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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百二十八話






「やりましたッ!! エセックス級空母から水柱が上がっていますッ!! 命中ですッ!!」


 エセックス級空母を見ていた天山の機銃手が叫んだ。


「……よし」


 天山のパイロットが傾斜していくエセックス級空母を見て頷いた。


 しかし、彼等は直ぐに散った。


グワアァァンッ!!


 駆逐艦の対空砲火が上昇していく天山を撃ち砕いたのだ。


「四番機直撃ッ!!」


「……………」


 機銃手からの報告に田中少佐は後部を振り返り、落ちていく天山に無言の敬礼をした。


「さぁ任務は終わった。帰還しよう」


 田中少佐は天山雷撃隊を纏めて、攻撃を終了した機と共に帰還した。


 また、他の彗星や爆装天山は滑走路やドック、クレーンや在泊していたタンカーや輸送船を叩いており、サンディエゴ基地は猛火に包まれていた。


「……まだだ。まだミッチャーの機動部隊がいるッ!!」


 炎上していたサンディエゴ基地を見ながら防空壕から出てきたニミッツ長官はそう叫んだ。


 難を逃れていたミッチャー機動部隊は小沢第一機動艦隊を捜索して小沢第一機動艦隊を発見していた。






――ミッチャー機動部隊旗艦ハンコック――


「ミッチャー司令官ッ!! オザワの機動艦隊を発見しましたッ!!」


「……見つけたか」


 通信兵からの報告にミッチャー中将はそう呟く。


「……全機発艦せよッ!! オザワの機動艦隊を冷たい海の底に沈めろッ!!」


 生き残っていた五隻のエセックス級空母の飛行甲板に整列をしていたヘルキャット戦闘機、ヘルダイバー艦上爆撃機、アベンジャー雷撃機はプロペロを勢いよく回し始めた。


 そして戦闘機であるヘルキャットから発艦を開始した。


「頼むぞボーイ達。これ以上ジャップを鼻高々にさせてはならん。七つの海は我々アメリカが支配するのだ」


 発艦していく攻撃隊を見ながらミッチャーはそう呟いたのであった。


 そしてその発艦を見ている者がいた。


「レーダーに反応ッ!! ジャップの高速偵察機ですッ!!」


 第一機動艦隊所属の彩雲が雲に隠れて接近していたのだ。


「叩き落とせェッ!!」


 九機のヘルキャットが彩雲の撃墜に向かう。


 しかし、彩雲はその高速を活かして追撃をかわして大胆にもミッチャー機動部隊上空に侵入して機動部隊発見の電文を放った。


 おまけ付きでだ。






――第一機動艦隊旗艦大鳳――


「小沢長官。索敵の飛龍所属の彩雲が敵機動部隊を発見しました」


 草鹿参謀長が小沢長官に電文を渡す。


「……飛龍の偵察隊は中々面白いな」


 小沢長官は苦笑した。


 電文の最後に『我ニ追イツクグラマン無シ』とあったからだ。


「航空参謀、攻撃隊の発見を開始せよッ!! 主攻撃目標は空母だッ!!」


「ハッ!!」


 小沢長官の言葉に内藤航空参謀は敬礼で答えた。


 空母大鳳以下の飛行甲板に予め用意されて整列した烈風、彗星、天山はプロペロを回し始めた。


『帽振れェッ!!』


 スピーカーから流れる惜別の合図に手が開いた乗組員は攻撃隊を見送ろうと自分の帽子を懸命に振る。


 攻撃隊はそれに見送られながら発艦していく。


 攻撃隊は烈風五四機、陣風十八機、彗星七二機、天山七二機となっている。


「……航空参謀、全空母に連絡。補用の烈風と陣風を組み立てて発艦が出来るようにしておくのだ」


「分かりましたッ!!」


 内藤航空参謀が敬礼をした。


「……数が多いと?」


 草鹿参謀長が小声で訪ねた。


「此処は彼等の庭だ。戦力は出し惜しみせずに全力で来るはずだ」


 小沢長官の読みは当たっていた。


 ミッチャー中将はほぼ全力のヘルキャット九六機、ヘルダイバー百二十機、アベンジャー百二十機を攻撃隊として出していたのだ。


「だが我々も負けてはおらんよ」


 小沢長官はニヤリと笑った。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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