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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百三十二話






――オアフ島、パールハーバー基地――


「豊田長官ッ!!」


「何事だ?騒々しいぞ」


 聯合艦隊旗艦敷島はパールハーバー基地に停泊していた。


「……これを見て下さい。第一機動艦隊からの電文です」


「…………」


 豊田長官は通信参謀から無言で通信紙を受けとる。


 先程の通信参謀は意気揚々とシアトル爆撃の成功を知らせに来ていた。


 しかし今は、悔しい表情をしていたのだ。


「……なッ!?」


 通信紙を一目した豊田長官は内容を見て固まった。


 そして豊田長官の手から通信紙が床に落ちた。


『空母加賀、祥鳳、瑞鳳沈没ス』


 通信紙にはそう書かれていた。


「……これは本当かね?」


 豊田長官は床に落ちた通信紙を拾いながら通信参謀に聞いた。


「……事実であります。私も何回も確認の電文を送りました……しかし三空母は沈没したそうです」


「……そうか、いや御苦労だった」


 豊田長官は通信参謀にそう労って通信参謀は退出した。


「……まさか歴戦の加賀がやられようとは……」


 豊田長官も被害は確実にあると予想していた。


 しかしまさか歴戦の加賀が沈むなど思ってなかったのだ。


「……これが歴史の修正力だと言うのか……」


 豊田長官はそう呟いた。






――第二機動艦隊旗艦翔鶴――


「加賀、祥鳳、瑞鳳の三空母が沈んだと?」


「は、第一機動艦隊からの電文です」


 山口多聞はまさかの出来事に暫し呆然としていた。


「………(加賀さん……)」


 その近くで、三笠は目を閉じていた。


「(必ず……必ず仇は取ります)」


 三笠は心の中でそう誓った。


「山口長官。加賀達の敵討ちをするべきではないですか?」


 奥宮航空参謀はそう山口長官に詰め寄った。


「待て。今はサンディエゴ爆撃に向かった攻撃隊を収容中なのだぞ? これがサンフランシスコ爆撃前に届けば攻撃隊は躊躇なく向かわせるが今は無理だ」


 山口長官のは尤もな事だった。


 第二機動艦隊はサンディエゴ爆撃に向かった攻撃隊を収容中であり、またサンフランシスコ爆撃に向かった攻撃隊もサンフランシスコの攻撃を終了して帰還する最中であった。


「……分かりました」


 奥宮航空参謀は少し頭に血が昇っていたのか直ぐに状況に気付いて山口長官に謝る。


「なに、敵機動部隊の攻撃には第一機動艦隊が放った攻撃隊がいるのだ。彼等は存分に暴れるさ」


 山口長官は奥宮航空参謀にそう言った。






「見つけたぞ米機動部隊ッ!!」


 第一機動艦隊が襲われる前に発艦した攻撃隊は彩雲の誘導電波によりミッチャー機動部隊に到着したのである。


「沈められた三空母の弔い合戦だッ!! 全機突撃準備に入れッ!!」


「総隊長ッ!! 三時と九時の方向から敵戦闘機接近ッ!!」


 偵察員が総隊長の垂井少佐に言う。


「戦闘機隊は空戦に入れッ!!」


『了解。全機、敵機を攻撃隊に近づけさせるなよッ!!』


 制空隊隊長の菅野大尉が叫ぶ。


 そして戦闘機隊はヘルキャットと空戦に入った。


『此方彩雲隊。欺瞞紙投下完了した』


「よし、ト連送だッ!!」


 垂井少佐はそう叫ぶと操縦桿を倒して急降下爆撃に入った。





「くそッ!! ジャップめ、VT信管の弱点を突いたかッ!!」


 ミッチャー司令官は罵倒する。


 自艦隊の対空砲火はてんで役に立たない。


「(ジャップのカガ達を沈めたのはよかったがこれでは……)」


「て、敵機急降下ァッ!!」


 ミッチャーが心の中でそう思った時、垂井少佐の彗星がミッチャーが座乗するハンコックに向かって急降下爆撃を敢行しようとしていた。


「死んだ仲間達の仇だッ!!」


 垂井少佐は五百キロ爆弾を投下した。


 爆弾アームから切り離された五百キロ爆弾は、そのままハンコックの飛行甲板を貫通。


 格納庫でその力を解放した。


「命中ッ!!」


 ハンコックに垂井少佐が放った五百キロ爆弾が命中した。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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