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反逆の大東亜  作者: 零戦
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第百十九話






――四月三十日柱島泊地、聯合艦隊旗艦敷島――


「豊田長官ッ!! 第二機動艦隊から電文が届いていますッ!!」


 通信兵が長官室に入る。


「うむ」


「失礼します」


 通信兵は豊田長官に通信紙を渡すと、一礼をして長官室を退出した。


「……山口からか。一体何だろうか?」


 豊田長官はそう呟きつつも通信紙を読み始めた。


「……な、何ッ!?」


 通信紙を読んだ豊田長官は思わず叫んだ。


「……急いで寺岡を呼ばねば……」


 豊田長官は急いで参謀長達を集まらせた。





――作戦室――


「皆、この作戦をどう思うかね?」


「こ、これは……」


「何と言う大胆な……」


 通信紙を読んだ参謀達がざわめき出す。


「長官、これは是非やるべきでありもすッ!! 此処を破壊すれば米大西洋艦隊はホーン岬から来なければなりもす。それならばやるだけの価値はありもす」


 首席参謀の神大佐が賛成を示した。


「私も基本的には賛成だ。しかし、米軍も此処の守備は厳重なはずだ。安易な気持ちで行けば史実のミッドウェーになるかもしれんぞ」


 寺岡参謀長は賛成としつつ慎重な意見を出す。


 参謀達も賛成と反対が半々であった。


「……豊田長官、海軍省にいる山本さんは何と言ってるでありもすか?」


 不意に神大佐が豊田長官に訪ねた。


 豊田長官は最初に言ってから何も言ってはいなかった。


「……山本さんはやってみる価値はあると言っておる」


『……………』


 参謀達は豊田長官に黙る。


「軍令部は何と?」


 寺岡参謀長が訪ねた。


「……我々GF司令部の判断に任せるとの事だ。向こうもこれは考えてなかったみたいだ」


 豊田長官はそう言って席を立つ。


「……諸君、これはやってみるべきだ。此処を破壊すれば少なくとも米軍は西海岸への支援は大陸からとなる」


 豊田長官は世界地図のある場所を見た。


「……破壊しよう『パナマ運河』をッ!!」


 豊田長官の言葉に参謀達は頷いた。






――第二機動艦隊旗艦翔鶴――


「姫神、作戦は承認されたぞ」


「ほ、本当ですか?」


 山口長官の言葉に三笠は若干驚いた。


「ハハハ、姫神でも驚く事はあるのか」


 古村参謀長が笑う。


「そりゃあ自分も人間ですからね」


 三笠は世界地図でパナマ運河を見た。


「パナマ運河を破壊すれば米大西洋艦隊はホーン岬からでの航路でしか太平洋には来れません。早めに攻撃をしなければなりません」


「うむ、出撃は1800だ。空母は応援として第一機動艦隊から飛龍と銀鶴が配備される」


「有り難い事ですね」


「あぁ、高速タンカーも十六隻が臨時に配備される」


 本来なら、この高速タンカーは第一、第三機動艦隊の腹を満たす油を搭載していたが、急遽パナマ運河攻撃作戦が決定されたので第二機動艦隊に回されたのだ。


 このままだと第一、第三機動艦隊の艦艇は腹を空かした状態になるが、幸いにも真珠湾の燃料タンク群は無事であった。


 これはどうせ占領するんだから無傷で手に入れて使わせてもらおうと、わざと第二機動艦隊の攻撃目標から外れていたのだ。


 その後の空襲も燃料タンクだけは被害を免れており、第一、第三機動艦隊の首は何とか残ってるのだ。


 それにオアフ島の戦場も市街地から山林の方へと移動していて、真珠湾軍港周辺は完全に日本軍の支配下に置かれていた。


 そのため、第一、第三機動艦隊は安心して燃料補給を受けられるのだ。


「燃料タンクを攻撃しなくて良かったよほんまに……」


 三笠は無傷の燃料タンクを見ながらそう呟いた。


「此処にいたのか三笠」


 そこへ金剛達が転移してきた。


「お前も中々の発案をするな。パナマ運河を攻撃するなど……」


「ハハハ、いやなに……(まさか紺碧○艦隊のネタからだと決して言えないよな……)」


 三笠は心の中でそう思った。


 そして準備が完了した第二機動艦隊は1800に密かに真珠湾を出撃したのである。










御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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