第百二十五話
久々にマジンカイザーを見たけど、ガミアQにドストライクやった……。
三笠「バカだこいつ……」
日本軍は新たな作戦のために奔走していた。
ヒッカム飛行場の拡張工事は予定の一日前に何とか終了して富嶽隊の配備を一日早くさせたのである。
富嶽隊の配備を急がせても、富嶽に搭載する爆弾をどれにするか悩んでいた。
小型の六十キロ爆弾だと大量に搭載出来るが、研究所を完全に破壊出来るか疑問になっている。
八百キロ爆弾だと破壊力は十分だが、富嶽に搭載出来る数は少なくなるので必中を期すことが出来ないかもしれない。
そこが悩みの種であった。
この話し合いは約十日間もかかり、結果的に五百キロ爆弾を使用する事が決定された。
搭載する五百キロ爆弾は十八発となり、富嶽の爆撃手も陸海からベテランの爆撃手が選ばれる事になり、爆撃手もハワイに到着次第富嶽に乗り込んで訓練をしていた。
富嶽の整備も陸海からベテランを寄せ集めて整備させていた。
今回の作戦に関しては陸軍も全面的に支援をしていた。
富嶽隊のために高オクタン価の航空ガソリンをハワイに移送したりしている。
それほどまでに、富嶽に期待していたのだ。
「アメリカがB-29を出してきたら勝ち目は無い。向こうは大量生産で此方は手作りだ」
山本次官はそう発言していた。
そして二ヶ月後の八月一日。
準備は全て整ったのである。
――空母翔鶴――
「……準備は完了した……か」
部下からの報告に山口長官は呟いた。
「1800に第一機動艦隊から順次出撃する予定です。機関も温めています」
古村参謀長が言う。
「うむ。この作戦は何としてでも成功させねばならんな」
山口長官はそう言った。
出撃する艦隊は第一機動艦隊、第二機動艦隊、第三機動艦隊、そして戦艦部隊である。
戦艦部隊は、修理中の扶桑を除き代わりに第三機動艦隊から豊後を編入していた。
戦艦部隊は金門橋を艦砲射撃で破壊するためだ。
航空攻撃より艦砲射撃で破壊した方がアメリカ国民の精神的ダメージを与えられると判断したのだ。
第一機動艦隊はサンディエゴを、第二機動艦隊は戦艦部隊の上空援護をしつつ同じくサンディエゴを攻撃する。
第三機動艦隊はシアトルを爆撃する。
第三機動艦隊には就役したばかりの雲龍型の阿蘇を加え、第一、第二機動艦隊は同じく雲龍型の笠置と生駒が配備された。
「パイロットはヒヨコだが、海鷲に鍛えられたヒヨコだ。十分に役に立つだろう」
「はい。そうでしょう」
山口長官の言葉に奥宮航空参謀が頷いた。
それから1800。
「第一機動艦隊が出撃しますッ!!」
「……………」
見張り員の言葉に山口長官は無言で第一機動艦隊旗艦大鳳に敬礼をした。
そして大鳳の艦橋でも小沢長官が翔鶴に敬礼をしていた。
『今回の作戦はアメリカ本土に非常に近い。死ぬかもしれない』
小沢長官と山口長官は昨夜、会って飲んでいた時にふと呟いたのだ。
山口長官は何も言わなかったが、小沢長官は呟いた。
『もし、俺が死んだら日本を頼む』
『……はい』
小沢長官の言葉に山口長官は力強く頷いたのであった。
「「……………」」
二人は互いに敬礼しあった。
そして第一機動艦隊がパールハーバーから出撃すると続いて第二機動艦隊が出撃をした。
第二機動艦隊が出撃すると宇垣司令官の戦艦部隊が続き、最後に第三機動艦隊が出撃した。
第三機動艦隊の攻撃場所は予定地点に進むまで大西長官ら参謀達以外は伏せられていた。
「山口長官、ハワイから電文です」
通信兵が艦橋に入ってきた。
「電文だと?」
山口長官は通信兵から通販紙を受け取り、一読した。
「『全艦隊ノ武運ヲ祈ル』か」
草鹿中将が送ってきたのだ。
「絶対に成功させましょう」
「……その通りだな」
三笠の言葉に山口長官は頷いた。
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