


 ハンコックの左舷に三本の水柱が立ち上った。


「隔壁閉鎖しろォッ!!」


「ま、待ってくれェッ!!」


 手動で鉄扉が閉められて、逃げ遅れた乗組員はそのまま侵入してきた海水に飲み込まれていく。


「反対舷に注水ッ!!」


 左に傾斜していく艦体に注水作業が行われる。


「バルブを回せッ!!」


 ダメコン隊が炎上する格納庫に放水していく。


「て、敵機だァッ!!」


 作業が順調に行っている時、二機の彗星が急降下をしていた。


「対空砲ッ!!」


 対空砲が慌てて仰角をするが間に合わず、二発の五百キロ爆弾がハンコックに命中した。


 しかも一発はハンコックのエレベーターに命中してエレベーターを破壊した。


「ミッチャー司令官ッ!! ……残念ですが、ハンコックは戦闘不能です」


「……そのようだな」


 ミッチャー司令官は外を見ていた。


 既にハンコック以外のエセックス級空母もやられていた。


 波間に消えようとする三隻、大破して戦闘不能なのが二隻だった。(ハンコックも入れて)


「奴等の逆襲は凄まじい物だな……」


 サンディエゴ基地に向かう中、ミッチャー司令官はそう呟いたのであった。






 一方、金門橋を目標にしていた第一艦隊は既に艦砲射撃を開始していた。


「第五斉射ッ!!撃ェッ!!」


 大和以下戦艦群の主砲が火を噴く。


 その主砲弾は金門橋に命中して金門橋は破壊されていく。


「目視で確認出来る橋は全て破壊しろ。ただし住民がいるかいないかを確認してから砲撃をせよ」


 大和の艦橋で宇垣中将はそう指示を出す。


「……ふむ、張り合いが無いな。ただの橋を艦砲射撃で破壊するなど、砲弾の無駄遣いではないか?」


 長門の防空指揮所にいた長門は双眼鏡で破壊されていく金門橋を見ながらそう呟いた。


「だが金門橋は奴等の象徴とも言えるらしいからな。破壊すれば士気は下がるだろう。上手く行けば和平にも繋がるかもな」


 長門はそう呟く。


「ま、今は徹底的に破壊するか。徹底的にな」


 長門はニヤリと悪人面で笑った。


 そして第一艦隊は金門橋とその付近にあった橋を艦砲射撃で徹底的に破壊してオアフ島に帰還するのであった。






――第一機動艦隊旗艦大鳳――


「三空母の乗組員は収容したか?」


「は、駆逐艦や軽巡がしました」


 小沢長官の言葉に草鹿参謀長はそう答える。


「……敵空母三隻を撃沈、二隻大破か。取りあえずは三空母の敵討ちをしたな」


「はい。念のためとして二回程確認の電文を打ちましたが、回答は全て同じです」


「……ならばいい」


 小沢長官はそう頷いた。


「……それでは第二作戦に入ろうか。参謀長、彩雲の準備を急がせろ」


「は、彩雲は十二機用意してあります」


「……いや十六機にしておけ。万が一に備えてな」


「分かりました。そのように手配しておきます」


 草鹿参謀長はそう頷いた。


 そして第一機動艦隊から彩雲十六機が発艦した。






「そろそろ米本土だ。全員気を引き締めろよ」


 数時間が経過して三六機の富嶽隊は米本土付近まで来ていた。なお、隊長を務めるのは野中少佐である。


『合点でぇいッ!!』


 野中少佐の言葉に搭乗員達は芝居かかったように言う。


「さて……『此方彩雲隊ッ!! 富嶽隊応答せよッ!!』あん?」


 無線機に彩雲隊からの通信が来た。


 無線も技術が向上しているため、口頭で言えるようになっている。


「此方富嶽隊だ。彩雲隊どうした?」


『ロスアラモスに侵入したが奴等に待ち伏せをされていたッ!! 作戦がバレているッ!!』


「な、何だとォッ!!」


 野中少佐は彩雲隊の言葉に愕然とした。


「……聯合艦隊司令部に打電だァッ!!」











御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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