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反逆の大東亜  作者: 零戦
132/143

第百三十一話

すいません、新米士官さんのコメントを間違って削除してしまいましたm(__)m


最終話のストック出来た……。自分の誕生日の八月八日に終わる予定です。







 第一機動艦隊は今、敵機動部隊からの猛烈な攻撃を受けていた。


「左舷にアベンジャー雷撃機ッ!!」


「一番砲迎撃ッ!!」


 秋月型駆逐艦照月の十センチ高角砲の一番砲が左舷に向いて、接近してくるアベンジャー雷撃機二機に砲弾を発射した。


 一機のアベンジャー雷撃機が直撃により爆発四散するが、残りの一機は照月をすり抜けた。


「行かせるかァッ!!」


 照月右舷の二十五ミリ三連装対空機銃の機銃手が弾丸を放つ。


 予め侵入路を予測していたため、アベンジャー雷撃機が回避する前に弾丸が右翼を貫通した。


 アベンジャー雷撃機は右翼から白い煙を吹き出して逃げてしようとするが、駆逐艦五月雨の四十ミリ機銃の攻撃を受けて海面に叩きつけた。


「……皆、よく頑張ってくれている」


「日頃の訓練のおかげと弾幕射撃のおかげでしょう」


 大鳳艦橋で小沢長官と草鹿参謀長が話していた。


 大鳳艦長の菊地大佐は防空指揮所で指揮をしていた。


「敵も死に物狂いです」


「我々は彼等の庭を荒らしているのだ。当たり前のことだろう」


 小沢長官はそう言う。


 小沢長官の視界には海面に向かって落ちていくヘルダイバーがいた。


「全空母に急降下爆撃の警戒を怠るなと伝えろ。落ちていくヘルダイバーの数が少ない。まだ雲の中にいて隙を伺っているはずだ」


 この時、第一機動艦隊上空には分厚い雲があった。


「はい。迎撃隊も奮戦していますが全てを迎撃するのは難しいですな」


「加賀上空に敵急降下爆撃機ッ!!」


『ッ!?』


 その時、見張り員が叫んだ。







「敵ィィィ急降下ァァァ直上ォォォーーーッ!!」


 加賀の見張り員が叫ぶ。


「取舵二十ッ!!」


 加賀艦長が回避命令を出す。


 しかし、急降下してくる先頭のヘルダイバーは既に爆弾アームを伸ばしていた。


「……これは当たるわね」


 防空指揮所にいた加賀はそう呟いた。


 彼女の右頬に汗がツウっと流れた。


 そして先頭のヘルダイバーは爆弾を投下した。


「総員退避ィィィッ!!」


 爆弾の落下位置を考えて加賀艦長は退避命令を出した。


 爆弾が落ちる場所は艦橋だったからである。


ズガアァァァァァーーンッ!!


 ヘルダイバーの四百五十キロ爆弾は艦橋に命中した。


 退避は間に合わず、艦長以下艦橋にいた者は全員が戦死した。


「加賀被弾ッ!! 艦橋に命中しましたッ!!」


「……………」


 見張り員からの報告に小沢長官は無言で右拳を握り締めた。


 しかし、第一機動艦隊の悲劇は此処からである。


「祥鳳、瑞鳳上空にも敵急降下爆撃機ッ!! あぁ赤城上空にもいますッ!!」


 祥鳳と瑞鳳には四機ずつ、赤城には六機のヘルダイバーが襲い掛かったのである。


『総員衝撃に備えろォッ!!』


 回避が不能と判断した三艦長はそれしか言えなかった。


 そして三艦に爆弾が命中した。


「消火急げェッ!!」


「一式放水器のバルブを回せッ!!」


「衛生兵ェーーーッ!!」


 三艦が燃えていた。


 祥鳳と瑞鳳は二発ずつ、赤城には三発が命中した。


「アベンジャー雷撃機接近ッ!!」


 護衛艦艇の対空砲火を掻い潜ったアベンジャー雷撃機二十二機が炎上する四空母に殺到した。


『回避ィィィーーーッ!!』


 舵が生きている祥鳳、瑞鳳、赤城の三空母は回避するが、艦橋を破壊されて航行不能の加賀の左舷に六発の水柱が立ち上った。


 更に祥鳳と瑞鳳に片舷に三発と四発の水柱が立ち上った。


 赤城にも三発が立ち上った。


 元が巡洋戦艦である赤城は反対舷に注水して沈没の危機は免れた。


 しかし、元が給油艦である祥鳳と瑞鳳は耐えられる事は出来なかった。


 三空母は瞬く間に大傾斜していく。


『総員上甲板ッ!! 繰り返す総員上甲板ッ!!』


「……皆……日本を……日本を頼む……わよ」


 飛行甲板に叩きつけられた加賀は薄れゆく意識の中、大鳳を見つめながらそう呟いた。


「加賀ァッ!!」


 炎上している赤城で包帯を巻いた赤城は叫ぶ。


 1137。


 連合艦隊を支え続けてきた航空母艦『加賀』は加賀艦長以下、多数の将兵の遺骸を積んだまま、故郷日本から遠く離れたサンディエゴ沖合いにてその巨体を沈めた。


 そして加賀を追うように祥鳳と瑞鳳も小規模の爆発をしながら波間に消えていった。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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