第百二十三話
三笠「何で遅れた?」
詳しくは活動報告で。
まぁゲームしてたので。
――六月一日、オアフ島――
この日、パナマ運河攻撃を終えた山口中将の第二機動艦隊がオアフ島のパールハーバー基地へ入港した。
パールハーバー基地はハワイ攻略作戦時に第二機動艦隊に叩かれていたが、米軍が放棄した土木工作機械と上陸船団が持ってきた土木工作機械を使って修繕中だった。
報告によれば、後二ヶ月くらいで修繕は完了するとの事だ。
また、パールハーバー基地には第一、第三機動艦隊も駐留していた。
本来、第一機動艦隊は空母が損傷しているので内地に引き上げるべきだが、工作艦明石とその二番艦の三原と就役したばかりの桃取が護衛の駆逐艦と共にパールハーバー基地へ入港していたおかげで第一機動艦隊の損傷空母は修理が出来たのだ。(本来はアイオワを修理するためだが……)
ハワイ諸島は全ては攻略していなかった。
マウイ島やカウアイ島等は占領していたが、ハワイ島やオアフ島は米軍のゲリラ戦により完全占領はまだだったのだ。
なお、オアフ島は北部の方であり、耐えず銃撃音等が聞こえてくるがパールハーバー基地に飛んでくる事はなかった。
――ハワイ方面司令部――
ハワイ方面司令部は旧太平洋艦隊司令部があったところに拠点を構えていた。
「やぁ山口中将、それに姫神中佐。パナマ運河破壊作戦は見事だった」
山口中将と三笠が長官室に入ると豊田長官がいた。
「と、豊田長官? いつ此処へ?」
「昨日、到着したばかりだ。二式大艇でミッドウェーを経由してな」
山口中将と三笠は驚きながらも長官室に入った。
中には小沢、大西、宇垣等の司令長官もいた。
「海軍のハワイ方面司令長官は草鹿仁一にやらしている。陸軍の方は今村中将だ」
確かに草鹿と今村の姿もあった。
「パナマは確かに破壊したが……アメリカが和平交渉に応じる事は無かった」
日本政府はパナマ運河を破壊した時点でアメリカに和平交渉を持ち掛けた。
しかし、アメリカは和平交渉をするどころか一方的な和平案を出してそれ以外は認められないと突っ放したのだ。
「……ハワイ諸島及び占領地域の全て撤退は飲もう。しかし、陸海軍の解体及び陸海軍の兵器全て移譲は到底受け入れられんッ!!」
和平案の紙を見た東條は激怒した。
占領地域の国々は独立して日本からの武器供給を受けていたのでオランダやイギリスの植民地支配から十分に抜け出せられるほどであり、万が一再び植民地支配があれば独立戦争をして日本との同盟する準備もあった。
しかし、その日本を守るための武器を奪われては何も出来ない。
戦争犯罪人として自分が処刑されるなら喜んで処刑されよう、それが日本が平和になるのであれば。
だが、日本を破滅させようと言うならその和平案は此方も突っぱねる。
それが東條や陸海軍人の考えだった。
「豊田長官、富嶽隊の配備はどうなっていますか?」
三笠が豊田長官に訊ねた。
「今のところ、ヒッカム飛行場を拡張する工事が行われている。作業が終了するのは六月二十日程であるから富嶽がハワイに来るのはそれからだろう」
豊田長官は資料を見ながらそう三笠に言った。
「……何か疑問でもあるのか?」
豊田長官は三笠に聞いた。
「……出来るだけ富嶽隊のハワイ配備は早めの方がいいかと思います」
「どういう事だ?」
宇垣中将が三笠に聞いた。
「……豊田長官、次期攻撃作戦を立案していたのですが、具申しても宜しいですか?」
三笠は豊田長官に訊ねた。
「……構わん。言いたいたまえ」
「次期攻撃作戦の場所はアメリカ本土の四ヶ所です」
三笠はアメリカ本土の地図に四ヶ所の丸印を付けた。
「こ、これは……」
その四ヶ所を見た豊田長官達は驚いた。
「……姫神中佐、本気かね?」
「本気でなければこんな作戦は立案しませんよ」
豊田長官の言葉に三笠は苦笑した。
「アメリカのチートぶりは史実で証明されています。この作戦はアメリカ国民とアメリカ政府に和平を導くためです」
三笠は豊田長官にそう言った。
「それでは何故この四ヶ所なのかを説明しましょう」
三笠はまず一つ目の場所を指差した。
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